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60th Concert

  

アンサンブル山手バロッコ第60回演奏会

山手234番館  バロックコンサート

〜木の響きで味わうバロック音楽〜

Pleasure of Baroque Music with Wooden Instruments

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第58

2015913() 18時開演 山手234番館 
18
00 13th September 2015 at Yamate Bluff 234

主催:公益財団法人 横浜市緑の協会/山手234番館

 

出演

大山 有里子(バロック・オーボエ) 

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。現在、バロックから古典のオーボエ奏者として、関東を中心に活発に活動している。
バロック・アンサンブル「クラングレーデ」「ダブルリーズ」メンバー。

 

寺村 朋子(チェンバロ)

東京芸術大学音楽学部チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回古楽コンクール・チェンバロ部門第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外のアカデミーに参加し研鑽を積む。NHKFM リサイタル」に出演。その他多くの団体と様々なコンサート活動を行う。

トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「J.S.バッハ作品集」(2009年再版)を編曲、出版。現在、宮地楽器小金井アネックス・ チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会正会員。2010 年 チェンバロソロ CD「カプリッチョ」(レコード芸術準推薦 盤)リリース。バロック・アンサンブル「ダブルリーズ」メンバー。


 

アンサンブル山手バロッコ第60回演奏会

山手234番館  バロックコンサート

〜木の響きで味わうバロック音楽〜

Pleasure of Baroque Music with Wooden Instruments

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第58

 

 1998年より横浜西洋館でのコンサートを継続しているアンサンブル山手バロッコのコンサート。オーボエ奏者の大山有里子さんとチェンバロ奏者の寺村朋子さんをお迎えし、バロック時代の様式のオーボエとチェンバロの木のぬくもりを感じる響きを、山手 234 番館の親密な空間で味わいます。 曲目は、バロック最高の音楽家、本年生誕330年のJ.S.バッハの曲を中心にお届けします。      

 

J.S.バッハ(1685 - 1750):「羊は安らかに草を食み」(BWV 208より)

Johann Sebastian BachAria: Schafe Köennen sicher weiden (BWV 208/9) 

「楽しき狩こそわが悦び」(Was mir behagt, ist nur muntre Jagd!BWV208は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した世俗カンタータの一つで通称「狩のカンタータ」(Jagdkantate)。全15曲からなり、演奏する第9曲のアリア「羊は安らかに草を食み」の冒頭はNHK-FM放送で2010年度まで放送されていた「あさのバロック」のオープニング曲に編曲されて日本では特に有名です。安らかに草を食む羊の群れ,それを見守る羊飼い,神の愛のうちにみまもられる様子をソプラノが歌います。オーケストラの部分をチェンバロで、ソプラノ(歌)をオーボエで演奏します。

 

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 より 第1番 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 870

Johann Sebastian BachPrelude und Fuga Nr.1 C-Dur BWV 870


J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集 第2巻の最初を飾る前奏曲とフーガ ハ長調BWV870は、拡張・改変を重ね、少なくとも3段階の改訂を経ています。これは、この作品に、オープニングを飾るにふさわしい記念碑的な構想を与えようと、バッハが創意工夫を重ねた事がうかがえます。1977年、アメリカのNASAが打ち上げたボイジャー2号 宇宙無人探知機に乗せられたゴールデンレコードにバッハの作品が3曲収められていますが、その中の1曲が、この作品です。いつの日か、宇宙の何処かで鳴り響くかもしれない・・・と想像すると楽しいです。

 

J.S.バッハ:トリオ・ソナタ ハ長調 BWV 529

Johann Sebastian BachTriosonate C-Dur BWV 529

アレグロ − ラルゴ − アレグロ
Allegro / Largo / Allegro

J.S.バッハのトリオ・ソナタ ハ長調 BWV 529、バッハがオルガンのために作曲した6曲のトリオ・ソナタ(BWV525-530)のうちの1曲です。「トリオ・ソナタ」とはバロック音楽の時代に非常に流行した形式で、2つの旋律と通奏低音(バス)という3つのパートからなる曲です。通常は、たとえば2つのヴァイオリンとチェロとチェンバロという風に4人で演奏することが最も多いのですが、この曲でバッハは、3つのパートをオルガン奏者一人で(右手、左手、足鍵盤で)演奏するものとして作曲しました。今回のコンサートでは、オーボエ、チェンバロの2人で演奏します。さて、どのような味わいになりますか。

 

C.Ph.E.バッハ(1714-1788) :ソナタ ト短調 H.542.5 (伝J.S.バッハの BWV 1020

Carl Philipp Emanuel BachSonata g-moll H.542.5(BWV 1020)

アレグロ − ラルゴ − アレグロ
Allegro / Adagio / Allegro

 

長らくJ.S.バッハのフルートとオブリガートチェンバロのためのソナタ BWV1020として親しまれていたト短調のソナタは、最近では、修行中の次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハが父の教えを受けながら作ったもの(H.542.5と附番)ではないかということになっています。現存する当時の資料によれば、楽器はヴァイオリンとなっていますが、ヴァイオリンのG線が一度も用いられていないこと、重音奏法がないことなどから、フルートであろうといわれています。オーボエの曲と考えるには高音が多く疑問がありますが、ト短調はオーボエにとって適した調性であり、この曲の音域はバロック・オーボエの音域に収まっています。現代のオーボエでは音域的にも無理がなく良く演奏される曲です。

 

J.S. バッハ :前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998(チェンバロソロ)

Johann Sebastian BachPraeludium, Fuge und Allegro Es-Dur, BWV 998

 

前奏曲、フーガとアレグロ  変ホ長調  BWV998は、J.S.バッハ自身タイトルを記しておらず、第1楽章に「リュートまたはチェンバロのための前奏曲」と添え書きがあります。このことから、ラウテンヴェルクというリュートのような音のするガット弦を張った鍵盤楽器を想定して書かれたのではないかとも言われています。自筆譜は東京の上野学園大学にあります。

通奏低音のお話し

通奏低音の解説、様々な例を実演を交えて楽しくお話いただきました。

 

 

C.Ph.E.バッハ:オーボエ・ソロ ト短調 Wq.135

Carl Philipp Emanuel BachHoboe Solo g-moll Wq.135

アダージョ – アレグロ – ヴィヴァーチェ
Adagio / Allegro / Vivace

J.S.バッハの次男C.Ph.E.バッハは、後にベルリンとハンブルクで活躍したため、「ベルリンのバッハ」または「ハンブルクのバッハ」と呼ばれています。生前は世俗的な成功をおさめ、父よりも有名になりました。今日ではバロック音楽から古典派音楽への橋渡しとして重要な役割を担ったと評価されています。本日取り上げます「Hoboe solo」と題された、オーボエと通奏低音のための曲(オーボエ・ソロ ト短調 Wq.135が作曲されたのは、ベルリンに行くよりもずっと前の1731年から1735年、おそらくライプツィヒでのこととされています。 父ゼバスティアンはトーマス教会のカントルで、エマヌエル自身はライプツィヒ大学の学生だったころということになります。若干17歳〜21歳!彼は学生でありながら、父の助手のようなことや、写譜、演奏もこなしていて、父の指導のもと作曲も始めていました。

 同じころの父ゼバスティアンの代表作は、管弦楽組曲第2番、第3番、クリスマス・オラトリオなどがあります。曲の規模や目的など全く違うので一概に比較できませんが、同じころに息子が作ったこの「オーボエ・ソロ」、特に第1楽章があまりにも独創的!お父さんに見せただろうか?ゼバスティアンはなにか感想をのべたのだろうか?だれかが演奏したのだろうか? 興味はつきません。トーマス学校で教育を受けて合唱にも参加していただろうエマヌエルは、父ゼバスチャンのカンタータの素晴らしいオーボエのソロに触発されてこの楽器を独奏楽器に選んだのではないでしょうか。

残念なことに、そのほかに彼はオーボエのソロ・ソナタを1曲も残していません。でもオーボエ奏者は、この1曲があって本当に幸せです。 

 

アンコール

どうもありがとうございました。

沢山の拍手をいただきましたので、

バッハ カンタータ第156番《わが片足すでに墓穴に入りぬ》からシンフォニア をお送りします。

ありがとうございました。

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