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136th Concert

アンサンブル山手バロッコ第136回演奏会

ブラフ18番館 バロック・コンサート

バッハ ナンバースリー〜第3番を集めて〜

Collection of 3rd Pieces of Bachs Cembalo Works

19回横浜山手芸術祭参加 “洋館で親しむバロック音楽”第146

 

202621() 14時開演(1330分開場) ブラフ18番館ホール
14
00 1st Feburary 2026 at  Bluff No.18 House Yokohama

主催:寺村朋子コンサート事務局 協力:アンサンブル山手バロッコ 後援:日本チェンバロ協会

 

出演

 

寺村朋子 (チェンバロ)

東京藝術大学卒業。同大学大学院修士課程修了。山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回国際古楽コンクール‹山梨›チェンバロ部門にて第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外の講習会を受講し研鑽を積む。NHKFM リサイタル」に出演。マスタークラスの伴奏やバロックダンスとのアンサンブルなど様々な団体の通奏低音奏者、またはソリストとして活動。近年では中世声楽やフォルテピアノにも取り組み、活動に広がりを見せている。

「フルート・バロックソナタ集」「J.S.バッハ作品集」(増刷)を編曲、出版。チェンバロ・ソロ CD「お気に召すまま Capriccio(レコード芸術準推薦)リリース。

宮地楽器チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会会員。(一財)チェンバロ振興財団クープラン理事。

現在YouTubeチャンネル「Cembalo チェンバロう!」を開設し演奏動画を配信中。

 

演奏するチェンバロ

16世紀にいち早く完成されたイタリアン様式のチェンバロ。細長く軽やかな胴体を持ち、美しく純化されたチェンバロの原型。

1990年にチェンバロ製作家 故・堀栄蔵氏により製作され、長くコンサートサービス(演奏会への楽器の提供)で使われていましたが、工房じまいの機会に、横浜山手の百段音楽室に置かれ、山手バロッコのアンサンブルやコンサートに利用されている。

 

様式:イタリアの1600年ごろの作者不詳の楽器をモデルに製作。製作No.181

仕様:1段鍵盤。 8‘ 8’の構成

音域:GG-d’’’

 


アンサンブル山手バロッコ第136回演奏会

ブラフ18番館 バロック・コンサート

バッハ ナンバースリー〜第3番を集めて〜

Collection of 3rd Pieces of Bachs Cembalo Works

19回横浜山手芸術祭参加 “洋館で親しむバロック音楽”第146

 

プログラム

ブラフ18番館での山手芸術祭コンサートへようこそ。歴史ある建物やイタリア山公園の素晴らしい庭園を眺めるブラフ18番館にて、いにしえのサロンコンサートの愉しみを、「バッハ ナンバースリー〜第3番を集めて〜」と題して、チェンバロを中心に置き、バッハの様々な名曲をその響きとともに味わいます。

このコンサートの企画をされた寺村朋子さんに、うかがってみました。(第1回、第2回では、チェンバロ、バッハとの出会いを伺い、「中学校の音楽室でのチェンバロとの出会いや、その後のチェンバロの先生との出会いをお話しいただき、バッハの曲は「何度開けても飽きない大切な宝箱」ともお話しいただきました。ナンバーXシリーズのアイデアの源泉、実際にそのシリーズを企画・演奏した手応えについても、「バッハの組曲(舞曲)のパターン化されないアイデアや、毎回違う要素がありバッハの奥深さを感じている」とお話しいただきました。)
 

― 第1回、第2回を経て、いよいよ前半の締めとなる第3回となりますが、これまでのコンサートの手応えと第3回への思いを教えてください。

「第1番、第2番を経たことで、それぞれ組曲毎のキャラクターの統一感を、より深く感じられるようになりました。今回は第3番ですが、型があるからこそ型破りが可能なように、第3番という枠組みを頭で意識し過ぎず、バッハの自由な音の軌跡を楽しみたいと思います。」

 

― 毎回、山手の西洋館の親密な空間、少人数の中、どのような思いで演奏されていますか?

「今回のシリーズでの相棒は、故・堀栄蔵氏が製作されたイタリア様式の一段鍵盤の楽器です。この軽やかに優しく仲間に語るような音色で、親しみのある雰囲気をお客様と共有したい、そして畏れ多くもバッハという友人を紹介するような思いで演奏しています。」

 

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J.S.バッハ / インヴェンション 第3番 ニ長調 BWV774  

 Johann Sebastian Bach1685-1750) /  Invention No.3 in D major BWV774

ヨハン・ゼバスチャン・バッハは、1685年ドイツのアイゼナハで、音楽家の家系に生まれ、1750年にライプチッヒで亡くなるまで、音楽活動を継続し、バロック音楽の頂点に立つ音楽家とも言われています。

 10歳の時に父を亡くし、オールドルフの長兄で音楽家であるヨハン・クリストフ・バッハのもとに引き取られ、鍵盤楽器の演奏法を学び、その後、リューネブルクで学びました。18歳の時には、ヴァイマールの宮廷楽師を経て、アルンシュタットの教会オルガニストに就任しました。4年間のオルガニストとしての活動の記録は少ないですが、4年目の1707年10月に又従妹マリア・バルバラ・バッハと結婚し、その後、ヴァイマール時代の1710年に長男ウィルヘルム・フリーデマンを、1714年に次男カール・フィリップ・エマニュエルという2人の後世に名を残す鍵盤楽器の名手で音楽家となる男の子が生まれました。

171732歳の時には、ケーテンの宮廷楽長として就任し、音楽好きの殿様のもと、有名なブランデンブルク協奏曲を含む協奏曲、組曲やソナタなどの器楽曲の作曲と宮廷での演奏の充実した期間を過ごしました。

1720年、長男のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ10歳になったのを機会に、教材としての鍵盤曲を次々と作曲し教育に使用しました。この教材集「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帳」には、お聴きいただく、「インヴェンションとシンフォニア」が含まれています。バッハは序文で、鍵盤楽器の愛好家・学習者が「2つの声部をきれいに弾きこなし」さらに「3つの声部を正しく手際よく演奏し」「楽想を展開し、カンタービレな奏法、作曲の手引きとなる」と述べています。

2声のインヴェンション、3声のシンフォニア、それぞれ15曲が、長調短調で作曲されており、フリーデマン・バッハだけでなく、あらゆるバッハの弟子たち、(そして現在のピアノ学習者)のレッスンの友として親しまれました。演奏する「インヴェンション 二長調 BWV772、シンフォニア 二長調 BWV789はそれぞれの曲集の第3番にあたる曲で、インヴェンションは徐々に上行するテーマ、シンフォニアは徐々に下降するテーマをもとに、2声、3声の模倣曲として整然と展開しています。

 

J.S.バッハ / フランス組曲 第3番 ロ短調  BWV814 

Johann Sebastian Bach1685-1750) /  French Suite No.3 in B minor BWV 814

アルマンド - クーラント- サラバンド- アングレーズ - メヌエットI - メヌエットII トリオ - ジーグ   
Allemande - Courante - Sarabande - Anglaise - Menuet I - Menuet IITrio
Gigue

1720年35歳のバッハは、妻マリア・バルバラを病気で亡くし、翌年、歌手であり音楽家であるアンナ・マグダレーナと再婚しました。この機会に6曲の「フランス組曲」が作曲され、その元となる版は、「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」にバッハの自筆で記入されました。第6番以外は1722年に作曲されました。組曲はそもそもフランス由来なので、“フランス組曲”という呼び名は、何も言っていないことになりますが、バッハの伝記作者フォルケルも「この曲はフランス趣味で書かれているのでフランス組曲と呼ばれている」と記述しています。イギリス組曲と異なり、前奏曲なしに、舞曲(アルマンド)でスタートし、中間に挿入される当世風の舞曲のバラエティ豊かなこともあり、変化に富み、洒落た曲になっています。お聴きいただく「フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814」は、曲集の3曲目として繊細な筆致で作られた曲が連なっており、味わい深い曲と言えます。楽章は、組曲の定番のアルマンド、クーラント、サラバンドに続き、当世風のイギリスの舞曲アングレーズ、フランス由来のメヌエットが続き、定番のジーグ(イタリア風)で締めくくられます。

 

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J.S.バッハ / イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808

Johann Sebastian Bach /  English Suite No.3 in G minor BWV808

プレリュード - アルマンド - クーラント - サラバンド/サラバンド装飾  - ガヴォットI /IIまたはミュゼット - ジーグ

Prélude - Allemande - Courante -Sarabande/Les agréments de la même Sarabande – Gavotte alternativement/Gavotte II ou la Musette Gigue

ケーテンの宮廷楽長の時期、最初の曲集であるチェンバロ独奏のための組曲集「イギリス組曲」を作曲しました。フランス様式の曲である組曲に、イタリア由来の協奏曲やドイツのフーガの要素を取り入れた新しい試みの曲集です。1717年〜1725年に作曲されたものです。お聴きいただく「イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808は、充実した協奏曲の様式を持つ前奏曲でよく知られています。つづいて、ドイツの舞曲アルマンド、イタリアの舞曲クーラント、スペインの舞曲サラバンド(装飾と名付けられた変奏付き)が続き、当世風の舞曲を自由に挟み込む部分では、フランスの活発な舞曲ガヴォットが挿入され、最後は、イギリス由来のジーグで締めくくられます。

なお、イギリス組曲という名称はバッハがつけたものでなく、伝記作者ニコラウス・フォルケルが「ある高貴なイギリス人のために書かれた」と記しているほか、残されている筆者譜にもそのような記述があるものが残されています。また、シリーズの第1回に演奏した第1番の前奏曲のテーマは、ロンドンで活躍したフランス人作曲家シャルル・デュパールの組曲のジーグのテーマを借用していることなどが、そのイギリスとの関係を示しているようです。

 

J.S.バッハ / シンフォニア  3番 ニ長調 BWV789  

 Johann Sebastian Bach1685-1750) /  Sinfonia No.3 in D major BWV789

(解説は1曲目、インヴェンション 第3番を参照ください。)

 

J.S.バッハ / 協奏曲 第3番 ニ短調 BWV974 

Johann Sebastian Bach /  Concerto in D minor BWV 974

アンダンテ - アダージョ - プレスト

Andante -Adagio Presto

170823歳の時にはヴァイマールの宮廷オルガニストになり、1714年には、楽師から楽師長に昇格します。ヴァイマールの時代には、イタリア由来の鍵盤楽器のためのトッカータが作曲され、またヴィヴァルディの曲など、当時の新しいスタイルである協奏曲を鍵盤楽器のために編曲・演奏し、その様式を学びました。バッハのワイマール時代に作曲された一つのジャンルがこの「独奏鍵盤楽器のための協奏曲集」です。1713年旅行から帰国したヴァイマール侯の甥ヨハン・エルンスト侯子が音楽修行から持ち帰った楽譜などをもとに独奏楽器で演奏できるように編曲を命じられました。ヴィヴァルディマルチェッロなどのイタリアの作曲家のヴァイオリン協奏曲などをチェンバロやオルガンの独奏で演奏できるように編曲したもので、22曲が残されており、バッハがこの作業を通じてイタリア発祥の新しい音楽を自らの作曲技法に取り込む大きな役割を背負った作品群です。「協奏曲 第3番 ニ短調 BWV974は、A.マルチェロのオーボエと弦楽合奏のための協奏曲(1717出版)を編曲したもので、1713〜14年の作品と考えられています。

 

 

J.S.バッハ / パルティータ 第3番 イ短調  BWV827

Johann Sebastian Bach / Partita in A minor BWV 827

ファンタジア - アルマンド - コレンテ - サラバンド - ブルレスカ - スケルツォ - ジーグ

Fantasia - Allemande - Corrente - Sarabande - Burlesca - Scherzo - Gigue

172338歳のバッハは、ケーテンの宮廷に別れをつげ、ライプチッヒの音楽監督に就任しました。新たな環境で教会音楽の作曲と演奏に最初の数年は没頭することになります。1725年に、バッハは新しい鍵盤楽器のための組曲を「パルティータ 第1番 変ロ長調」として出版しました。これは、バッハが初めて出版してその曲を世に問う初めての試みでしたので、自信作だったと思います。1730年まで毎年1曲ずつ出版し、31年には6曲のセットとして出版しました。「クラヴィーア練習曲集・・・・愛好家の心を楽しませるために、ザクセン公およびヴァイセンフェルス公の楽長兼ライプチッヒの音楽監督 ヨハン・ゼバスチャン・バッハが作曲。作品1・・」とタイトルが付けられていて、当時画期的な曲(かつ難曲)として大きな反響を呼んだと記録されています。

演奏する「パルティータ 第3番 イ短調 BWV827は、1727年に出版されたもので、2声のインヴェンションを思わせる作風を持ち論理性と変化を両立するファンタジアで始まり、付点リズムが徹底されたコレンテ、様式化されたサラバンドに続き、当世風舞曲のブルレスカ(戯れ)も初期稿で記載されていた曲名メヌエットの枠を超えた曲であり、最終稿で追加された活発なスケルツォを経て、対位法による終曲ジーグで曲を閉じます。

 

たくさんの拍手をいただきましたので、

アンコールに 小前奏曲 第3番 ヘ長調 BWV927をお聴きいただきます。

ありがとうございました。

 

参考文献:

1)礒山雅/小林義武/鳴海史生 : バッハ事典、東京書籍(1996

2)日本チェンバロ協会 : チェンバロ大事典、春秋社(2022

3C.Wolff  The New Grove Bach Family, W.W.Norton & Company (1983)

4Jones R.D. /The Creative Development of Johann Sebastian Bach: 1717-1750, Oxford Univ Press2013)

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