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80th Concert

  

アンサンブル山手バロッコ第80回演奏会

西洋館で味わう

〜チェンバロとバッハ親子の家庭音楽-II

Cembalo and House music of Bach Family Vol.2

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第83回 
山手234番館バロックコンサート

20181117() 18時 山手234番館 
18:00
 17th Nov. 2018 at Yamate Bluff 234

主催:公益財団法人 横浜市緑の協会/山手234番館  

 

出演

 

大村 千秋 (チェンバロ)

 

東京藝術大学大学院古楽科チェンバロ専攻を大学院アカンサス音楽賞を得て修了。
2009
年度文化庁新進芸術家海外研修員としてオランダに留学、アムステルダム音楽院チェンバロ科およびフォルテピアノ科にて学ぶ。これまでに崎川晶子、大塚直哉、ボブ・ファン・アスペレン、リチャード・エガーの諸氏に師事。    

 第21回古楽コンクール山梨において最高位受賞。2011年に帰国後は、チェンバロ、フォルテピアノのソリストとして、また通奏低音奏者として国内外で演奏を行うほか、CD録音や音楽祭、レクチャーコンサートなど多方面で活躍している。現在、桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。  http://www.chiakiomura.wordpress.com

 

アンサンブル山手バロッコ (古楽アンサンブル)

 1998年、横浜山手の洋館「山手234番館」のリニューアルに行われた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家・朝岡聡を中心に結成された古楽器アンサンブル。山手の洋館での演奏活動を続ける。西洋館でのコンサート「洋館で親しむバロック音楽」などの企画・プロデュース、古楽祭「横濱・西洋館de古楽」にも演奏・運営を通じて参加し、バロック音楽を分かりやすく伝える活動も行っている。

 

曽禰 寛純(フラウト・トラヴェルソ)

フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で習得、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年に朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。

 

角田 幹夫(バロック・ヴァイオリン、バロック・ヴィオラ)

慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを習得。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。

 

加藤久志(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

洗足学園音楽大学卒業。同大学院修士課程修了。ヴィオラ・ダ・ガンバを福沢宏、武澤秀平の各氏に、コントラバスを藤原清登氏に師事。藍原ゆき、中野哲也、マリアンヌ・ミュラー、ジョシュ・チータムの各氏のレッスンを受ける。
2015
年ニース夏期国際音楽アカデミーにてディプロマを取得。古楽やポップスなど、様々な演奏活動を行っている。

ブログ https://ameblo.jp/organic-cosme-memeko/


アンサンブル山手バロッコ第80回演奏会

西洋館で味わう

〜チェンバロとバッハ親子の家庭音楽-II

Cembalo and House music of Bach Family Vol.2

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第83回 

山手234番館バロックコンサート

ここ山手234番館は、震災後の昭和2年に外国人住宅として朝香吉蔵により建設されました。この歴史的な洋館で18世紀風サロンコンサートをお届けします。横浜出身の女流チェンバロ奏者、大村千秋さんを迎え、器楽メンバーと共に、昨年に続きバッハとその息子たちのチェンバロを中心とした室内楽を楽しんでいただく企画です。チェンバロと4つの古楽器(フラウト・トラヴェルソ、バロック・ヴァイオリン、バロック・ヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)と共に当時のバッハ親子の家庭音楽会の雰囲気をご一緒に味わいます。

 

プログラムノート

本日は、大バッハ(ヨハン・ゼバスティアン)(以下JSB)と次男のカール・フィリップ・エマニュエル(以下CPEB)、末息子のヨハン・クリスティアンJCB)の曲をお届けしますが、バッハ家の出来事、演奏曲目および関連した音楽環境を年代順に記述してみます。


1685


アイゼナハでヨハン・ゼバスティアン・バッハJSB)生まれる。自身が音楽家として大成するだけでなく、2度の結婚で20人の子供を授かり、そのうち4人の息子(長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハWFB)、上記の.CPEBヨハン・クリストフ・フリードリッヒ・バッハ(JCFBそして末息子のJCB)が歴史に残る音楽家となった。


1709
年 


ワイマールで、長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(WFB)生まれる。


1714


ワイマールでJSBの次男としてカール・フィリップ・エマニュエルCPEB)生まれる。


1714
1717年頃


JSB
 ヴァイオリンソナタBWV1023を作曲。最初のヴァイオリンソナタで、トッカータ風の前奏曲に続き、組曲風の楽章が続く宮廷ソナタの形式。本日は、前奏曲の代わりに同じ調性のオルガンソナタBWV528の序曲形式の第一楽章をヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音で演奏。この曲はカンタータ第76BWV76(ライプチヒで1726年初演)のシンフォニア(独奏はオーボエ・ダモーレとヴィオラ・ダ・ガンバ)を後年バッハ自身が編曲したもの。


1720

JSBの妻マリア・バルバラが、ケーテンで亡くなる。翌年、JSB、ソプラノ宮廷歌手のアンナ・マグダレーナ(以下AMB)と再婚。


1722

JSBはフランス組曲を作曲し、妻に捧げた「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」に記入した。家庭音楽の記録であり、同時に弟子や息子たちの教材。因みにこの音楽帳には、1725年には11歳のCPEBがマーチなど小曲を作曲記入。

 


JSB
オルガントリオ6曲を完成。右手と左手、ペダル()3つの声部(トリオソナタ)を演奏するというもので、音楽的にもトリオソナタと協奏曲を融合した高度な作品。WFBのオルガン演奏と作曲の教材として作られた。(1733年、WFBはドレスデンの聖ソフィア教会のオルガニストに就任につながっている。) ハ長調のトリオソナタ BWV529は、急・緩・急の3楽章構成。


1731


CPEB
ライプチヒで大学法学部へ入学。程なく、音楽活動も盛んに行う。
JSB
(おそらくCPEBと共同で)フルートと通奏低音のためのソナタBWV1033を作曲。この曲は、CPEBの手になる筆者譜で現代に伝えられており、そこにはJSB作曲と明示されている。しかし、様式的には、JSBの他のフルートソナタとかけ離れているので、CPEBの作曲の習熟のための課題作品ではないかとも考えられている。構成はバロックのソナタの標準の緩---急の4楽章構成。なお、翌1732年はハイドン、JCFBの生まれた年。


1735


ヨハン・クリスティアン
JCB)ライプチヒで生まれる。


1750


JSB
 ライプチッヒで没。JCB15歳。ベルリンの宮廷に仕えていた兄CPEBの元に引き取られ、面倒を見てもらう。


1762


JCB
 イタリア滞在を経て、ロンドンに移住。1756年生まれのモーツァルトは、89歳(1764-65年)のロンドン演奏旅行でJCBと知己となる。1770年、14歳のモーツァルトはJCBのチェンバロ・ソナタ(作品5)をチェンバロ協奏曲に編曲。


1765


JCB
 クラヴィーア・ソナタ集 作品5を出版。作品5-6ハ短調のソナタは、3楽章の構成で、音楽的に精密な第1楽章、フーガ形式の第2楽章などJSBの影響を感じさせるが、最終楽章は、古典派につながるギャラントな曲。なお、1770年 14歳のモーツァルトはこの曲集の他の曲をチェンバロ協奏曲に編曲。


1782


JCB
 ロンドンで没。モーツァルトは「音楽界の大きな損失」と嘆き、JCBのオペラの旋律を主題にした曲を捧げた。


1788


CPEB
 四重奏曲 Wq.94を含む三曲のチェンバロ、フルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲を作曲。ベルリンの裕福な音楽愛好家でチェンバロの名手のザラ・レヴィ(WFBの弟子)の依頼により作曲と推定される。チェンバロの独奏に、フルートとヴィオラが組み合う古典派のソナタ形式に近い曲、しかしバロックの名残の通奏低音という趣も(ザラ・レヴィはJSBオルガントリオをはじめ多くのバッハ家の曲を長く演奏し広めた。メンデルスゾーンは、この大叔母のバッハ家の音楽を受け継ぎ、後年のバッハ復興につながっている)。

前の年にはモーツァルトはオペラ「ドンジョヴァンニ」を作曲するという頃であり、時代はさらに新しい方向へ動いていく。
同年末に CPEBハンブルクで没。翌年にはフランス革命が起こり、時代の節目となる。

          

                             

J.S.バッハ 
J.S.Bach (1685-1750)

フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ長調 BWV529
Sonata for Flute, Violin and Basso continuo in C-Major BWV529

アレグロ − ラルゴ − アレグロ   
 Allegro − Largo − Allegro

 

 J.C.バッハ 
J.C.Bach
1735-1782

クラヴィーア・ソナタ ハ短調 作品5-6 W.A6
Clavier Sonata Op. 5 No. 6
 in C minor W.A6

グラーヴェ – アレグロ モデラート – アレグレット
Grave
 – Allegro moderato – Allegretto

 

J.S.バッハ 
J.S.Bach (1685-1750)

ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調BWV528-1/BWV1023-2/3/4
Sonata for Violin
Viola da gamba and Basso continuo in e-minor BWV528-1/1023-2/3/4

アダージョ/ヴィヴァーチェ − アダージョ・マ・ノン・タント − アルマンド − ジーグ
 Adagio/Vivace- Adagio ma non tanto - Allemande - Gigue

 

J.S.バッハ (C.P.E.バッハ?) 
J.S.Bach (1685-1750)
 C.Ph.E..Bach1714-1788

フルートと通奏低音のためのソナタ ハ長調 BWV1033
Sonata for Flute and Basso continuo in C-Major BWV1033

アンダンテ − アレグロ − テンポ・ディ・メヌエット
Andante
Allegro Tempo di Menuett 

 

C.P.E.バッハ 
C.Ph.E.Bach
1714-1788

チェンバロ、フルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ニ長調 Wq.94 H.538
Quartet for Flute, Viola, Violoncello and Cembalo in
 D major Wq.94 H.538

アレグレット – とてもゆっくりと持続して − プレストト
Allegretto - Sehr langsam und ausgehalten - Allegro di molto

 

 

アンコール

 

たくさんの拍手をいただきましたので、プログラムでも紹介しました J.C..F.バッハのチェンバロとフルート、ヴァイオリンのためのソナタ ハ長調より アンダンテをお届けします。 

もう1曲アンコールは、父バッハのオルガントリオ ト長調 BWV525より 第3楽章アレグロをお届けします。



ありがとうございました。

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