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117th Concert
アンサンブル山手バロッコ第117回演奏会
アンサンブル山手バロッコ結成25周年記念コンサート
山手234番館サマーフェスティバル、
西洋館で味わう「古楽器の仲間たち」
Friends with Period Instruments
in Bluff234
“洋館で親しむバロック音楽”第130回
2023年7月22日(土) 15時開演(14時30分開場) 山手234番館レクチャールーム
15:00 22nd July. 2023 at Bluff 234 Lecture Room
主催:公益財団法人 横浜市緑の協会/山手234番館、 後援: 横浜市中区役所
協力:アンサンブル山手バロッコ
出演
朝岡 聡(お話し、リコーダー)
慶應義塾大学卒業。テレビ朝日にアナウンサーとして入社。「ニュースステーション」初代スポーツキャスターとして活躍。フリーとなってからはテレビ・ラジオ・CM出演のほか、クラシック・コンサートの司会や企画構成にも活動のフィールドを広げている。ソリストや指揮者と繰り広げるステージ上の会話や興味深い内容を軽妙なトークで展開する独自の世界は、新しい芸術ファンのすそ野を広げる司会者として注目と信頼を集めている。リコーダーを大竹尚之氏に師事。98年にフラウト・トラヴェルソの曽禰寛純と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、横浜山手地区西洋館でのコンサートを継続。日本ロッシーニ協会副会長。東京藝術大学客員教授。
曽禰
寛純(フラウト・トラヴェルソ)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で習得、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年に朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。
角田 幹夫(バロック・ヴァイオリン)
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを習得。 現在、カメラータ・ムジカーレ同人、NHKフレンドシップ管弦楽団団員。 アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
譜久島 譲(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ゲスト
クラシックギターを江間常男、フラメンコギターを飯ヶ森康の各氏に師事。その後バロック音楽に興味を持ち、ヴィオラ・ダ・ガンバを平尾雅子氏に師事。感性豊かな音楽家としてさまざまな分野で、広く活躍している。またリコーダー製作を山岡重治氏に師事し、製作家として国内外で高い評価を受けており、その才能は、ヴィオラ・ダ・ガンバの調整や修理にも発揮されている。W.クイケン氏のマスタークラスにも参加、常に幅広いリサーチを行い演奏家としても意欲的である。
和田 章(チェンバロ)
小林道夫氏にチェンバロを師事。慶應バロックアンサンブルで演奏。
カメラータ・ムジカーレ同人。アンサンブル山手バロッコ発足メンバー。
アンサンブル山手バロッコ第117回演奏会
アンサンブル山手バロッコ結成25周年記念コンサート
山手234番館サマーフェスティバル、
西洋館で味わう「古楽器の仲間たち」
Friends with Period Instruments in Bluff234
“洋館で親しむバロック音楽”第130回
プログラムノート
(曽禰寛純)
横浜山手西洋館、山手234番館のサマーコンサートにおいでいただきありがとうございます。本日はわたしたちアンサンブル山手バロッコの結成25周年の記念のコンサートとして、最初に演奏した山手234番館で、懐かしゲストを迎えて、結成メンバーでのコンサートを開催します。どうぞご一緒にお楽しみください。
結成25周年のごあいさつ
歴史と文化が息づく街・山手で始まった愛好家による演奏…それがアンサンブル山手バロッコの始まりでした。時に1998年。最初のコンサートが開かれたのは元町公園に面する山手234番館。リコーダーとフラウト・トラヴェルソを中心とした小さな演奏会でした。
西洋館の空間は、バッハやモーツァルトが生きていた時代の音楽を、当時の楽器で甦らせるには最適の場所です。少人数のアンサンブルからスタートして、親密な雰囲気の中でさまざまなプログラムを採りあげてきました。
発足以来25年、楽器の種類や演奏メンバーも多彩になり、毎回多くの皆様にお運びいただける演奏団体に成長できたのも西洋館スタッフやご来場いただくお客様のおかげです。心から御礼申し上げます。横浜からの文化芸術発信の歩みを記録で振り返ると共に、今後も一層充実した演奏をお届けできるように努力するつもりです。
引き続きアンサンブル山手バロッコへのお力添えをよろしくお願い申し上げます。
(アンサンブル山手バロッコ 朝岡 聡)
《山手バロッコ結成25周年に寄せて(2023年7月)》
アンサンブル山手バロッコ結成25周年 おめでとうございます
例年開催されている西洋館サマーコンサートには毎回あふれんばかりのお客様をお迎えして、バロック音楽の魅力的な演奏と楽しいお話は私たちにとりましてもそれぞれ思い出深く、またかけがえのないコンサートだと感じております。
今年は関東大震災から100年の節目の年であり、ここ山手234番館もまた、関東大震災の復興事業の一つとして、外国人向けに建てられた共同住宅(アパートメントハウス)であり、たくさんの外国人が暮らしてきた場所でもあります。アパートメントハウスということもあり、コンサートの収容人数は30人に満たないものですが、観客のみなさまにとっては間近で演奏者を見られるとても贅沢なコンサートであることは間違いないですね。ただ、館長としてはこんなにもたくさんのお客様をどうお迎えするか?は悩みどころでもありますが・・・
10年、20年、25年と積み重ねられてきた月日は30年、50年と新しい時代へとつながり、また新しい時代の西洋館、山手での活動となっていくことを心よりお祈りしております。
山手234番館 館長 平原路子
横浜市イギリス番館館長 道林理子
外交官の家元館長 村上美晴
♪ ♪ ♪
G.P.テレマン: リコーダー、フルートと通奏低音のためのソナタ ヘ長調
G.P.Telemann / Sonata for Recorder, Flute and Basso continuo in
F-major
ヴィヴァーチェ - ラルゴ - アレグロ
Vivace - Largo - Allegro
ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681−1767)は当時ヨーロッパ中に知られた最も有名な作曲家で、大変な数の曲を残しています。ドイツのマクデブルクに生まれ、幼少のときから多くの楽器を演奏する楽才に恵まれ、20歳の時には、ライプチヒの大学に入学し法学を学ぶ一方で、大学でコレギウム・ムジクム(学生演奏団体)を組織し活動をはじめ評判を呼びました。卒業後は音楽家として活躍をはじめ、いくつかの宮廷楽長を経験した後、1721年商業都市ハンブルクの音楽監督に就任し、生涯その地で精力的な音楽活動を続けました。
最初に演奏するリコーダー、フルートと通奏低音のためのソナタ ヘ長調は、ダルムシュタットの博物館に保存されている手稿譜によるものです。手稿譜には、「テレマンによるリコーダー、ヴァイオリンとチェンバロのための3声のソナタ」と記されています。
(本日はヴァイオリンのパートはフルートで演奏します。)
曲は、軽やかなリコーダーの旋律で始まり、リコーダーとフルートが掛け合う第1楽章、2本の笛がゆったりと掛け合いながら進み、最後は3度で重なり静かに終止する第2楽章を経て、最終楽章は、2本の笛がユニゾンで始まり、リコーダーがリードしながら楽しく曲を閉じます。
M.マレ: 聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘の音
M.Marais / Sonerie de Sainte Genevieve du Mont de Paris
マラン・マレ(1656-1728)はフランスのヴィオラ・ダ・ガンバの名手にして宮廷作曲家だった人です。天使のようにヴィオラ・ダ・ガンバを演奏すると称えられました。「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」、はパリの修道院の鐘が鳴る様子が描写されています。ここはパリでマレが幼少期を過ごした地区にも近く、妻の実家の場所でもあったので、鐘の音には親しんでいたのでしょう。教会の鐘の響きを想わせる3つの音からなる低音が繰り返される上に、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバがその低音に基づいたメロディーを重ねる変奏曲の構成となっています。
R.カー: イタリアングラウンドに基づく変奏曲
Robert Carr : Divisions upon an Italian
Ground
ロバート・カーは、17世紀後半に活躍したイギリスの音楽家で出版も残しています。演奏するイタリアングラウンドに基づく変奏曲は1686年に出版されたリコーダー教本の中に掲載されている曲です。イタリア風の低音の上にリコーダーがテーマを飾っていきます。
G.P.テレマン (1681−1767)/ フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための四重奏曲 ト長調 (パリ四重奏曲 協奏曲第1番)
G.P.Telemann / Parisian Quartet No.1
"Concerto Primo" in G-Major for Flute, Violin,
Viola da Gamba and Basso continuo
グラーヴェ/アレグロ/グラーヴェ/アレグロ - ラルゴ - プレスト - ラルゴ - アレグロ
Grave/Allegro/Grave/Allegro - Largo -
Presto - Largo – Allegro
テレマンは、いろいろな趣味の融合を進め、新しい楽しみを提供し続けました。いくつかのジャンルは彼を発信地としその周辺へ広まりました。「フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ(またはチェロ)と通奏低音のための四重奏曲」というジャンルもその一つです。ト長調の四重奏曲(協奏曲第1番)はハンブルクで1730年に出版された6曲の四重奏曲の中に含まれています。この曲集は「ハンブルク四重奏曲」とも呼ばれていますが、出版された曲集の評判は上々で、気位の高いパリの音楽界も唸らせ、1736年にはフランス語のタイトルを付けてパリでも出版され、それは翌年、パリの一流の音楽家たちがテレマンをパリへ招待する契機にもなりました。そのため「パリ四重奏曲」とも呼ばれています。曲は、序曲形式の第1楽章のあと、短いラルゴの第2楽章を経て、そのまま、すべての声部が対位法的に組合さった精緻なプレストの第3楽章のあと、再び短い経過の第4楽章に引き続き、最後に楽しい舞曲(ジーグ)のリズムの終楽章で曲を閉じます。
J.B.de.ボアモルティエ: 5声の協奏曲 ホ短調 Op. 37
J.B.de.Boismortier / Concerto in e-minor for Recorder, Flute, Violin, Viola da gamba and
Basso continuo Op.37
アレグロ – アダージョ
– アレグロ
Allegro – Adagio – Allegro
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755)はフランスの作曲家です。オペラバレー、カンタータなどの大きな作品から無伴奏のソロ、デュエット、トリオなど数多くの室内楽作品を作曲し出版し、成功しました。100作品以上の出版をした多作家としても有名でした。演奏する5声の協奏曲は、1732年にパリで出版された曲集に含まれており、「5つのトリオ・ソナタの後に置かれた曲集の締めくくりとして書かれています。フルート、ヴァイオリン、オーボエ、ファゴットと通奏低音で演奏する室内協奏曲です。第1楽章はヴィヴァルディを思わせるリトルネロで始まり、各楽器の独奏が散りばめられています。しっとりとした響きを楽しむト長調の第2楽章に続き、第3楽章は3拍子の舞曲風の曲で、2つずつの楽器の組合せが要所要所を締め、その間に軽やかな独奏が組み込まれています。
たくさんの拍手をいただきましたので
ボワモルティエの5声の協奏曲から第3楽章アレグロをお聴きいただきます。
ありがとうございました。
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