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124th Concert
アンサンブル山手バロッコ第124回演奏会
〜西洋古楽アンサンブル〜
かなっくホワイエコンサート
Ensemble music of Baroque Flute, Violin, Viola da gamba and Cembalo
“洋館で親しむバロック音楽”第140回
2024年3月17日(日) 14時開演 横浜市神奈川区民文化センター かなっくホール・ホワイエ
14:00 17th March 2024 at British House Yokohama
主催:横浜市神奈川区民文化センター かなっくホール、後援:横浜市神奈川区、協力:アンサンブル山手バロッコン
出演
坪田 一子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(ゲスト)
国立音楽大学楽理学科卒業。在学中よりヴィオラ・ダ・ガンバを神戸愉樹美氏に師事。ベルギーでヴィーラント・クイケン氏、ポルトガルでパオロ・パンドルフォ氏のマスタークラスに参加。ヨーロッパの中世からルネサンス・バロック音楽まで、アンサンブルを中心に演奏活動をしている。国立音楽大学非常勤講師。
曽禰
寛純 (フラウト・トラヴェルソ)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で習得、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年に朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。
角田 幹夫 (バロック・ヴァイオリン)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを習得。 現在、カメラータ・ムジカーレ同人、NHKフレンドシップ管弦楽団団員。 アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
和田 章 (チェンバロ)
小林道夫氏にチェンバロを師事。慶應バロックアンサンブルで演奏。カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
小林 美耶子 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
国立音楽大学音楽文化教育学科音楽情報専修卒業。在学時よりヴィオラ・ダ・ガンバを坪田一子氏に師事。同大学西洋古楽コースにて古楽アンサンブルを大塚直哉氏、大西律子氏、菊池奏絵氏に師事。
アンサンブル山手バロッコ第124回演奏会
〜西洋古楽アンサンブル〜
かなっくホワイエコンサート
Ensemble music of Baroque Flute, Violin, Viola da gamba
and Cembalo
“洋館で親しむバロック音楽”第140回
プログラム
地域の方々に気軽に様々な音楽を楽しんでいただきたいという思いから、ホールのホワイエ(ロビー)を使用した、西洋古楽アンサンブルのコンサートが企画されました。チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバやバロック時代のフルートやヴァイオリンなど普段あまり触れることのない、古楽器の美しい音色でバロック音楽をお楽しみください。
♪ ♪ ♪
C.P.E.バッハ(1714〜1788) フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ短調 Wq. 148, H. 572
C.P.E.Bach /
Sonata for Flute , Violin and Basso contiuo in
a-minor Wq. 148, H. 572
アレグレッット - アダージョ - アレグロ・アッサイ
Allegretto - Adagio – Allegro
assai
カール・フィリップ・エマニュエル(C.P.E.)バッハは、大バッハの次男で、ベルリンのバッハ、ハンブルクのバッハと呼ばれ、バロック時代とハイドンやモーツアルトの活躍した古典派との橋渡しをした重要な作曲家です。エマニュエル・バッハは、長くベルリンのフリードリッヒ大王の宮廷に鍵盤楽器奏者として仕えたのち、父バッハと親交があり自身の名付け親でもあったテレマンの後任としてハンブルク市の音楽監督に就任し、父親をしのぐ名声を手に入れました。
演奏するイ短調のトリオ・ソナタは、ベルリンに奉職する前の大学時代の1735年に作曲、大王の宮廷につかえている1747年に改訂されました。曲ははやい、ゆっくり、はやいの3つの楽章からなり、第2楽章は父親の影響を感じられます。
J.S.バッハ(1685〜1750) フランス組曲
第4番、変ホ長調 BWV 815より アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ
Johann Sebastian Bach / Alemende/Courante/Sarabande/Gigue
from French Suite No4 in Eflat major BWV815
ヨハン・ゼバスチャン・バッハは、1685年ドイツのアイゼナハで、音楽家の家系に生まれ、1750年にライプチッヒで亡くなるまで、音楽活動を継続し、バロック音楽の頂点に立つ音楽家とも言われています。1720年35歳のバッハは、妻マリア・バルバラを病気で亡くし、翌年、歌手であり音楽家であるアンナ・マグダレーナと再婚しました。この機会に6曲の「フランス組曲」が作曲され、その元となる版は、「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」にバッハの自筆で記入されました。フランス組曲は、バッハがつけた名前ではありませんが、バッハの伝記作者フォルケルは「この曲はフランス趣味で書かれているのでフランス組曲と呼ばれている」と記述しています。本日は、第4番の組曲から4つの舞曲をお聴きいただきます。
C.F.アーベル(1723-1787) 2本のヴィオラ・ダ・ガンバのためのデュエット ト長調A3:4
C.F.Abel /
Duetto for Two Viola da gamba in G-major
ウン・ポコ・アレグロ - アンダンテ - テンポ・ディ・メヌエット
Un poco Allegro - Andante – Tempo di
minuet
アーベルは、J.S.バッハが宮廷楽長をつとめるケーテンの宮廷楽団の同僚であったヴィオラ・ダ・ガンバの名手クリスチャン・フェルデナンド・アーベル(1663-1737)を父として、1723年に生まれました。父を師としてヴィオラ・ダ・ガンバの名人に育ったアーベルはバッハ家とも親交があり、大バッハに推薦状を書いてもらい、1748年にドレスデンの宮廷音楽家となりました。その後、1759年に宮廷楽団を出てロンドンに渡り、シャーロット王妃のお抱え室内楽団に就職し、以降ロンドンで作曲と演奏で活躍しました。
2本のヴィオラ・ダ・ガンバのためのデュエットは、低音から高音まで幅広い音域を演奏できる楽器で2人の奏者が親密に演奏を楽しむ曲です。2人の奏者が旋律に回ったり、伴奏に回ったり、楽しい3つの楽章からなります。
G.P.テレマン(1681−1767) フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ト短調 パリ(ハンブルク)四重奏曲 ソナタ第2番 TWV.43:g1
G.P.Telemann / Quartet in g minor for
Flute, Violin, Viola da gamba and Basso continuo from “6
Quadri" TWV.43:g1
アンダンテ - アレグロ – ラルゴ - アレグロ
Andante – Allegro – Largo - Allegro
テレマンはドイツのマクデブルクに生まれ、幼少のときから多くの楽器を演奏する楽才に恵まれていました。20歳の時には、ライプチヒの大学に入学し法学を学びますが、大学でコレギウム・ムジクム(学生を中心とした演奏団体)を組織し活動をはじめ評判を呼びました。卒業後は音楽家として活躍をはじめ、アイゼナッハやフランクフルトの宮廷楽長を経験した後、1721年、40歳の時に、商業都市ハンブルクの音楽監督に就任し、生涯その地で精力的な音楽活動を続けました。テレマンは、当時ヨーロッパ中に知られた最も有名な作曲家となり、あらゆるジャンルの大変な数の曲を残していますが、彼の得意とした3つの旋律楽器と通奏低音を組み合わせた四重奏曲をお聴きいただきます。
1730年にハンブルクで出版した「6つの四重奏曲」は、今日では「ハンブルク四重奏曲」または「パリ四重奏曲」と呼ばれています。この曲集の評判は上々で、気位の高いパリの音楽界も唸らせ、1736年にはフランス語
のタイトルを付けてパリでも出版されました。ソナタ第2番 ト短調は、ゆっくり-速い-ゆっくり-速いの4つの楽章で構成され、全ての楽章でフルート、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバが旋律楽器として活躍し、チェンバロともう1本のヴィオラ・ダ・ガンバが通奏低音で支えます。
♪ ♪ ♪
たくさんの拍手をいただきましたので、
アンコールにG.P.テレマン フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための組曲 ロ短調 パリ四重奏曲 第4番よりメヌエットをお聴きいただきます。ありがとうございました。
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