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アンサンブル山手バロッコ 第1回演奏会
1st
Concert
1998年9月13日(日) 11時開演 横浜 山手234番館 2Fホール
am11:00 13 Sept. 1998 at Yamate 234 House
出演 EnsembleYamate-Barocco
朝岡聡Satoshi Asaoka: お話&リコーダー
Recorder
曽禰寛純Hirozumi Sone: フラウト・トラヴェルソ
Flauto Traverso、リコーダーRecorder
角田幹夫Mikio Tsunoda: バロック・ヴァイオリン
Baroque Violin, ヴィオラ・ダ・ガンバ Viola
da gamba
和田章 Aquilla Wada: チェンバロ
Cembalo
および フェリス音楽教室リコーダーアンサンブル
曲目(順不同)
ゲオルグ・フィリップ・テレマン:リコーダーソナタ ヘ長調
G.Ph. Telemann / Sonata for Recorder and Basso
continuo F-major
ヴィヴァーチェ - ラルゴ - アレグロ
テレマンはバッハより少し年上の同時代人で、当時の流行作曲家でした。膨大な作曲 をしただけでなく楽譜の予約販売など商売もうまかったようです。バッハは、次男エマヌエルバッハの名付け親になってもらったり、楽譜を買ったりと親交がありました。 このリコーダーソナタはテレマンのソナタでは有名な曲で速い/ゆっくり/速いの3つの部分からなっています。リコーダーを自身でも吹いたらしく、冴え冴えとしたリコーダーの音色が楽しめる曲です。
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ リコーダー、フルートと通奏低音のためのトリオ ハ長調
J.J.Quantz / Sonata for Recorder, Flute and Basso
continuo C-major
アフェツオーソ - アラブレーヴェ - ラルゲット - ヴィヴァーチェ
クヴァンツはバッハと同時代のドイツの名フルート奏者兼作曲家です。当代きっての名手でポツダムのフリードリッヒ大王に仕え、王様のフルートの先生をしながら、たくさんのフルート音楽を作りました。当時は縦笛のフルート(リコーダー)が横笛のフルート(フルートトラヴェルソ)に徐々に取って代わられた時期で、この2つの楽器の組み合わせを持つ曲はあまり多くはありません。この曲は貴重なオリジナル曲です。
W.A.モーツアルト ディベルティメント ト長調 KV.439bの1
W.A.Mozart / Trio for Recorder, ,Flute and Viola
da gamba G-major K.439b-1
アレグロ - メヌエット - アダージョ - メヌエット - ロンド
モーツアルトの残した、3本のバセットホルン(クラリネット族の低音楽器)のためのディベルティメントの第1番を、ソプラノリコーダー、フルートおよびヴィオラ・ダ・ガンバに編成を代えて演奏します。ディベルティメントは日本語で喜遊曲と訳される楽しみのための音楽。バセットホルンは、その「く」の字がたに曲がった低音用の足部管に特徴がある楽器で、モーツアルトの友人で、クラリネットの名人であったアントン・シュタットラーが得意とした音域の広い大変珍しい楽器で、同じ音域の3本の楽器でこれほど奥行きのある音楽が構成できるのは、モーツアルトもこの楽器を良く知っていたためと思います。
W.A.モーツアルト リコーダー、フルートとヴァイオリンの4つのデュエット集(2つのフルートのための「魔笛」より)
W.A.Mozart / 4 Duets for Recorder, Flute and
Violin from Opera "Magic Flute"
魔法の調べのなんと力強いことか - なんて素敵な音だろう- 地獄の復讐が私の胸で煮えたぎる - 恋人か女房か
御存知のようにモーツアルトの「魔笛」は、彼のオペラ〔音楽劇〕の最高傑作として知られていますが、当時から、その親しみやすいアリアなどで、多くのひとに親しまれたようです。単に聴くだけでなく、家庭で、ピアノや他の楽器で演奏できるような編曲楽譜が、モーツアルトの生前にも数多く出版されました。本日演奏するのはモーツアルトによるの編曲として出版されたデュエット集からの4曲です。 (本当にモーツアルトの編曲かは分かっていません)。フルートだけでなく、リコーダー、ヴァイオリンを使って、夜の女王のアリアなど楽しい曲目をお届けします。
G.Ph.テレマン リコーダー、フルートのためのソナタ へ長調 作品5の1
G.Ph. Telemann / Sonata for Recorder and Flute
F-major Op.5-1
テレマンはバッハと同時代のドイツの大流行作曲家でした。様々なジャンルの曲を精力的に作曲しただけでなく、自分で音楽会を開催したり、オーケストラを組織したり(ライプチッヒのゲバントハウスオーケストラの前身のコレギウムムジクムはテレマンの創設です)、楽譜を出版したりと八面六臂の活躍でした。この曲は、2本のフルートのためのカノンによるソナタの第一番です。カノンとは、輪唱のように、各パートが少しずれて全く同じメロディーを演奏し、曲をつくる、バロックの作曲法で使われる対位法の中でも、難しい作曲技法によるものです。しかし、多才なテレマンは、規則だらけの対位法のカノンと感じさせないような楽しい曲集を作り、作品5として出版し、世に問うたのでした。演奏しても聞いても楽しく、かつ美しく整った曲になっています。
ヨハン・セバスチャン・バッハ チェンバロ組曲 ホ短調 BWV996
J.S.Bach / Suite for Harpsichord e-minor BWV-966
バッハはオルガンやチェンバロの名手として生前ヨーロッパ中にその名を轟かせていましたが、それ以外の楽器にも精通しており、当時の楽器の限界に挑戦するような曲をたくさん書いています(無伴奏ヴァイオリンソナタ、無伴奏チェロ組曲、カンタータや受難曲でのトランペットやフルート、オーボエのオブリガート(ソロ)部分など)。また、定かではありませんが、いくつかの楽器の発明や改良にも深く関係したと言われています。(今世紀に再発見されたオーボエ・ダ・カッチャやヴィオラ・ポンポーザなど)今日演奏する曲はもともとリュートチェンバロ(Lautenwerk)のための組曲として作曲されました。リュートチェンバロは、バッハの発明とも言われていますが、どのような楽器か詳細は分かっていません。おそらく、リュートのようなガット(羊の腸)をチェンバロの鋼鉄の弦の代わりに張った物ではないかと考えられています。もちろん、チェンバロでも美しく響くので、今日は、普通のチェンバロで演奏するのが普通になっています。
ヨハン・セバスチャン・バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ ニ長調(BWV1028)より
J.S.Bach / Sonata for Viola da gamba and Harpsichord
D-major BWV-1028
ゆっくり(アダージョ)−速い(アレグロ)
バッハは、独特のいぶし銀のような音色をもつ弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバのために数少ないですが名曲を残しています。この楽器はバロック時代特にフランスで頂点を極めましたが、その後、よりダイナミックな楽器であるヴァイオリン族のチェロへと切り替わっていきました。バッハは教会カンタータや2つの受難曲での情緒表現にヴィオラダガンバを効果的に用いています。また、本日演奏のフルートソナタと同じく、チェンバロとの組み合わせのソナタを3曲残しました。このニ長調のソナタは、最も楽器の特性を生かした曲で、ヴィオラダガンバとチェンバロがあるときは伴奏に、ま
たある時は華やかな独奏に活躍します。本日は4楽章のソナタのはじめの2楽章を演奏します。
ヨハン・セバスチャン・バッハ フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調(BWV1030)より
J.S.Bach / Sonata for Flute and Harpsichord
b-minor BWV-1030
鍵盤楽器の名手だったバッハは、今まで伴奏楽器であったチェンバロを協奏曲でソロとして使ったり、ヴァイオリンやフルートと対等にソロを競い合う新しいソナタを数多く残しました。このロ短調のソナタは、古今のフルートソナタの中でも最高の名曲と言われています。今日演奏するアンダンテは、フルートとチェンバロがあるときは協奏曲のオーケストラのように、またある時はメランコリックな独奏にと複雑な綾模様を織りなす曲で、このソナタのはじめを飾っています。
ヨハン・セバスチャン・バッハ リコーダー、フルートと通奏低音のためのトリオ へ長調 BWV1040
J.S.Bach / Sonata for Recorder, Flute and Basso
Continuo F-major BWV-1040
バロックの頂点に位置する大バッハが書いた短いが何とも愛すべき小品。1楽章、1分余で終わってしまいますが、大きな音楽世界が広がります。バッハはこの曲を仕えていた領主の狩りのカンタータ(歌と器楽による音楽)の一部に使ったようです。もともとはオーボエとバイオリンのために書かれました。通奏低音とは和声と低音旋律をもつバロック音楽共通のいわば土台で、チェンバロとヴィオラダガンバで演奏します。
A.コレルリ 協奏曲より (リコーダーアンサンブル)
A.Corelli / Concerto Grosso (Recorder ensemble)
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