これまでの演奏会へ戻る

 NEW!!
23rd Concert

 

アンサンブル山手バロッコ 第23回演奏会

山手234番館のクリスマスコンサート

クリスマスにバロック音楽を –PartV

"Baroque Music in Christmas" Part-III

20071224() 午後3時開演 山手234番館 1Fインフォメーション

 

3
00pm 24th Dec.. 2007 at Yamate-234 House

 

出演 アンサンブル山手バロッコ 

わたしたち「アンサンブル山手バロッコ」は、98年、横浜山手の洋館 山手234番館のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家 朝岡聡を中心に結成された、バロック時代の楽器(古楽器)を使った演奏団体で、継続的に山手の洋館での演奏活動を続けています。本日の演奏メンバーを紹介します。

曽禰寛純 Hirozumi Sone(フラウト・トラヴェルソ Flauto traverso,)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で学び、慶應バロックアンサンブルで演奏。カメラータ・ムジカーレ同人。当アンサンブル発足メンバー。 

角田幹夫Mikio Tsunoda(バロック・ヴァイオリンBaroque Violin):
慶応バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。当アンサンブル発足メンバー。

中尾晶子Akiko Nakao(バロック・チェロ Baroque Violoncello):
2000年〜03年の都留音楽祭に参加。アマチュア・チェリストとして、モダン、バロック・チェロで活躍中。カメラータ・ムジカーレ同人。

酒井絵美子Emiko Sakai (チェンバロCembalo)
洗足学園音楽大学ピアノ科卒。チェンバロを岡田龍之介氏に師事。現在、ピアノ及びチェンバロ奏者として幅広く音楽活動を行っている。

アンコール参加: 浅川 真理Mari Asakawa、曽禰 愛子Aiko Sone(ソプラノsoprano)
声楽を川上勝功氏に師事。横浜雙葉学園聖歌隊メンバー。


 

アンサンブル山手バロッコ 第23回演奏会

山手234番館のクリスマスコンサート

クリスマスにバロック音楽を –PartV

"Baroque Music in Christmas" Part-III

 

プログラム
Program

 横浜山手の洋館で、古楽器によるバロック音楽を楽しみませんか。山手西洋館の世界のクリスマス2007の飾り付けイベントにあわせて、「クリスマスにバロック音楽を」と題してコンサートを行います。山手234番館のテーマは「家庭で祝う伝統的なクリスマス」。ホームコンサートのように、お話と音楽をご一緒に楽しみましょう。

 

 

N. シェドヴィル(17051782) / 伝A.ヴィヴァルディ 「忠実な羊飼い」作品13より第4番 イ長調

プレリュード(ラルゴ) - アレグロ・マ・ノン・プレスト – パストラーレ - アレグロ

N.Chedeville /  Sonata for Flute and Basso continuo A-Major from Il Pastor Fido

Prelude Allegro ma non presto Pastoralle Allegro

 この曲は、長い間、四季で有名なヴィヴァルディが1737年ころパリで出版した最後の出版楽譜(作品13)として知られていました。しかし、この曲は、イタリアではあまり流行していなかったミュゼット(宮廷で演奏できるように作られたバグパイプ)を楽器に含めている、フランス趣味がヴィヴァルディらしくないなど疑問の多い曲集でした。結局、ごく最近1989年にフランスの作曲家ニコラ・シェドヴィルの作曲したものであるということが、シェドヴィルの従兄弟で宮廷音楽家であったジャン・ノエル・マルシャンの宣誓供述書が発見されたことで証明されました。シェドヴィルは有能な作曲家でしたので、この偽作を出版するに当たって、ヴィヴァルディの協奏曲などの楽章を編曲したり、主題を借用し作曲したりしたものがかなりの部分を占めています。この第4番のソナタは、第2楽章、第4楽章がヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲のテーマを借用しています。特徴的なのは第3楽章に、曲集の名前にもなっている羊飼いの音楽、クリスマスを連想するパストラーレ(田園曲)が置かれていること、フルート独奏に加え、チェロが低音と独立したオブリガートとして参加するトリオの形になっていることです。

 

D.スカルラッティ(16851757) / 3つのソナタ ロ短調 (指定なし)(K.87)、二長調 パストラーレ(K.415)、イ長調 アレグロ(K.456

D. Scarlatti / Three Sonatas for Cembalo B-flat minor(K.87), D-Major(K.415), A-major (K456)

 

 スカルラッティは、イタリアで有名な作曲家アレッサンドロ・スカルラッティを父としてイタリアのナポリに生まれました。若いときは地元の教会音楽家としてスタートし、当時イタリアを訪れていたヘンデルとチェンバロやオルガンの腕前を競ったと言われています。30代半ばでポルトガルのリスボンに渡り、王女(マリア・バルバラ)の音楽教師として仕え、スペインに嫁いだ王女に同行し、亡くなるまでマドリードで活躍しました。オペラ、宗教曲、協奏曲など幅広いジャンルの曲を残していますが、何と言っても555曲残されているチェンバロのためのソナタが、質的にも量的にも圧倒的です。ソナタと言っても1楽章だけの曲なのですが、内容的にはイタリアの歌うような旋律に、チェンバロ演奏の様々なテクニックを加えただけでなく、ポルトガルやスペインの香りを感じさせる曲想や和声で独特な世界を作り出し、同時代の他の作曲家にも大いなる影響を与えました。残されているソナタは、演奏者で研究者であったラルフ・カークパトリックにより調査分類され、現在ではK(カークパトリック)番号で識別されています。本日はそのうち3曲を演奏します。1曲目は若いイタリア時代、後の2曲はスペイン時代の作品です。2曲目はクリスマスにふさわしいパストラーレ(田園曲)を選びました。

 

FM・ヴェラチーニ(1690 1768)  / ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 作品2-8

アレグロ – ラルゴ・エ・スタカット – アレグロ(ジーグ) 

F.M.Veracini / Academic Sonata for Violine and Basso continuo e-minor Op.2-8

Allegro Largo e staccato Allegro (Giga) 

  ヴェラチーニは、バロック後期のイタリアの作曲家で、早くからヴァイオリンの名手として知られていました。同時代のイギリス人バーニーは「神は一人,ヴェラチーニも一人」と称え、あの有名なヴァイオリンの名手タルティーニがヴェラチーニの演奏を聴いて、自分の非力を悟り、精進に努めたという逸話も残っています。イギリスやドイツに渡って活躍しましたが、ドイツ宮廷での音楽家の揉め事に巻き込まれ大怪我をしたり、陰口をたたかれたりと、なかなか激しい人生を送ったようです。晩年はイタリアに戻り、教会音楽家として過ごしました。1744年にドイツ語で「学術的なソナタ」と題されて出版された12曲のソナタ集に含まれているこのソナタは、ヴァイオリン音楽の本場イタリア生まれの人らしいヴァイオリンの特性を活かし、美しい旋律と華やかな技巧の見せ場を組み合わせた作品になっています。ヘンデルを思わせるような勢いと流れのある第1楽章に続き、第2楽章は、オペラのアリアを思わせるようなつくりになっています。合奏での序奏を思わせるリトルネロで始まり、一区切りしたあと、歌うようなメロディーがヴァイオリンに表れ美しいメロディーを歌います。最後の第3楽章は3連符を特徴とする舞曲の形式をとり、一気に駆け抜けます。

 

  J.M.ルクレール(16971764) / フルート、ヴァイオリンと通奏低音のための「音楽の楽しみ第1集」二長調 作品6より

序曲 – 優雅に – フォルレーヌ – メヌエット – シャコンヌ

J.M.Leclair / J.M.Leclair / Suite for Flute, Violin and Basso continuo D-Major 1st Music Recreation

Overture Graciousment Forlane Menuett - Chaconne

 フランスバロック時代の作曲家ルクレールは、ルイ15世の頃ヨーロッパ中に名前をとどろかせたヴァイオリン奏者でもありました。自分の楽器ヴァイオリンのためのソナタや組曲、合奏曲を作り、オペラも作曲した人気作曲家でもありました。ヴァイオリン独奏のためのソナタで、イタリアのソナタの形式を採りながらも、フランスの趣味である舞曲の要素を上手に取り入れたことで知られています。この「音楽の楽しみ」は、ルクレールが音楽愛好家のために出版したトリオの形式での2つの曲集の最初のもので、フランス趣味の組曲の形式の中に、和声や独奏など随所にイタリアの特徴を融合し、ルクレール独特の世界を作り出しています。曲は二長調の輝かしい序曲(ゆっくりーはやい)で始まり、いくつかの舞曲が続く組曲形式になっています。本日は、序曲に続き、優雅に(イタリアの舞曲ジーグを骨組みにシンコペーションのしゃれた味付け)、フォルレーヌ(当時流行したイタリアの荒々しい踊り)、メヌエット(伝統的なメヌエット1,2の形式)と終曲のシャコンヌを演奏します。シャコンヌは、同一の低音の上に、次々と変奏が進められる舞曲ですが、ルクレールは次々と新たな曲想と大胆な和声を組み入れることで、この長大なシャコンヌを息もつかせず聴かせてしまいます。

 

アンコール

A.コレッリ クリスマス協奏曲より ラルゴ(パストラーレ)

J.S.バッハ カンタータ 147番よりコラール「主よ人の望みと喜びよ」

を演奏しました。どうもありがとうございました。

 

これまでの演奏会へ戻る

Home