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56th Concert
アンサンブル山手バロッコ第56回演奏会
山手234番館
バロックコンサート
西洋館で味わう
「バロック管楽器の愉しみ」
Pleasure of Baroque Woodwind Instruments
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第53回
2014年10月18日(土) 18時開演(17時30分開場) 山手234番館
レクチャールーム(元町公園前)
18:00 18th October 2014 at Yamate Bluff 234
主催:公益財団法人 横浜市緑の協会/山手234番館
出演
国枝 俊太郎:リコーダー、フラウト・トラヴェルソ(賛助出演)
東京都出身。リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。1995年開催の第16回全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞を受賞。
これまで東京リコーダー・オーケストラのメンバーとしてNHK教育テレビ「ふえはうたう」などに出演、CD録音にも参加する。
現在はバロック室内楽を中心に、リコーダー・アンサンブルによるルネサンス〜現代までの作品や、ギターとのアンサンブルによる19世紀のサロンピースの演奏、さらには古楽器オーケストラによる数々の演奏会に出演するなど、幅広く活動している。
ルネサンス・フルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ」メンバー。バロックアンサンブル「クラングレーデ」、「ムジカ・レセルヴァータ」メンバー。
永谷 陽子:バロック・ファゴット(賛助出演)
桐朋学園大学卒業。同大学研究科修了。桐朋オーケストラアカデミー修了。
ファゴットを浅野高瑛、武井俊樹、馬場自由郎各氏に、バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。
09年、第12回古楽の森コンサートに、バロック・ファゴットソロで出演。第26回古楽コンクール奨励賞を受賞。
モダン、クラシカル、バロック、ファゴット奏者としてオーケストラ、室内楽等で活躍。バロックアンサンブル「ダブルリーズ」メンバー。
アンサンブル山手バロッコ
1998年、横浜山手の洋館「山手234番館」のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家・朝岡聡を中心に結成された古楽器を使った演奏団体。継続的に横浜山手の洋館での演奏活動を続けています。
また、西洋館でのコンサート「洋館で親しむバロック音楽」などの企画・プロデュース、古楽祭「横浜・西洋館de古楽」にも演奏・運営を通じて参加し、バロック音楽を分かりやすく伝える活動も行っています。本日の演奏メンバーを紹介します。
曽禰寛純(フラウト・トラヴェルソ)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で学び、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年にリコーダーの朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロックを結成し、横浜山手の洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。
角田幹夫(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
和田章(チェンバロ)
小林道夫にチェンバロを師事。慶応バロックアンサンブルで演奏。カメラータ・ムジカーレ同人。当アンサンブル発足メンバー。
アンサンブル山手バロッコ第56回演奏会
山手234番館
バロックコンサート
西洋館で味わう
「バロック管楽器の愉しみ」
Pleasure of Baroque Woodwind Instruments
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第53回
バロック時代の木管楽器で高音楽器の代表として貴族にもてはやされたのがフルート(リコーダー、フラウト・トラヴェルソ)でした。また、低音楽器として独奏や通奏低音で活躍したのがファゴットです。西洋館でもたびたび味わい深い演奏を聴かせていただいているリコーダー/フラウト・トラヴェルソ奏者の国枝俊太郎さん、古楽コンクールで審査員奨励賞受賞のバロック・ファゴット奏者の永谷陽子さんを迎え、アンサンブル山手バロッコとの共演で、お聴きいただきます。
ボワモルティエ(1682-1765)
J.B.Boismortier
フルート、ファゴットと通奏低音のためのソナタ ホ短調 op.37-2
Sonata in e-minor for Flute, Fagott and
Basso continuo op.37-2
アレグロ − アダージョ − アレグロ
Allegro – Adagio – Allegro
ボワモルティエ(1682-1765)は歴史上初めてのフリーランスの音楽家として名が知れていますが、パトロンの援助で生活が成り立つという芸術家がほとんどだった時代を考えれば、これは非常に珍しい事でした。彼は1724年に最初の作品を発表して以来、1747年までの間にパリで実にたくさんの曲を作曲し続けました(彼自身の手によってop.102までの作品番号が付されています)。フルート、ファゴットと通奏低音のためのソナタが含まれているop.37は1732年にパリで出版されたもので、表紙には各種の楽器の組み合わせが挙げられています。
テレマン(1681-1767)
G. Ph. Telemann
二本のフルート、ファゴットと通奏低音のための四重奏曲 第1番 ニ長調
Quartet in D-Major for two Flute, and Basso continuo
ドルチェ − アレグロ − グラーヴェ − アレグロ
Dolce – Allegro – Grave –
Allegro
テレマン(1681-1767)は、バッハと同時代のドイツの音楽家で、当時はバッハを遥かにしのぐ名声を獲得していました。この時代のドイツの音楽家たちは、イタリア様式とフランス趣味を競って融合しましたが、このことをテレマンほど巧みに行った作曲家はなく、また、楽器の特性を知り尽くし聴いても演奏しても楽しい音楽を作曲しました。2本のフルート、ファゴットと通奏低音のための四重奏曲は、2本のフルートと2本のファゴット(またはチェロ)のための6曲の四重奏曲集の最初に納められたものです。テレマンの他の四重奏曲と同じように4楽章構成ですが、各楽章が愛らしくかつコンパクトにまとめられています。2本のフルートが並行して、また対話して進行しますが、それにファゴットが第3の声部として絡みます。
ツァッホウ(1663-1712)
F.W.Zachow
フルート、ファゴットと通奏低音のためのソナタ ヘ長調
Sonata in F-Major for Flute, Fagott and Basso
continuo
ラルゴ − アレグロ − アンダンテ − アレグロ・アッサイ
Largo - Allegro- Andante – Allegro assai
ツァッホウ(1663-1712)は、ドイツのライプチッヒ生まれの作曲家、オルガニストです。その生涯や作曲よりも、幼いヘンデルに音楽の手ほどきをした先生として知られています。若きヘンデルに、作曲や鍵盤楽器の演奏を教えその才能を開花させました。本日演奏するトリオソナタは、フルートとファゴットという珍しい組合せで書かれていますが、後年のヘンデルのトリオソナタと同じ形式と趣味によっていて、この師匠がおおいなる影響をヘンデルに与えたのが良くわかります。
ボワモルティエ(1682-1765)
J.B.Boismortier
ファゴット協奏曲 ニ長調
op.26
Fagott Concerto in D-Major op.26
アレグロ − ラルゴ − アレグロ
Allegro – Largo– Allegro
ファゴット協奏曲は、1729年に同じくパリで出版されたチェロ、ヴィオールまたはファゴットのための6つのソナタ(内容は5つのソナタと1つの協奏曲)に含まれています。ソロの妙技が楽しめるイタリア趣味の急-緩-急の3楽章構成ですが、第1、第3楽章では、伴奏の2本のヴァイオリン(本日はフラウト・トラヴェルソで演奏)が独自の展開をするなど、フランスの趣味も随所に取り込んでいます。
テレマン(1681-1767)
G.Ph.Telemann
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ短調 《忠実な音楽の師》より
Sonata in f-minor for Recorder and Basso Continuo from “Der Getreue
Music-Meister”
トリステ − アレグロ − アンダンテ − ヴィヴァーチェ
Triste – Allegro – Andante – Vivace
リコーダーと通奏低音のためのソナタは、前回(2013年3月)はファゴットの独奏でお聴きいただきましたが、本日はテレマン自身がもう1つの独奏楽器の選択として指定したリコーダーの独奏でお楽しみください。ヘ短調という悲しみを表す調性を選び、第1楽章の悲しみのモチーフから、その感情(アフェクト)に引き込みます。その後に続く、急-緩-急の3つの楽章も、深い思いを継続しながら展開します。
ガリヤルド(1681-1767)
J.E.Galliard
ファゴットと通奏低音のためのソナタ ト長調
Sonata for Fagott and Basso Continuo f-minor
from “Der getreue
Musikmeister”
アンダンテ - ヴィヴァーチェ - アラ シシリアーノ カンタービレ - スピリトーソ エ アレグロ
Andante – Vivace – Ala Sciciliano cantabile – Spritoso ed Allegro
ガリヤルド(1687-1747)はバッハとほぼ同時代のドイツ生まれの作曲家、リコーダー、オーボエ奏者です。ドイツで宮廷に仕えた後、イギリスに渡りました。ヘンデルのイタリアオペラ上演に参加し、オペラアリアなどでオーボエ奏者としても活躍したことが知られています。ファゴットソナタ ト長調は、その楽章表記でもわかる様に、新しい時代を意識した伸びやかな曲です。
ヴィヴァルディ(1678-1741)
A.Vivaldi
協奏曲 ト短調 P.404
Concerto in g-minor for Recorder, Flute, Fagott
and Basso continuo P.404
[アレグロ]- ラルゴ - アレグロ
(Allegro) – Largo – Allegro
ヴィヴァルディ(1678-1741)は協奏曲集「四季」で有名な作曲家ですが、同時に急-緩-急の3楽章からなる協奏曲の形を完成させた人としても重要です。また、複数の楽器のアンサンブルで演奏する協奏曲(室内協奏曲)のジャンルも開拓しました。協奏曲 ト短調は高音域のリコーダーと低音域のファゴットを独奏楽器として組み合わせ、それをヴァイオリン(本日はフラウト・トラヴェルソで演奏)と通奏低音で支える魅力的な味付けがされた協奏曲です。ヴィヴァルディが教えていたヴェネツィアの女子孤児院の生徒達が自慢の腕を披露するために作曲されたのでしょうか。活発に動き回るリコーダーと、技巧的なパッセージを演奏するファゴットの姿が活躍しますが、第2楽章では、ファゴットも伴奏に回り、リコーダーののびやかな旋律が浮き上がります。
アンコール
どうもありがとうございました。
沢山の拍手をいただきましたので、
テレマン:2本のフルート、ファゴットと通奏低音のための四重奏曲 ニ短調 第4楽章から
抜粋をお送りします。
ありがとうございました。
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