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アンサンブル山手バロッコ 第11回演奏会
11th Concert
2003年7月5日(土) 午後2時開演
ベーリック・ホール
2:00pm 5 July 2003 at Berrick Hall
「オリジナル楽器によるバロック・コンサート
アンサンブルの楽しみ」
"Joy of Ensemble"
出演 EnsembleYamate-Barocco
わたしたち「アンサンブル山手バロッコ」は、98年、横浜山手の洋館 山手234番館のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家 朝岡聡を中心に結成された、バロック時代の楽器(古楽器)を使った演奏団体で、継続的に山手の洋館での演奏活動を続けています。本日の演奏メンバーを紹介します。
フルートアンサンブルFlute Ensemble:
曽禰 寛純Hirosumi Sone、江口陽子Yoko
Eguchi(クラシカル・フルート
Classical Flute)、
中尾晶子Akiko Nakao(クラシカル・チェロClassical
Violoncello)
ヴィオラ・ダ・ガンバ アンサンブル Viola da gamba Ensemble:
長谷川敦子Atsuko Hasegawa(ソプラノSop)、若林加奈美Kanami
Wakabayashi(ソプラノSop.)、
渡辺比登志Hitoshi Watanabe(テノールTenor)、角田 幹夫Mikio
Tsunoda(バスBass)
リコーダーアンサンブルRecorder Ensemble:
米田 一Hajime Yoneda、嵯峨濃 登noboru Sagano、曾原 良嗣Yoshitsugu Sohara、朝岡 聡Satoshi Asaoka(リコーダーRecorder)
オリジナル楽器によるバロック・コンサート
アンサンブルの楽しみ
"Joy of Ensemble"
プログラム
アンサンブル山手バロッコの第11回演奏会にようこそおいで頂きました。
さて、今回は「アンサンブルの楽しみ」と題して、各種の古楽器のアンサンブルでバッハ、ハイドン、モーツアルトの曲をお届けします。バロックから古典派の時代を通じて各種のアンサンブルが組まれました。初期バロック時代に、同種の楽器による組み合わせによるアンサンブル(ホールコンソート)と各種の異なった音色の楽器の組み合わせによるアンサンブル(ブロークンコンソート)の2種類が発展し、それぞれの良さを競い合いました。本日のリコーダーアンサンブルとヴィオラ・ダ・ガンバのアンサンブルはこの同種楽器のコンソートの例で、リコーダーもヴィオラ・ダ・ガンバも高音(ソプラノ)から低音(バス)まで同じ発音原理、同じ音色の良く溶け合ったアンサンブルがお楽しみいただけると思います。一方で、横吹きのフルート(フラウト・トラヴェルソ)は発音原理のためか、色々なサイズが発展せず、現在のフルートとほぼ同音域の楽器が主に使われました。異なった楽器の組み合わせとして、古典派の時代に使われた8鍵のクラシカル・フルート2本とチェロの異種混合のアンサンブルでお聴きいただきます。
J.ハイドン 2本のフルートとチェロのためトリオ「ロンドントリオ」 第3番 ト長調 Hob.IV-3
J.Haydn / Trio for Two Flutes and Violoncello G-Major
Hob.IV-3 "London Trio"
スピリトゥオーソ − アンダンテ − アレグロ
ハイドンは長らくエステルハージ候の宮廷楽長として、候の館に留まり、そこで交響曲、協奏曲や室内アンサンブルの作曲と演奏を行いました。しかし、その楽曲や演奏の名声はヨーロッパ中に知れ渡っていました。そこで、晩年には、英国の興行師ザロモンの招聘を受けロンドンに滞在し、現在多く演奏されるロンドンセットなどの交響曲や弦楽四重奏曲の名曲を作曲・演奏し熱烈な歓迎を受けました。
このトリオは、ハイドンが、このロンドンに滞在中の時期に作曲されたもので、生気に溢れる喜遊曲といった趣の曲に仕上がっています。第一フルート、第二フルートが交互に重要な役割を果たし、チェロの低音の上で活躍します。チェロも要所要所で、技巧的な旋律でフルートに対抗し、楽しいやり取りがちりばめられています。
W.A.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」
KV492 からトリオ 「もう飛び回れぬぞ愛の蝶」
W.A.Mozart / Trio from "The Marriage of Figalo"
モーツアルトのオペラは当時多くの人に愛され、楽器で演奏できるように編曲されました。この曲は、3本のバセットホルン(低音域のクラリネット属の楽器)のために作られた当時の曲集に含まれています。本日はこのモーツアルトと同時代の編曲にもとづいて、オペラ「フィガロの結婚」の1幕で歌われるアリア「もう飛び回れぬぞ愛の蝶」を2本のフルートとチェロのアンサンブルで、お届けします。このアリアのメロディーは有名なので、どこかでお聴きになったことがあるのではないでしょうか?
J.S.バッハ フーガの技法 BWV1080 から
J.S.Bach / No,1.3.7.9. and 12 from the "Art of
Fuga" BWV-1080
第1,3,7,9,12曲
「フーガの技法」はバッハ晩年の大作で、共通の主題旋律による十数曲のフーガと4曲のカノンから成っています。「十数曲」とは曖昧ですが、実はバッハが出版の準備中に死去したため、曲数や曲順を確定できないのです。そのほかにも多くの謎があり、論争が絶えませんが、最大の謎は楽器の指定がないこと。それならどの楽器でやってもかまわないだろうということで、本日はヴィオラ・ダ・ガンバの合奏で挑戦します。
フーガには作曲上の厳格な規則がありますが、規則に従いながらも様々な作曲技法が用いられます。それら複雑で多様な作曲技法の集大成ともいうべきこの作品から、5つのフーガを選びました。アッと驚くウルトラテクニックも飛び出しますので、どうぞお楽しみに...
W.A.モーツァルト 歌劇「魔笛」 KV620より
W.A.Mozart / Pieces from "The Magic Flute"
僧侶の行進 - 魔笛の力強い調べは - おいらは鳥さし
- 恋を知るほどの殿方は - 恋人か女房が - パ・パ・パ
モーツァルト晩年の傑作オペラ「魔笛」は初心者にも、その親しみやすい内容と音楽で大変人気のある作品です。18世紀後半には人気のオペラを編曲して自宅やサロンで楽しむのが流行りました。現代の流行曲がすぐカラオケで歌われるのと似た現象といえましょう。そのためモーツァルトのオペラも当時から管楽合奏や二重奏など数多くの編曲版が出版されました。
今日は「魔笛」の有名なアリアやメロディから6曲を集めてお届けします。編曲は日本のリコーダー奏者北御門文雄氏によるものにオリジナルスコアからのアレンジも加えました。モーツァルトの時代にはリコーダーはほとんど忘れられた楽器になっていましたが、「魔笛」の美しい旋律をリコーダー・アンサンブルで演奏すると不思議なほどマッチします。
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