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Musica Lego ムジカ・レゴ 第一回公演

 ロマン派音楽の夜明け

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2019814日(水)1830開演(1800開場)

Salone Fonatana

主催:Musica Lego ムジカ・レゴ  協力:アンサンブル山手バロッコ

 

出演

 

曽禰 愛子(メゾソプラノ)

 

鹿児島国際大学短期大学部音楽科、同専攻科卒業。洗足学園音楽大学大学 院 音楽研究科修了。第28回鹿児島新人演奏会、第85回横浜新人演奏会 出演。第32回国際古楽コンクール〈山梨〉ファイナリスト。声楽を川上勝功、ウーヴェ・ハイルマン、ゲルト・テュルクの各氏に師事。現在、バーゼル・スコラ・カントルム在学。ヴォーカルアンサンブル・ ヴィクトリア、 Aetti mvsicaliメンバー。

 

大野 彰展(テノール) 

愛知県立明和高等学校音楽科を経て、国立音楽大学音楽学部及び同大学院音楽研究科(ドイツ歌曲)修了。第30回国際古楽コンクール〈山梨〉声楽部門最高位。2014年より渡欧しスイス・バーゼル音楽院スコラ・カントルムにてゲルト・テュルク、エヴリン・タブの両氏に師事。在学中より同地を中心にソリストとして演奏活動を行う他、仏コルマール音楽祭、墺インスブルック音楽祭等に客演するなど、スイス国外にも活動の幅を広げている。またフランチェスコ・ペドリーニを中心としたアンサンブル”LaPedrina”の主要メンバーとしてコンサート・録音活動も盛んに行っている。LaCetraBarockorchesterVocalensemble Basel, Zürcher Sing Akademieメンバーとしても活躍中。

 

吉崎 恭佳(フルート) 

 

桐朋学園大学にフルート専攻で入学、同大学研究科古楽器専攻卒業。現在、バーゼル・スコラ・カントルム音楽院に在籍し、研究・研鑽を積んでいる。16世紀から19世紀までの幅広い時代の作品をレパートリーとし、各時代の異なるフルートを用いて演奏活動を行っている。これまでに、有田正広、飯島和久、白尾彰の各氏に師事。現在、フラウト・トラヴェルソをマルク・アンタイ氏に、ルネサンスフルートをヨハンナ・バルト氏に師事。第26回国際古楽コンクール<山梨>で最高賞を受賞。2018年、アメリカで催された第46回国際フルート協会(NFA) バロックフルート アーティスト コンペティション 第1位。 2019年、国際テレマンコンペティション アンサンブル部門  3(2位なし)とベーレンライター賞を受賞。

 

松本 富有樹(ギター)

14歳からクラシックギターを始める。中野義久、レオナルド・ブラーボ、福田進一各氏に師事。2011年からバーゼル音楽院に留学し、パブロ・マルケス氏に師事しルネッサンス時代から現代までの音楽を幅広く勉強。2017年からバーゼル・スコラ・カントルムにてホプキンソン・スミス氏に師事しルネッサンス、バロック、19世紀など各時代の異なるギターを学ぶ。通奏低音をアンドレア・シェーラー、ピーター・クロトン両氏に師事。第54回九州ギター音楽コンクール首席2位。第1回韓国国際ギターコンクール首席2位。第9回リヒテンシュタイン国際ギターコンクール4位。東京国際ギターコンクールファイナリスト。

 

上村 文乃(チェロ)

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80回日本音楽コンクール第2位。同年第65回全日本学生音楽コンクール第1位。ルーマニア国際コンクール、伊 トレヴィーゾコンクールにて第1位。桐朋女子高等学校、桐朋学園大学ソリストディプロマコースにて毛利伯郎、堤剛両氏に師事。2013年より渡欧、独ハンブルク音楽演劇大学にてアルト・ノラス氏に、スイス バーゼル音楽院にてイヴァン・モニゲッティ、ソル・ガベッタ氏に師事。満点で卒業後、バーゼルシンフォニーオーケストラと協奏曲を共演。またモニゲッティ氏の退官特別演奏会にて、同氏の指揮の下ソリストを務める。宮崎国際音楽祭、霧島国際音楽祭に毎年出演中。また菊池洋子(ピアノ)、米元響子(ヴァイオリン)とのトリオなどをはじめとした室内楽の分野でも、ヨーロッパ・日本を中心に活躍中。現在バーゼルスコラカントゥルムにて、バロックチェロをクリストフ・コワン氏に師事。

 


Musica Lego ムジカ・レゴ 第一回公演

 ロマン派音楽の夜明け

本日は私たち Musica Lego ムジカ・レゴの第一回公演「ロマン派音楽の夜明け」にお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は18世紀の終わりから19世紀にかけて、”古典派”と呼ばれた時代からロマン派音楽へと移り変わっていく、その過渡期を生きていた作曲家たちの作品に焦点を当てます。様々な個性が花開いていくロマン派音楽の始まり、その”夜明け”を、歌とピリオド楽器による演奏でみなさまに感じていただければ幸いです。

プログラム

最初にギター伴奏による歌曲を4曲お届け致します。

 

M.ジュリアーニ(1781-1829

「心地よい日陰」Ombre amene

「すべての苦しみの中で」Fra tutte le pene 6つのアリエッタ Op.95 より

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 イタリア出身のマウロ・ジュリアーニ(Mauro Giuliani, 1781-182919世紀初頭ヨーロッパで名を馳せたヴィルトゥオーゾギタリストでした。1806年には、当時爆発的なギターブームが巻き起こっていたウィーンへと移って、ギター界の第一人者として名声を博します。またウィーンでは古典派を代表する作曲家でもあるベートーヴェンなど著名な音楽家たちと交流を持っており、まさしく過渡期を生きた作曲家と言えるでしょう。

 

L.シュポーア(1784-1859

「ミニョンに」An Mignon 6つのドイツの歌 Op.41 より

「あなたはあの国をご存知ですか」Kennst du das Land  6つのドイツの歌 Op.37 より

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 ルイ・シュポーア(Louis Spohr, 1784-1859は今日では演奏される機会の少ない知られざる作曲家ですが、ヴァイオリンの大家であり、ヴァイオリンの顎あてを発明した人物でもありました。シュポーアもまたウィーンで指揮者を務めていた時期があり、その頃にベートーヴェンと親交を持って、幾つかの作品の初演にも参加したと言われています。本日演奏する曲は、どちらもシュポーアが多く残したドイツ歌曲の作品集の中から、ドイツを代表する文豪ゲーテ(J.W. von Goethe, 1749-1832)の詩を用いた曲となっています。「あなたはあの国をご存知ですか」はゲーテの小説『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』の第3巻に収められた有名な詩であり、シューベルトやリスト、ヴォルフなど多くの作曲家が曲をつけたことで知られています。一方「ミニョンに」に用いられた詩の内容は小説とは異なるものの、同小説の登場人物であるミニョンに寄せて、ゲーテが独立した詩として書いたものです。シュポーアが歌とピアノの為に書いたこれらの歌曲は、同時代にギターでも伴奏できるよう編曲され出版されていました。 

 

N.パガニーニ(1782-1840

三重奏曲 ニ長調 Terzetto D-dur  Op.66/MS.69

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 ニコロ・パガニーニ(Nicolò Paganini, 1782-1840はイタリア出身の作曲家であり、また特にヴァイオリンの名手として名高い人物でした。彼の演奏や楽曲は当時からリストやシューマンなど他の作曲家に多大な影響を与え、以後の様々な作曲家がその主題による変奏曲などを残しました。悪魔的な技法で聴衆を魅了した、とも言われる天才ヴァイオリニストのパガニーニですが、実は高い技巧を持ったギター奏者でもあり、彼の独創的なヴァイオリン技法の一部はギターの奏法を応用して編み出したものだとも言われています。今回演奏する三重奏曲は、本来はギター、ヴァイオリンとチェロの為に書かれていますが、本日はヴァイオリンパートをフルートに置き換えて演奏いたします。

 

***

 後半はヴェンチェル・トーマス・マティエカ(Wenzel Thomas Matiegka, 1773-1830の作品とフランツ・シューベルト(Franz Schubert, 1797-1828の作品を組み合わせた、少し変わった形式で演奏をお届けいたします。

 

W.T.マティエカ(1773-1830

ノットゥルノ  Notturno  Op.21

Moderato - Allegro moderato - Lento - Andantino(Zingara) – Variation

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マティエカはチェコ生まれの作曲家・ギタリストでしたが、20代後半頃、19世紀初頭にウィーンへと移り住みました。この時代、多くのギタリスト達はヨーロッパ中を旅していましたが、特にウィーンやパリ、ロンドンなどは数多くの音楽家達の活動拠点だったのです。プログラムの最初に取り上げたM.ジュリアーニもまさしく同じ頃にウィーンで活躍したギタリストでした。

 

F.シューベルト(1797-1828

「夜と夢」Nacht und Träume

「音楽に寄せて」An die Musik

「ナイチンゲールに寄せて」An die Nachtigall

「口づけを贈ろう」Sei mir gegrüßt

「死と乙女」Der Tod und das Mädchen

「漁師の娘」Das Fischermädchen

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 数々の歌曲を残しドイツリートの王とも言われるシューベルトもウィーン郊外の出身であり、彼もまた古典派と初期ロマン派の過渡期を生きた作曲家でした。ピアノ伴奏による歌曲で有名なシューベルトとギター作品の関係性は一見薄そうに見えますが、なんといってもこの18世紀末〜19世紀初頭にかけてはギターにおける「黄金時代」とも呼ばれる時代であり、ギターは貴族のみならず一般家庭においても広く流通し楽しまれた楽器となっていました。特にパリやウィーンでは大ブレイクしていたと言いますから、シューベルトがそんなギターという楽器に触れなかったはずがありません。その証拠に、本日演奏するマティエカのノットゥルノは、本来の編成であるフルート、ヴィオラ、ギターにシューベルトがチェロパートを書き加えて、ギターを弾く友人の為に編曲したものが残されています。

 今回の演奏は、そうした背景を踏まえ、マティエカのノットゥルノを本来の編成のヴィオラパートをチェロに置き換えて演奏し、その作品の合間に組み込むような形でシューベルトの有名な歌曲群をギター伴奏でお届けいたします。彼らが生きていた時代をどこが彷彿とさせるような雰囲気、音色を感じていただければ幸いです。

 

アンコール

たくさんの拍手をいただきましたので

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ロッシーニの「猫の二重唱」をお聴きいただきます。



ありがとうございました。

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