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49th Concert
アンサンブル山手バロッコ第49回演奏会
夏の終わりに味わう
「アンサンブルの楽しみ - II」
"Ensemble Music in Late Summer, Part II”
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第40回
2013年9月8日(日) 午後3時開演 山手234番館 レクチャールーム(元町公園前)
15:00am 8th September. 2013 at Yamate Bluff 234
主催:公益財団法人 横浜市緑の協会/山手234番館
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)(賛助出演)
Ariko Oyama
(Baroque Oboe)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋弥氏に師事する。卒業後、関西を中心にオーケストラやアンサンブルで、またソロ奏者として活動する。大阪コレギウム・ムジクムのソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心として数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。そのかたわらピリオド楽器によるバロック音楽の演奏に興味を持ち、バロック・オーボエを始める。これまでに各地でオリジナル楽器によるオーケストラやアンサンブルに参加している。「アルモニー・アンティーク」、「クラングレーデ」メンバー。
石川和彦 (バロック・ヴァイオリン)(賛助出演)
Kazuhiko Ishikawa(Baroque Violin)
大阪音楽大学器楽科卒業後バロック・ヴァイオリンを始め、コレギウム・ムジクム・テレマンの主な公演に出演。2001年に渡仏し、ストラスブール音楽院にてバロック・ヴァイオリンとバロック音楽の研鑽を積む。フランスで“Le Parlement de Musique”などで活躍、現在、室内楽やオーケストラでモダン、古楽器とも活発に活動している。ヴァイオリンを曽田義嗣、林泉、佐藤一紀、バロック・ヴァイオリンを中山裕一、フランソワ・フェルナンデス、ステファニー・プイステー、桐山建志各氏に師事。バロックアンサンブル「クラングレーデ」メンバー。
寺村朋子(チェンバロ)(賛助出演)
Tomoko Teramura(Cembalo)
東京芸術大学音楽学部チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回古楽コンクール・チェンバロ部門第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外のアカデミーに参加し研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他多くの団体と様々なコンサート活動を行う。トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「JS.バッハ作品集」(2009年再版)を編曲、出版。宮地楽器小金井アネックス・チェンバロ科講師。2010年 チェンバロソロCD「カプリッチョ」(レコード芸術準推薦盤)レリース。
アンサンブル山手バロッコ
1998年、横浜山手の洋館「山手234番館」のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家・朝岡聡を中心に結成された古楽器を使った演奏団体。継続的に横浜山手の洋館での演奏活動を続けています。また、西洋館でのコンサート「洋館で親しむバロック音楽」などの企画・プロデュース、古楽祭「横浜・西洋館de古楽」にも演奏・運営を通じて参加し、バロック音楽を分かりやすく伝える活動も行っています。本日の演奏メンバーを紹介します。
曽禰寛純 (フラウト・トラヴェルソ)
Hirozumi Sone (Flauto Traverso)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で学び、慶應バロックアンサンブルで演奏。
1998年にリコーダーの朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロックを結成し、横浜山手洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。
角田幹夫(バロック・ヴァイオリン)
Mikio Tsunoda
(Baroque Violin)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
原田純子(バロックヴィオラ)
Junko Harada(Baroque Viola)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。バロック・ヴァイオリンを渡邊慶子氏に師事。モダンとバロック楽器の両方で活躍。
北村貞幸(チェロ)
Sadayuki Kitamura(Violoncello)
慶應ワグネル・ソサイエティ・オーケストラ、JAO(日本アマチュア・オーケストラ)元首席チェリスト。現在、モダンとバロック楽器の両方で活動。
加藤詩菜(ソプラノ)
Utana Kato (Soprano)
神奈川県出身。横浜雙葉高等学校卒業。フェリス女学院大学音楽学部演奏学科卒業。洗足学園音楽大学大学院音楽研究科修了。第4回彩明ムジカコンコルソ第1回声楽部門「読売賞」受賞。第83回横浜新人演奏会出演。声楽を、川上勝功、平松英子、ウーヴェ・ハイルマンの各氏に師事。日本声楽発声学会会員。NPO法人横浜音楽協会会員。東京室内歌劇場会員。横浜市民広間演奏会会員。現在、洗足学園音楽大学ミュージカルコース助手。
曽禰愛子(メゾソプラノ)
Aiko Sone
(Mezzo Soprano)
声楽を川上勝功氏、U.ハイルマン氏に師事。鹿児島国際大学短期大学部音楽科及び同専攻科修了。鹿児島県新人演奏会に出演。
現在、洗足学園音楽大学大学院在学中。
アンサンブル山手バロッコ第49回演奏会
夏の終わりに味わう
「アンサンブルの楽しみ - II」
"Ensemble Music in Late Summer, Part-II”
今回は、昨年に引き続き、行く夏を惜しみながら、アンサンブルの楽しみをご一緒に味わいたいと思います。「洋館で親しむバロックシリーズ」の40回の記念演奏会にふさわしい、素晴らしいゲストの皆様にご協力いただき、八ヶ岳の山上で行われた演奏会を西洋館で再構成いたします。
モーツァルト(1756〜1791) /
W. A. Mozart
アイネ・クライネ・ナハトムジーク KV525より第1楽章
Serenade G-Major KV.525 "Eine Kleine
Nachtmusik" 1st movement
アレグロ
Allegro
モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークは、モーツァルトの全作品の中でも最も人気のある作品で、あらためて説明の必要も無いかもしれません。
オペラ「ドンジョバンニ」の作曲時期に作られたこの曲は、モーツァルト最後のセレナードですが、何のために作られたのか、現在残されている4つの楽章の他にメヌエットがあったがなぜ出版されなかったのか、など、いくつかの謎を秘めた曲でもあります。本日は冒頭の第1楽章アレグロを演奏します。
ヴィヴァルディ(1678〜1741)/
A.Vivaldi
室内協奏曲 ト短調 RV107
Concerto in g-minor RV107
アレグロ - ラルゴ - アレグロ
Allegro – Largo – Allegro
室内協奏曲ト短調は、このピエタの音楽院で少女達が演奏する目的で作られたと思われます。どの楽器のパートも非常に技巧的に作られたおり、彼女達がいかに高い水準で演奏していたかをうかがい知ることが出来ます。
バッハ(1685〜1750) /
J.S.Bach
ヴィオラとチェンバロのためのソナタ ニ長調 BWV1028より第1第・2楽章
Sonata for
Viola da gamba and Cembalo D-major BWV1028 1st&2nd movement
アダージョ - アレグロ
Adagio –
Allegro
バッハはヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためソナタを3曲残しています。この楽器を演奏したケーテン侯との関係で作曲されたのかもしれませんが、誰のために、どのような機会に作曲されたかは良くわかっていません。ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの右手が2つの上声部を、チェンバロの左手がバス声部を演奏する、バッハが時代に先駆けて探究した形式になっています。
本日は第2番ニ長調を、前半の2楽章をヴィオラを独奏楽器でお聴きいただきます。
ヴィヴァルディ(1678〜1741)/
A.Vivaldi
協奏曲「夏」より 第1楽章
Concerto in
d-minor "L'Estate" 1st Movement
アレグロ ノン モルト
Allegro non
molto
ヴィヴァルディは、港町ヴェネチアで生まれました。ヴァイオリニストの父親に教育を受け、25歳の時に司祭に叙され、赤毛の司祭としてピエタ慈善院の付属音楽院のヴァイオリン指導を始めました。生涯を通じて多くの協奏曲や合奏曲などの器楽曲や宗教曲を作曲しましたが、このピエタの少女たちのオーケストラによるコンサートには、曲を提供するだけでなく、音楽演奏の教育を行いリハーサルを指導し、本番では独奏も担当し妙技を披露するなど、ピエタのコンサートの名声を高めることに大いに貢献しました。
協奏曲集「四季」はあまりにも有名ですが、「四季」という名称もありませんし独立した曲集でもありません。四季を構成する4曲は、協奏曲集《和声と創意への試み》作品8の冒頭の4曲を構成しています。「夏」は第2曲目でイタリア語の詩が添えられており、さまざまな景色や感情を巧みに表しています。本日は以下の詩がつけられた第1楽章を演奏します。今年の夏をふり返りながらお楽しみください。
焼けつく太陽の季節には人は疲れ家畜は疲れ松も枯れる/
しかし郭公が鳴きはじめ山鳩と五色ひわの歌が聞こえる/
そよ風は爽やかに吹くが北から冷たい風が襲いかかり/
にわかに雨を降らせ牧童たちを困らせる/
ペルゴレージ(1710〜1736) /
G.B. Pergolesi
スターバト・マーテル(悲しみの聖母)より
「悲しむ聖母がたたずんでおられた」〜「地獄の火と炎からお守りください」〜「この体が死を迎える時〜アーメン」
“Stabat mater
dolorosa” – “In flammatus et accensus per te” - "Quando corpus morietur" from Stabat Mater
スターバト・マーテル(悲しみの聖母)は、13世紀に生まれたカトリックの聖歌の一つで、わが子イエス・キリストが磔刑となったときに、母マリアが受けた悲しみを思う内容を持ち、ルネッサンスから現代にいたるまで多くの作曲家が曲を残しています。作曲者のペルゴレージは、イタリアに生まれ、幼少時から才能を発揮し、ナポリで活躍しましたが、病気のためわずか26歳でその生涯を終えましたが療養中の聖フランチェスコ修道院で死の直前にこの曲を作曲しました。深い悲しみを描いており、作曲家の死後、ペルゴレージの代表作として有名になりました。
「悲しむ聖母がたたずんでおられた」は、この曲の冒頭の2重唱で、イエスキリストがこれから十字架にかけられる悲しみを、「地獄の火と炎からお守りください」は曲の後半でいよいよ処刑されるわが子を思う気持ちを表しています。
「肉体が死に行く時」は、この曲の最後の楽章で、イエスの昇天を祈る鎮痛な曲想を経て、最後は、ソプラノ、アルトと弦楽での畳み込むようなアーメンの祈りで曲を閉じます。
(歌詞大意)
I Duet
悲しみの母は立っていた/ 十字架の傍らに、涙にくれ /御子が架けられているその間
Stabat mater dolorosa /Juxta Crucem
lacrimosa, /dum pendebat Filius.
XI Duet
怒りの火に燃やされることなきよう /あなたによって、乙女よ、守られますように /裁きの日には
私を十字架によって守護し /キリストの死によって支え /恵みによって満たしてください
In flammatus et accensus /per te, Virgo,
sim defensus /in die judicii. /
Fac me cruce custodiri, /morte Christi
praemuniri /confoveri gratia.
XII Duet
肉体が滅びる時には /どうか魂に、栄光の天国を /与えてください。アーメン
Quando corpus morietur, /fac, ut animae
donetur /paradisi gloria. Amen.
J.S.バッハ
J.S.Bach
ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050より第3楽章
Brandenburg Concerto No.5 in D major, BWV 1050
アレグロ
Allegro
J.S.バッハはその生涯を、宮廷または教会での音楽に捧げました。特に1717年から1722年には、ケーテン候の宮廷楽長を勤めていました。音楽好きのお殿様のもとで幸せな時を過ごしたと自身で語っているように、名手を集めた宮廷楽団のためにブランデンブルク協奏曲をはじめとした協奏曲や器楽曲の多くを作曲しました。1719年にバッハはケーテン候の依頼でベルリンへチェンバロを購入しに行きます。当時の記録でも大変高価な楽器を使って、チェンバロの活躍する協奏曲を書き上げました。それが、今日ブランデンブルク協奏曲第5番として知られる曲で、チェンバロを独奏楽器とした世界で最初の協奏曲であるともいわれています。
アンコール
どうもありがとうございました。
沢山の拍手をいただきましたので、
–バッハのカンタータ第147番よりコラール「主よ人の望みの喜びよ」
をお送りします。
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