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 クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.18

ドイツバロックの精華

201799日(土)1400開演 近江楽堂

主催:クラングレーデ

協力:アンサンブル山手バロッコ http://www.geocities.co.jp/yamatebarocco

クラングレーデ(Klangrede)

クラングレーデとは「音の言葉、音による対話」という意味です。

クラングレーデが演奏するのは、三百年から二百年も昔の、はるかに遠いヨーロッパの音楽です。バロック音楽は単なる「ヒーリング音楽」ではありません。その音楽を聴いて呼び起こされるのは、時代や場所に関わらない普遍的な人間のさまざまなアフェクト(情感)です。アフェクトによってそれぞれの「心象風景」を心に描き出すのです。作曲家が作品を書いた当時に使われていた楽器を使って演奏し、お客様と共に同じ情感を味わう、そんな演奏体験を目指して活動しているアンサンブルです。  

------ クラングレーデ(音の言葉)

 

出演

 

国枝 俊太郎 (リコーダー/フラウト・トラヴェルソ)

リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。1995年開催の全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞を受賞。これまで東京リコーダー・オーケストラのメンバーとしてNHK教育テレビ「ふえはうたう」「トゥトゥアンサンブル」に出演、CD録音にも参加する。現在はバロック室内楽を中心に、古楽器オーケストラによる数々の演奏会に出演するなど、幅広く活動している。バロック・アンサンブル「ムジカ・レセルヴァータ」、ルネサンス・フルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ」メンバー。

 

大山 有里子 (バロック・オーボエ)

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016年、17年リサイタル「バロック・オーボエの音楽」を開催し好評を博す。「ダブルリーズ」メンバー。

 

石川 和彦 (バロック・ヴァイオリン)

大阪音楽大学器楽科卒業後バロック・ヴァイオリンを始め、コレギウム・ムジクム・テレマンの主な公演に出演。2001年に渡仏し、ストラスブール音楽院にてバロック・ヴァイオリンとバロック音楽の研鑽を積む。フランスで“Le Parlement de Musique”などで活躍、現在、室内楽やオーケストラでモダン、古楽器とも活発に活動している。ヴァイオリンを曽田義嗣、林泉、佐藤一紀、バロック・ヴァイオリンを中山裕一、フランソワ・フェルナンデス、ステファニー・フィステー、桐山建志各氏に師事。

 

 

永瀬拓輝(バロック・チェロ)

 

 桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。その後、東京芸術大学古楽科別科を経て、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。2012 Stage de Musique Baroque de BARBAST(フランス)にてR・ツィパーリング氏のマスタークラスを受講。これまでにチェロを金谷昌治、花崎薫、倉田澄子の各氏に、バロック・チェロを武澤秀平、E・ジラール、酒井淳、鈴木秀美の各氏に師事。

 

 

伊藤 一人(チェンバロ)

 

東京藝術大学大学院修了。チェンバロ・通奏低音を岡田龍之介、鈴木雅明、大塚直哉各氏に師事。ボブ・ファン・アスペレン、クリスティーネ・ショルンスハイム、シェティル・ハウグサン各氏その他のマスタークラスを受講。201011年度、NHK文化センターにてバロック音楽の魅力を伝える講座を担当。ソロおよび通奏低音奏者として多くのアーティストと共演している。江崎浩司氏のCD「ヘンデル:オーボエソナタ集」「テレマン:12のメトーディッシェ・ゾナーテン」(いずれもフォンテック)ほかに参加。

HP: http://kazutoitocembalo.jimdo.com


 クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.18

ドイツバロックの精華

201799日(土)1400開演 近江楽堂

 

 本日はお忙しい中、ご来場いただきまして、ありがとうございます。

おかげさまでクラングレーデ・コンサートシリーズも18回目を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝申し上げます。

 さて、今回は「ドイツバロックの精華」と題しまして、4人の作曲家の名品を取り上げます。本日のために、バッハのオルガンの名曲《パッサカリアとフーガ》の編曲にも挑みました。どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。

 

 

 

 J. F. ファッシュ (1688-1758): 四重奏曲 変ロ長調 FWV N:B1

 Johann Friedrich FaschSonata B-Dur FWV N:B1

        Largo / Allegro / Grave / Allegro

J. F. ファッシュはライプツィヒでクーナウに作曲を学んで、その後はバイロイトの宮廷楽団のヴァイオリニストを経て、ツェルプストの宮廷楽長として亡くなるまで過ごしました。その作品は存命中には出版されませんでしたが、同時代人に高く評価されていたことは、J.S.バッハやテレマンがファッシュの多くの作品を演奏していた事からもわかります。     

 

 G. Ph. テレマン (1681-1767): トリオ・ソナタ 変ホ長調 TWV 42: Es3 (音楽の練習帳より)

 Georg Philipp TelemannTrio XII Es-Dur TWV 42: Es3 in“Essercizii Musici”

        Largo / Vivace / Mesto / Allegro

1727年頃に出版された「音楽の練習帳」という曲集に収められているこの曲は、オーボエとチェンバロと通奏低音(本日はチェロのみ)という,比較的珍しい編成のトリオ・ソナタです。全体的に穏やかな雰囲気に包まれた曲ですが、速い楽章でのスリリングな展開も聴き所です。

 

 

G. Ph. テレマン (1681-1767):  テレマン:パリ四重奏曲 第2番 イ短調 TWV 43: a2  

 Georg Philipp Telemann2e Quatuor a-moll TWV 43: a2

        Prèlude (Allegrement) / Flatteusement / Legerement /  Un peu vivement / Vite /  Coulant

737年、テレマンは晴れて念願だったパリ旅行が実現し、8ヶ月間滞在する事になり、その際にパリで「新しい四重奏曲集」を出版しました。本日演奏する第2番イ短調はこの曲集に収められています。

 この曲集は、先の1736年に出版された同じ編成の四重奏曲集と合わせて「パリ四重奏曲」と呼ばれています。全5楽章から成り、フランス音楽の様式をベースにしながらも、イタリア音楽を感じさせる情熱的な性格、フルート協奏曲を想わせる書法など、イタリア音楽の要素が強く見られます。各楽器が色々な組み合わせで奏でられ、時にソロとして表れる所も聴き所です。

****

 

G. F. ヘンデル (1685-1769):トリオ・ソナタ ト短調 HWV 393 (Op.2/8)

   Georg Friedrich HandelTrio Sonata g-moll HWV 393 (Op.2/8)

        Andante / Allegro / Largo / Allegro

 ヘンデルのトリオ・ソナタには偽作ではないかという疑いのある曲も含まれていますが、このトリオ・ソナタは1719年頃に作曲されたヘンデルの真作です。2本のヴァイオリンの為に書かれていますが、本日はヴァイオリンとオーボエで演奏します。まさにヘンデルらしい、香り立つような美しさが随所にみられます。

 

 

. Ph. テレマン:ファンタジー 第9番 ホ長調 TWV 40:10 

  Georg Philipp TelemannFantasia 9 E-Dur TWV 40:10

        Affettuoso / Allegro / Grave / Vivace

 テレマンはあらゆる楽器の演奏に通じていただけに、彼の器楽作品には常に「楽器を演奏する事の喜び」が満ち溢れています。フルートのためのファンタジーは全12曲とも全く違うキャラクターで書かれていて、そのどれもが非常にフルートらしいテイストを持っています。この曲集はテレマン自身の手によって銅版印刷された172728年の楽譜で残されていますが、今回取り上げる第9番はトラヴェルソにとって鳴りにくい音が多いホ長調で書かれていて、特に冒頭の柔らかい響きの世界が印象的です。   

 

J. S. バッハ (1685-1750): パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582 (アンサンブル版) 

Johann Sebastian BachPassacaglia und Fuga c-moll BWV 582

 

 原曲はオルガン曲で、1710年頃にヴァイマルで作曲したものと考えられています。

 パッサカリアはもともとゆったりとした3拍子の舞曲で、低音のラインもハーモニーの進行もほぼ変わらないのが特徴です。

 この作品では、まず低音が静かに主題を提示し、これを軸にして、20の変奏を繰り広げます。そして間をおかず、同じ主題に基づくフーガに流れ込み、次第に興奮の度を高め、突然の全休止でクライマックスを迎えます。

ありがとうございました。

 

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