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121st Concert
キプロス島のクリスマス
〜「トリノ国立大学図書館J.II.9写本」の待降節モテットとミサ断章をあつめて〜
Project Musica Mensurabilis,
second concert
“洋館で親しむバロック音楽”第136回
2023年12月28日(木)13時30分、16時30分 横浜市イギリス館
13:30 and 16:30 28th December 2023 at British House Yokohama
主催:プロジェクト・ムジカ・メンスラビリス 協力:アンサンブル山手バロッコ、Officetripoint、アーリーミュージックサロン
出演
曽禰 愛子(メゾ・ソプラノ)
横浜市出身。鹿児島国際大学短期大学部音楽科、同専攻科卒業。洗足学園音楽大学大学院 音楽研究科修了。その後スイスに渡り、バーゼル・スコラ・カントルムにて Bachelor 及び Master を修了。第 28 回鹿児島新人演奏会、第 85 回横浜新人演奏会出演。第 32 回国際古楽コンクール〈山梨〉ファイナリスト。ルネサンスからバロック、ロマン派のドイツリートなど幅広い時代の作品をレパートリーとし、ソリストとしてまた声楽アンサンブルメンバーとしてヨーロッパ各地でのコンサートに参加、研鑽を積む。バッハのカンタータ、C.P.E.バッハ マニフィカート、C.グラウプナーのオラトリオ、モーツァルト レクイエムのソリスト等を務める。これまでに声楽を川上勝功、ウーヴェ・ハイルマン、ゲルト・テュルク、ローザ・ドミンゲスの各氏に師事。
大野 彰展(テノール)
国立音楽大学音楽学部及び同大学院音楽研究科修了。バーゼル音楽院 スコラ・カントルム声楽科修士課程を優秀な成績で修了。在学中よりソリスト・アンサンブルメンバーとしてヨーロッパ各地の著名なアンサンブルと共演し、ユトレヒト古楽音楽祭(オランダ)、ヨーク古楽祭(イギリス)を始めとする国際的な音楽祭にも多数客演している。近年ではとりわけ声楽アンサンブルの分野での活躍が目覚ましく、収録に参加した多数のCDが国際的に高い評価を得ているほか、NHK FM「古楽の楽しみ」等にも音源出演を果たしている。ビアージョ・マリーニ
コンクール第2位(声楽アンサンブル部門最高位)。第30回国際古楽コンクール〈山梨〉声楽部門最高位。
菅沼 起一(リコーダー)
京都市出身。東京藝術大学音楽学部古楽科(リコーダー)を経て、同大学院修士課程(音楽学)を大学院アカンサス音楽賞を受賞して修了。同大学院博士後期在籍中の2016〜2018年度、日本学術振興会特別研究員(DC1)。バーゼル・スコラ・カントルム(スイス)音楽理論科を修了し、現在フライブルク音楽大学(ドイツ)との共同博士課程に在籍。16, 17世紀の装飾技法「ディミニューション」により導入された当時の最小音価であるビスクローマ(32分音符)が作曲・記譜・演奏に与えた影響を扱った博士論文を提出し、最優秀(Summa
cum laude)にて合格。スコラ・カントルムで記譜法の授業などを担当する他、ルドルフ・ルッツ指揮J.
S. バッハ財団の公演に参 加するなど、リコーダー演奏と音楽学研究の二足の草鞋を履いた活動を行なっている。2019〜20年度ローム・ミュージック・ ファンデーション奨学生。2021年度第12回日本学術振興会育志賞受賞。
上田 朝子 (フィドル、リュート)
4歳より音楽を学び始め、桐朋学園大学ヴァイオリン科を卒業、同大学作曲科修了。オランダ、ハーグ王立音楽院学部リュート科を最高得点古楽科主席で卒業し同音楽院修士課程を優秀賞付きで修了。バーゼル・スコラ・カントルム中世・ルネサンス科修士課程修了。リュートを故・金子浩、マイク・フェントロス、ヨアヒム・ヘルトの各氏、バロック・ヴァイオリンをエンリコ・ガッティ氏に師事。ビアージョ・マリーニ古楽コンクール第1位、ファン・ヴァセナール古楽コンクール第3位、ロンドン国際古楽コンクール第2位受賞。ヴァイオリンと作曲を勉強した経験を活かし、通奏低音とルネサンス期の編曲技法の研究、実践に注力している。
伊藤 美恵 (ハープ)
英国ギルドホール音楽院大学院古楽科に奨学金を得て入学し、在学中より数多くのアンサンブルやバロックオーケストラと共演する。古楽ハープをアンドリュー・ローレンス=キング氏に師事。これまで通奏低音奏者として、キングス・カレッジ聖歌隊、エンシェント室内管弦楽団(AAM)、ロンドン・ヘンデルフェスティバル、エネスク国際音楽祭、東京春音楽祭、北とぴあ国際音楽祭「ウリッセの帰還」、声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」定期公演に出演している。演劇音楽では、劇団四季「恋におちたシェイクスピア」(笠松泰洋作曲)にバロックハープで参加。また、数少ないスパニッシュ・バロックハープ奏者としても活動を広げている。
アンサンブル山手バロッコ第121回演奏会
キプロス島のクリスマス
〜「トリノ国立大学図書館J.II.9写本」の待降節モテットとミサ断章をあつめて〜
Project Musica Mensurabilis, second concert
“洋館で親しむバロック音楽”第136回
プログラム
地中海に浮かぶキプロス島。12世紀の終わりに十字軍により建国されたキプロス王国は、西欧諸国の地中海における東端の拠点となります。1411年、キプロス王国の時の国王ジャニュスに嫁いだシャルロット・ド・ブルボンとその従者たちは、当時のフランスで育まれた音楽をキプロスにもたらしました。そこで作られた豪華な音楽写本が、現在トリノ国立大学図書館に所蔵されている通称「キプロス写本」です。写本に残る曲の多くは作者不詳で、この写本にのみ伝わる一点ものの音楽です。本日は、この写本より、待降節の交唱聖歌<O Antiphona>によるアイソリズム・モテット、そしてミサ断章を取り上げました。アルス・ノヴァ以降のフランスの音楽様式が、はるか海を越え、アジアを臨むキプロスの島で奏でられる——クリスマスの季節に、ここ極東の日本でぜひお楽しみください。
昼公演、夕公演(実演付きアフタートーク)の2公演ですが、以下昼公演の内容を掲載します。
♪ ♪ ♪
トリノ国立大学図書館J.II.9写本」より
作者不詳:もろびとは祈らん
― おお、輝けるエサイの根
Anonymous: Cuncti fundent precamina - O radix Yesse splendida
(フォリオ82ヴェルソ〜83レクト)
作者不詳:御子を生みし御身、聞きたまえ
― おお、おとめの中のおとめよ
Anon.: Tu nati nata suscipe - O sacra virgo virginum
(フォリオ87ヴェルソ〜88レクト)
作者不詳:死すべき人は、確かに
― 今日、幼な子が生まれたもう
Anon.: Homo mortalis firmiter - Hodie puer nascitur
(フォリオ88ヴェルソ〜89レクト)
作者不詳:キリエ
― グローリア ― クレド ― サンクトゥス(3声のミサ断章)
Anon.: K[yrie] - Et in terra pax - Patrem omnipotentem - [S]anctus
(フォリオ139ヴェルソ〜141ヴェルソ)
作者不詳:あの甘美な花に、永遠に仕えよう(カノンによる4声のロンドー)
Anon.: Tousjours servir je veuil la douce fleur
(フォリオ158ヴェルソ)
ありがとうございました。
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