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アンサンブル山手バロッコ 第2回演奏会
2nd Concert
1999年7月24日(土) 午後2時開演 山手234番館 2Fホール
11am 13 Sept. 1998 at Yamate 234 House
出演 EnsembleYamate-Barocco
朝岡聡Satoshi Asaoka: お話&リコーダー
Recorder
曽禰寛純Hirozumi Sone: フラウト・トラヴェルソ
Flauto Traverso、リコーダーRecorder
角田幹夫Mikio Tsunoda: バロック・ヴァイオリン
Baroque Violin, ヴィオラ・ダ・ガンバ Viola
da gamba
和田章 Aquilla Wada: チェンバロ
Cembalo
曲目解説
アルカンジェロ
コレルリ : トリオ楽章 へ長調
A.Corelli / Sonata for Two Recoders and Basso
continuo F-major
コレルリはイタリアの生んだバロック音楽の代表的な作曲家で、自身ヴァイオリンの名手としても有名でした。コレルリのヴァイオリンソナタや2つのヴァイオリンとチェロを独奏楽器とした合奏協奏曲は、当時のヨーロッパ中で、もてはやされました。このトリオ楽章は、合奏協奏曲を2つのリコーダーと通奏低音で演奏できるようにした17世紀の編曲に基づいています。リコーダーがヴァイオリンのパートを演奏します。
ヨハン セバスチャン
バッハ : カンタータよりアリア,コラール楽章 BWV18,
140, 41
J.S.Bach / Piece from Cantata BWV 18/140/41
バッハはその65年の生涯のほとんどの期間を教会と教会音楽にかかわって過ごしました。特に日曜礼拝の時に演奏する歌と楽器のための礼拝音楽「教会カンタータ」は200曲以上作曲し、名作の宝箱とも言われています。今日はバッハのカンタータの中で3曲をリコーダー、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラダガンバ,チェンバロに編曲して演奏します。はじめの曲は、復活節前に演奏されるカンタータ18番「天より雨下り,雷落ちて」からソプラノ独唱用のアリアでリコーダーの旋律は世間と悪魔が編む網を表しています。2曲目は、三位一体節後に演奏されるカンタータ140番「目覚めよと我らに呼ばわる物見たちの声」からテノール独唱用のコラールで、バッハの曲の中でも有名です。最後に、新年に演奏されるカンタータ41番「イエスよ、いま賛美をうけたまえ」からソプラノ独唱用のアリアで3つの独奏楽器(リコーダー,フルート,ヴァイオリン)を伴なってソプラノ(ヴァイオリンで演奏)が牧歌風ののどかな曲調で古い年のしめくくりを歌います。
ラヴィーニュ リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ長調
P.Lavigne / Sonata for Recoder and Basso continuo C-major
この作曲家ラヴィーニュについてはあまりよくわかっていませんが、18世紀前半にフランスのパリで活躍した作曲家,演奏家です。この曲は、ラヴィーニュが出版した二番目のソナタ集におさめられています。曲はフランス人の趣味にあわせ、しゃれた楽章が3つから出来ています。はじめは「優美に」という指定のある導入曲、2曲目は軽快なロンドで柱となる曲想の間にいくつかのエピソードがはさまっています。最終楽章にバグパイプの響きをまねした踊りの曲「タンブーラン」が長調-短調-長調の形でついてしめくくります。リコーダー,オーボエで演奏できるほか、当時フランスの貴族で流行っていた珍しい楽器ミュゼット(バグパイプのような楽器)、ヴィエール(ハーディガーディ)でも演奏できるとなっています。本日はソプラノリコーダーで演奏します。
ヨハン セバスチャン
バッハ : フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオソナタ ト長調 BWV525
J.S.Bach / Sonata for Flute, Violin and Basso
continuo G-major BWV-525
トリオソナタのトリオとは3つの声部 (パート)の意味ですが、バッハは長男ヴィルヘルムフリーデマンのために一人で3つのパートを演奏するパイプオルガン独奏用のトリオソナタを6曲作りました。右手,左手,足でそれぞれパートを演奏する大変難しい曲で、他の作曲家で、このような曲を作った人はいないようです。このオルガン・トリオソナタは他の楽器で演奏しても大変美しく響くので当時から合奏の形で演奏することも多かったはずです。本日は、右手がフルート、左手をヴァイオリン、足をチェンバロと3人がかりでバッハの長男に挑戦です。曲は、速いーゆっくりー速いの3つの楽章からなっています。楽しげな曲想を追いかけながら右手,左手がからみあう1楽章、イタリアのゆっくりした舞曲(シシリアーノ)によるしっとりした2楽章につづき、踊り跳ねるような3楽章で軽快に曲をしめくくります。
ヨハン ヨアヒム クヴァンツ:リコーダー,フルートと通奏低音のためのソナタ ハ長調
J.J.Quantz / Sonata for Recorder, Flute and Basso
continuo C-major
クヴァンツはドイツのバロック時代随一といわれるフルートの名人で、ポツダムのフリードリッヒ大王の宮廷につかえ、宮廷で演奏するフルート独奏曲や協奏曲を何百曲も作曲しました。バッハとも親交があり、バッハの次男 エマヌエルはこの宮廷におかかえチェンバロ奏者として仕えていました。このころのドイツでは、バロックの前半に大いに栄えたリコーダー(縦吹きのフルート)と新しく伸して来た横吹きのフルート(フルート)を組み合わせた珍しい編成の曲です。クヴァンツは、自分の得意楽器のフルートに「えこひいき」をせずに縦・横を対等に組みあわせて作曲しています。曲は、ゆっくりー速いーゆっくりー速いの4つの楽章からなっています。どの楽章も、ドイツの作曲家らしい模倣 (まねっこ、追いかけっこ)が随所に散りばめられています。最後は舞曲風の楽しい曲想でしめくくられますが、老舗と新興勢力の組み合わせはどう響いたでしょうか?
ヨハン セバスチャン
バッハ : フランス組曲とソナタから ト長調
J.S.Bach / Piece from French Suite and Sonata BWV
816/1034/1039
フランス組曲は、バッハの三つのチェンバロ用組曲(イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ)の内で,一番親しみやすい曲集といわれています。組曲とは,様々な舞曲を組み合わせたもので、アルマンド(ドイツ)、クーラント(フランス)、ジーグ(イタリア)などの舞曲が含まれています。バッハの二度目の奥さん、アンナマグダレーナのための音楽帖にも書き込まれ、バッハ家で息子たちの教育や一家団欒の音楽会で使われたのではないかと考えられています。今日はバッハ家の演奏会をモデルにして、このフランス組曲の第5番ト長調からアルマンド、ガヴォットと2つの舞曲(BWV816)を、引き続きフルートと通奏低音で、間奏曲風のアンダンテ(BWV1034から)を、最後に、フルート,ヴィオラダガンバの独奏でアレグロ・モデラート(BWV1039から)でしめくくります。
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