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山手洋館コンサート
洋館で聴く
「懐かしい調べ・新しいうた」
2007年9月29日(土) 18:30開演
山手ベーリックホール
主催: 山手ベーリックホール
協力: アンサンブル山手バロッコ
出演:
木島千夏(ソプラノ):
国立音楽大学卒業後、同大学音楽研究所の研究員として、バロック歌唱の研究と演奏活動に従事し、数々のバロックオペラやコンサ−トに出演。川口絹代、橋本周子に師事。92年英国へ留学し、J.キャッシュに声楽を師事、ギルドホール音楽院にてE.カークビー、D.ロブロウ、 N.ノースのレッスンを受ける。第30回ブルージュ国際古楽コンクールにて4位入賞。翌年同音楽祭に招待され、モーツァルトの「聖墓の音楽」のソロ等を歌う。W.Christie指揮によるシャルパンティエのオペラ公演「ダヴィデとヨナタン」に参加、ロンドンと日本各地でリュートのN.ノースとデュオ・リサイタルを行った他、ヨーロッパ各地で音楽祭や演奏会、ラジオに出演。帰国後は、バロックを専門にグレゴリオ聖歌から現代曲まで幅広いレパートリーに取り組みソリストまたはアンサンブルで活躍している。現在、聖グレゴリオの家教会音楽科講師。
相田南穂子(足踏みリードオルガン) :
東京音楽大学音楽学科ピアノ専攻卒業、同研究科オルガン専攻終了。聖グレゴリオの家宗教音楽研究所教会音楽科終了、同専攻科(オルガン・声楽専攻)終了。1993年
演奏に使われたベビーオルガン
(表面に Yamaha Organ Hamamatsuと書かれています。裏には製造番号69782と書かれており、おそらく大正時代の初期の製作と考えられています。)
洋館で聴く
「懐かしい調べ・新しいうた」
プログラム
本日は、横浜山手の洋館ベーリックホールのコンサートにおいでいただきありがとうございます。ベーリックホールは、昭和の初期にJ.H.モーガンの設計によりに建てられたイギリス人貿易商・ベリック氏の邸宅だったものです。この山手地区の中でもっとも古い洋館(
♪ プログラム ♪
私の好きな讃美歌
主われを愛す
緑も深き
神共にいまして
うるわしの白百合
山辺に向かいて
讃美歌や唱歌になった歌
七里が浜
庭の千草
横浜ゆかりの童謡(本居長世・曲/野口雨情・詩)
十五夜お月さん
青い目の人形
赤い靴
イギリス民謡
ロンドンデリー・エアー
グリーン・スリーヴス
サリー・ガーデン
♪ 休憩 ♪
藤井清水 作曲
信田の薮(野口雨情)
良寛さま(野口雨情)
皿屋敷(野口雨情)
阿蘭陀船(北原白秋)
オルガンソロ
大中寅二作曲 前奏曲
W.ロイド・ウェッバー作曲 夕べの賛歌
なかにしあかね 作曲/星野富弘 詩
山に行こう
秋のあじさい
よろこびが集まったよりも---きく
二番目に言いたいこと
アンコールには、「蛍の光」が演奏されました。ご来場有難うございました。
♪♪♪♪♪
コンサートの準備に忙しいお二人にプログラムや楽器、お二人の出会いなどについてうかがってみました。
− 今回はどのようなコンサートですか?
木島「横浜の洋館で歌ってみたかった日本の懐かしい歌を、洋館の生まれた時代とマッチするベビーオルガンの調べと一緒にお聴きいただきたいと思っています。私自身も、このような日本の曲を中心のコンサートは初めてなので楽しみです。」
− 歌われる曲はどんな曲ですか?
木島「古い山手の洋館の雰囲気に合わせて選曲をしました。最初は、日本の西洋音楽揺籃期に、きっとこのようなオルガン伴奏で歌われた讃美歌です。私の大好きな讃美歌ばかりを集めました。きっと皆様も知っているメロディーで楽しんでいただけるのでは?」
相田「せっかく横浜でやるのだから、横浜にちなんだ曲をということで、みなさまよくご存知の曲を3曲演奏します。歌詞、曲、建物や窓の外の景色も一体となった、山手コンサートの味わいが楽しめるのではないかと思います。」
木島「前半の最後には、私の大好きなイギリスのメロディーをお届けします。どれも有名な曲ばかりですのでご存知の方も多いと思います。後半は、日本の明治と現代の作曲家の曲を歌います。藤井清水の曲を歌ういきさつは、後でお話します。なかにしあかねさんは、現役の作曲家で、私と同じ時期にロンドン留学されていたかたです。歌手の自分が言うのも変ですが、『うた』ってすごい力があるんだなぁと感じる曲を作る、大好きな作曲家です。」
相田「前半はオルガンで、後半はピアノで伴奏します。また、オルガンの独奏もありますのでお楽しみに。」
− 木島さんは、数年前から横浜山手の洋館でコンサートをされていますが、洋館コンサートの楽しみ、普通のコンサートホールなどでの演奏会とどのように違いますか?
木島「山手の洋館でのコンサートは、コンサートホールへ、音楽を聴くための構えた場でのコンサートと違って、ご近所のお宅に招かれて、音楽も楽しむといった親しみやすさ、お客様との距離の近さが特別の味わいがあると思っています。実際に大きなコンサートホールで歌うのと、歌い方も変わり、より語りかけるような音楽ができると思っています。」
− 山手洋館との出会いは?
木島「山手洋館との出会いは、2004年です。イギリスのモーツァルトと呼ばれ、21歳で夭折した作曲家ピントの歌曲をコンサートホールでなく、サロンコンサートで紹介したい、と考えていました。そのときに、山手の洋館の館長さんや地元のバロックアンサンブルの皆さんの応援をいただいて洋館コンサートのシリーズをスタートすることができました。」
− 今回のコンサートはベビーオルガンの伴奏ということですが、ベビーオルガンとはどんな楽器ですか?
相田「ベビーオルガンは、ある年代以上の方には大変懐かしい、足踏みリードオルガンの仲間です。私の使う楽器は、メーカーの製造番号から調べたところ大正時代の初め頃に作られたことがわかっています。普通のリードオルガンより小型で持ち運びが簡単なことから室内での歌の伴奏だけでなく、なんと校庭にまで運ばれたり、いろいろな場所で活躍したようです。ベビーという名前のように、小さく、2人で簡単に運べる大きさ・重さになっています。」
− 古い楽器なのですね、まだ使えるものなのですか?
相田「ベビーオルガンは、大切に使っていけば100年以上経っても使えるものですが、今では残っている楽器は少なく、メーカーも製造していませんので、その意味では珍しい楽器かもしれません。」
− 歌の伴奏でベビーオルガンを使うのはどのような違いや楽しさがあるのでしょうか?
木島「昨年相田さんの教会でコンサートをさせて頂いた時に初めてベビーオルガンと出会いました。見ためは小さいのに、力強く表現力豊かな楽器であることに驚き、またそれを見事に操って演奏する相田さんもとても印象的で、いつかまた一緒に演奏したいと思って来ました。」
相田「私も、木島さんの歌声にピンとくるものがあったので、コンサート後直ぐに、『木島さん、是非、藤井清水(きよみ)さんの歌をやりませんか。とても合っていると思いますよ』と話しました。藤井清水は明治生まれの作曲家で、野口雨情や北原白秋の詩に味わいのある曲をつけています。今回、藤井清水の歌を木島さんと共演できるのでとても楽しみです。」
− 相田さんはオルガニストでいらっしゃいますから、教会やコンサートホールの大きなパイプオルガンでなく、ベビーオルガンに惹かれるのはなぜですか?
相田「小さいころから教会のオルガンは好きでしたし、早い時期から教会で讃美歌の伴奏などでリードオルガンを弾いていたので、ベビーオルガンには違和感なく入り込めました。ベビーオルガンを弾いてみると懐かしい調べが味わえるということだけでなく、歌やチェロなどとの合奏にも大変相性がよく、表現力もあることから、ますます惹かれ夢中になっていきました。以前はパイプオルガンも弾いていましたが、オークションで楽器を手に入れてからは、もっぱらベビーオルガンを弾いています。」
− お二人はコンサート共演で知り合われ、それ以降親しいお友達ともうかがっていますが、お互いにどのようなかただと感じていらっしゃいますか?音楽家としてでも、オフのお友達としての印象でも結構です。
木島「相田さんとは、ベビーオルガンでのコンサート以外に、声楽アンサンブル カペラ・グレゴリアーナ ファヴォリートのメンバーとしても一緒に活動しています。2人とも、ここでもグレゴリオ聖歌に基づいた古く懐かしい歌に惹かれています。オフでは、旅行など一緒にでかけることが多いです。相田さんは、私たちの温泉めぐりのツアーコンダクターで、みんなが頼っているしっかりものの一面も持ってます。」
相田「木島さんには公私とも仲良くしていただいています。音楽的にも、歌唱の面でもいろいろ教えていただくことが多いけれども、早朝の時間帯に弱いところがあるのが大好きです。」
− 最後に今日のコンサート、お客様にどのように楽しんでいただきたいとおもっていらっしゃいますか?
木島「サロンコンサートなので、近所の洋館をたずねたら歌が聞こえてきた。ちょっと聴いてみよう・・・というような感じで、『懐かしい調べ・新しいうた』を身近に楽しんでいただけたらと思います。」
相田「ベビーオルガンの音色も併せて味わっていただければと思います。休憩時間などに楽器もご覧いただけると思います。」
− どうもありがとうございました。
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