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45th Concert
アンサンブル山手バロッコ第45回演奏会
三溪園「観月会」コンサート
「アンサンブルの楽しみ」
"Ensemble Music in Harvest Moon Night Viewing”
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第32回
2012年9月29日(土) 午後18時15分開演 三溪園 臨春閣
18:15 29th September. 2012 at Rinshun-kaku in
Sankei-en
主催:公益財団法人 三溪園保勝会(横浜市中区本牧三之谷 58-1)
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)(賛助出演)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、大阪コレギウム・ムジクムのソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。そのかたわらピリオド楽器によるバロック音楽の演奏に興味を持ち、バロック・オーボエを始める。これまでに各地でピリオド楽器によるオーケストラやアンサンブルに参加し、現在は関東を中心に活動している。バロックアンサンブル「アルモニー・アンティーク」、「クラングレーデ」メンバー
寺村朋子(チェンバロ)(賛助出演)
東京芸術大学音楽学部チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回古楽コンクール・チェンバロ部門第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外のアカデミーに参加し研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他多くの団体と様々なコンサート活動を行う。トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「JS.バッハ作品集」(2009年再版)を編曲、出版。宮地楽器小金井アネックス・チェンバロ科講師。2010年 チェンバロソロCD「カプリッチョ」(レコード芸術準推薦盤)レリース。
アンサンブル山手バロッコ
1998年、横浜山手の洋館「山手234番館」のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家・朝岡聡を中心に結成された古楽器を使った演奏団体。継続的に横浜山手の洋館での演奏活動を続けています。また、西洋館でのコンサート「洋館で親しむバロック音楽」などの企画・プロデュース、古楽祭「横浜・西洋館de古楽」にも演奏・運営を通じて参加し、バロック音楽を分かりやすく伝える活動も行っています。本日の演奏メンバーを紹介します。
加藤詩菜(ソプラノ)
Utana Kato(Soprano)
神奈川県出身。横浜雙葉高等学校卒業。フェリス女学院大学音楽学部演奏学科卒業。洗足学園音楽大学大学院音楽研究科修了。第4回彩明ムジカコンコルソ第1回声楽部門「読売賞」受賞。第83回横浜新人演奏会出演。声楽を、川上勝功、平松英子、ウーヴェ・ハイルマンの各氏に師事。日本声楽発声学会会員。NPO法人横浜音楽協会会員。東京室内歌劇場会員。横浜市民広間演奏会会員。
現在、洗足学園音楽大学ミュージカルコース助手。
曽禰愛子(メゾソプラノ)
Aiko Sone
(Mezzo Soprano)
声楽を川上勝功氏、U.ハイルマン氏に師事。鹿児島国際大学短期大学部音楽科及び同専攻科修了。鹿児島県新人演奏会に出演。現在、洗足学園音楽大学大学院在学中。
曽禰寛純 (フラウト・トラヴェルソ)
Hirozumi Sone (Flauto Traverso)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で学び、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年にリコーダーの朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、横浜山手洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。
角田幹夫(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
Mikio Tsunoda
(Viola da gamba)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
アンサンブル山手バロッコ第45回演奏会
三溪園「観月会」コンサート
「アンサンブルの楽しみ」
" Ensemble Music in Harvest Moon Night Viewing”
横浜の名園「三溪園」の観月会にようこそ。今夜は、この臨春閣が建築されたころに聴かれていた西洋音楽(バロック音楽)を名園の雰囲気のなかでご一緒に味わいましょう。当時使われていたチェンバロなどの古楽器を使って演奏します。
ガルッピ(1706〜1785)
Baldassare Galuppi
フルート、オーボエと通奏低音のためのソナタ ト長調
Sonata for Flute, Oboe and Basso continuo G-Major
アレグロ モデラート/アンダンテ/アレグロ
Allegro moderato
/ Andante / Allegro
ガルッピはイタリアの作曲家。オペラや宗教曲などに優れた作品を残しましたが、器楽曲も少なからず残されています。フルート、オーボエと通奏低音のためのソナタ ト長調もその一つで、バロック時代後期に流行していた簡潔で軽やかなギャラント・スタイルで書かれています。
J.S.バッハ(1685〜1750)/
J.S.Bach
アンナマグダレーナのための音楽帳より
「御身が一緒にいてくだされば」
BWV508
Aria “Bist du bei mir” BWV508
レシタティーヴォとアリア「私は満ち足りている」
Recitativo and Aria “Ich habe genug”
バッハは人生の後半をライプティッヒで、音楽監督として、教会、市民そして家庭のための音楽を作曲・演奏し続けました。カンタータは教会の礼拝の時に演奏される音楽です。教会カンタータに「私は満ち足りている」があります。このシメオン老人の逸話に基づいた曲は、バッハのお気に入りだったらしくソプラノ、アルト、バスの独唱で何度も再演されました。また、本日演奏するレシタティーヴォとアリアは、名歌手でバッハの奥さんでもあったアンナマグダレーナに贈った音楽帳に記入されており、夫婦での家庭音楽の様子がうかがわれます。同じ音楽帳には家族で楽しむ様々な曲が書き加えられました。「御身が一緒にいてくだされば」もこの音楽帳の曲で、長くバッハの曲とされてきましたが、ドイツの作曲家シュテルツェルの曲であることが判明しましたが、愛する人とともにいる安らぎを歌う曲の美しさには変わりがありません。
「御身が一緒にいてくだされば」
御身が一緒にいてくだされば、私は喜びをもって臨みます、死へと、そして私の安らぎへと。
ああ、私の最期がどれほど満ち足りることでしょう
御身の美しい手が、私の誠実な眼を閉ざしてくださるのなら。
「私は満ち足りている」
レチタティーヴォ
私は満ち足りている。私の慰めはただひとつ、イエスが私のものとなり、私がイエスのものとなること。
私はイエスを信じて離さない、私もシメオンのように、来世に生きる喜びを知っているから。この人とともに進もう。
ああ、主よ、私をこの肉体の鎖から救ってください。
ああ、私の別れの時が近いのなら、私は喜んでこの世に言おう、私は満ち足りていると。
3. アリア
眠れ、疲れた眼(まなこ)よ。清らかな安らぎのうちに、そっと閉じよ。
この世よ、私はもはやここに留まることはない、魂のためになるものをお前はもう私に与えてはくれないのだから。
この世では苦しみや悲しみが増すばかり、しかしあの世、あの世では、甘美な安らぎと静かな休息に出会うだろう。
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
Chromatic Fantasy and Fugue in d-minor, BWV 903
J.S.バッハは、その生涯を通じて鍵盤楽器(オルガン、チェンバロ)の名手として知られていました。1730年ころに最終稿の完成した半音階的幻想曲とフーガは、バッハの鍵盤曲の中でも最も有名で、死後も忘れられずに演奏され続けた曲です。曲は、半音階的に走るような曲想と語りかけるような曲想を交互に配した幻想曲で始まり、後半は半音階のテーマが3声部で掛け合う厳かなフーガが徐々に自由な形に変化し、最後には最初の華麗な雰囲気を加えて曲を閉じます。
アルビノーニ(1671〜1751)
T.Albinoni
オーボエと通奏低音のためのソナタ ハ長調
Sonata
forOboe and Basso continuo C-Major
アダージョ/ アレグロ/ ラルゴ/ ブレスク/ メヌエット
Adagio /
Allegro / Largo / Bourlesque / Menuet
アルビノーニはイタリアの裕福な貴族であり音楽家。オペラや器楽曲を残していますが、特にオーボエ協奏曲で有名です。オーボエと通奏低音のためのソナタ ハ長調は、この楽器のため残されている唯一のソナタ。1720年頃の作曲で、当時の流行舞曲を取り入れたものになっています。
J.S.バッハ(1685〜1750)/
J.S.Bach
コーヒーカンタータ BWV 211より アリア「ああ、なんて美味しいの、コーヒーは!」
Aria “Ei! wie schmeckt der Coffee süße” from
BWV211
カンタータ 第9番より デュエット「主よ、汝は善き業の多きを見ず」 BWV 9
Duett “Herr, du siehst statt
guter Werke” from Cantata No.9 BWV 9
コーヒーカンタータ「そっと黙って、おしゃべりなさるな」 BWV211は、このツィンマーマンのコーヒーハウスで1734年頃演奏された音楽劇。バッハは生涯オペラを書く機会に恵まれませんでしたが、この曲は一種の室内オペラと呼んでもよいような仕立てになっています。当時大流行のコーヒーのとりこになった娘リースヒェンと、その女らしくない習慣をやめさせたい父親とのやり取りがユーモラスに描かれています。音楽的にもドレスデンのオペラハウスで流行していたイタリアのギャラントな様式が積極的に取り入れられています。語りとアリア、合唱など全部で10の部分で構成されていますが,、本日のアリアは、娘リースヒェンが、コービーへの憧れを、甘いフルートの音色に導かれ歌うものです。
デュエット「主よ、汝は善き業の多きを見ず」は、信仰の大切さを説くカンタータ「われらに救いの来たれるは」の中の一曲です。フルート、オーボエ・ダモーレとソプラノ、アルトの四重奏曲のような趣で、イエスへの信仰を晴れやかに歌うものです。
アリア 「ああ、なんて美味しいの、コーヒーは!」(リースヒェン)
ああ、コーヒーの味わいの何と甘いこと。千回のキスよりもいとおしく、マスカットワインよりも滑らかよ。コーヒー、コーヒー、なしではいられないわ。私を元気にしたいのなら、どうぞコーヒーを淹れてくださいな!
デュエット「主よ、汝は善き業の多きを見ず」
主よ あなたは、善き所業の多さではなく、信仰の強さのみを お認めになります。
わたしたちの救いの道は、ただ信仰のみが意味があり、それ以外のすべてのことは、取るに足らないことに思えます。
テレマン(1681〜1767) J.S.Bach
フルート、オーボエと通奏低音のためのソナタ ホ短調 「食卓の音楽」第2集より
Sonata for Flute, Oboe and Basso continuo e-minor from 2nd
production of “TafelMusik”
アフェトゥオーソ/ アレグロ/ ドルチェ/ ヴィヴァーチェ
Affetuoso / Allegro / Dolce / Vivace
テレマンは、ドイツの作曲家です。ライプツィヒ大学で法律を学びながら、音楽は独学で身につけ、演奏や作曲でたちまち頭角を表し、ドイツやポーランドなどヨーロッパ各地の楽長を歴任した後、40歳以降は終生ハンブルク市の音楽総監督として活躍しました。その名声は同時代のバッハやヘンデルをしのぐものがありました。「食卓の音楽」は文字通り晩餐会で演奏するための音楽で、全部で3集出版されました。それぞれが管弦楽の組曲、協奏曲、四重奏曲、トリオ、ソロなど、多彩な構成となっています。テレマンはこの曲集で大好評を博し、自らの地位と名声を確固たるものにしました。
アンコール
どうもありがとうございました。
沢山の拍手をいただきましたので、
–J.S.バッハ カンタータ 147番より コラール「主よ人の望みの喜びよ」
同 カンタータ 68番(208番)より シンフォニア ヘ長調
をお送りします。
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