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クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.9
山手234番館 リニューアル・オープン記念コンサート
“華ひらく・テレマン”
洋館で親しむバロックシリーズ 第26回
2012年4月7日(土) 午後6時開演 山手234番館 レクチャールーム
主催:公益財団法人
横浜市緑の協会 http://www.hama-midorinokyokai.or.jp
協力:アンサンブル山手バロッコ http://www.geocities.co.jp/yamatebarocco
クラングレーデ(Klangrede)
横浜山手の洋館での、古楽器によるひとときにようこそおいでいただきました。
今回のテーマは、「テレマン」。幼い時から様々な楽器の才能を開花させたテレマン。楽器の魅力をソロから四重奏、協奏曲などさまざまな組み合わせで引き出してくれます。このテレマンの華ひらく音楽を、リニューアル・オープンの山手234番館で、元町公園の桜とともに、洋館ならではの親しみやすい空間でお楽しみください。
クラングレーデとは「音の言葉、音による対話」という意味です。
クラングレーデが演奏するのは、三百年から二百年も昔の、はるかに遠いヨーロッパの音楽です。バロック音楽は単なる「ヒーリング音楽」ではありません。その音楽を聴いて呼び起こされるのは、時代や場所に関わらない普遍的な人間のさまざまなアフェクト(情感)です。アフェクトによってそれぞれの「心象風景」を心に描き出すのです。作曲家が作品を書いた当時に使われていた楽器を使って演奏し、お客様と共に同じ情感を味わう、そんな演奏体験を目指して活動しているアンサンブルです。
------ クラングレーデ(音の言葉)
出演
国枝俊太郎 (フラウト・トラヴェルソ)
東京都出身。リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。1995年開催の第16回全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞を受賞。これまで東京リコーダー・オーケストラのメンバーとしてNHK教育テレビ「ふえはうたう」などに出演、CD録音にも参加する。現在はバロック室内楽を中心に、リコーダー・アンサンブルによるルネサンス〜現代までの作品や、ギターとのアンサンブルによる19世紀のサロンピースの演奏、さらには古楽器オーケストラによる数々の演奏会に出演するなど、幅広く活動している。
大山 有里子 (バロック・オーボエ)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、大阪コレギウム・ムジクムのソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。そのかたわらピリオド楽器によるバロック音楽の演奏に興味を持ち、バロック・オーボエを始める。これまでに各地でオリジナル楽器によるオーケストラやアンサンブルに参加し、現在は関東を中心に活動している。「アルモニー・アンティーク」メンバー。
石川和彦 (ヴァイオリン)
大阪音楽大学器楽科卒業後バロック・ヴァイオリンを始め、コレギウム・ムジクム・テレマンの主な公演に出演。2001年に渡仏し、ストラスブール音楽院にてバロック・ヴァイオリンとバロック音楽の研鑽を積む。フランスで“Le Parlement de Musique”などで活躍、現在、室内楽やオーケストラでモダン、古楽器とも活発に活動している。ヴァイオリンを曽田義嗣、林泉、佐藤一紀、バロック・ヴァイオリンを中山裕一、フランソワ・フェルナンデス、ステファニー・プィステー、桐山建志各氏に師事。
西谷直己(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ゲスト
桐朋学園大学音楽学部古楽器科卒業。同大学研究科終了。宇田川貞夫、中野哲也の各氏に師事。オランダ、デン・ハーグ王立音楽院にてヴィオラ・ダ・ガンバを W.クイケン氏に、アンサンブルをクイケン兄弟他に師事。2000年、ソリストディプロマを取得し、同音楽院を卒業。帰国後もヨーロッパと日本での演奏活動を積極的に行っている。桐朋学園大学嘱託演奏員
酒井絵美子(チェンバロ)
洗足学園高等学校音楽科を経て、同音楽大学ピアノ科卒業。ピアノを池谷淳子、冨岡英子の両氏に師事。在学中チェンバロに出会い、岡田龍之介、家喜美子の両氏に師事。故 小島芳子、A.プリャエフ、N.パール、M.メイヤーソン、E.バイアーノ、K.ハウグサンの各氏のレッスンを受ける。また、フォルテピアノの伊藤深雪氏のレッスンを受講。CD「篠原理華 リコーダー&ミュゼット」に参加。2009年横浜イギリス館で、2010年山手234番館でソロ・リサイタルを開催。現在、チェンバロ及び通奏低音奏者として、日本各地で演奏、講習会のアシスタントを務める傍ら、ピアノ奏者として様々なアンサンブルに参加するなど、意欲的に音楽活動を行なっている。
クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.9
山手234番館 リニューアル・オープン記念コンサート
“華ひらく・テレマン”
洋館で親しむバロックシリーズ 第26回
2012年4月7日(土) 午後6時開演 山手234番館 レクチャールーム
プ ロ グ ラ ム
ゲオルク・フィリップ・テレマン
Georg
Philipp Telemann(1681〜1767)
四重奏曲(協奏曲) ト長調 TWV 43:G13
Quartett G-Dur TWV 43:G13
Moderato
/ Allegro / Andante / Vivace
無伴奏フルートのためのファンタジー第1番 イ長調 TWV
40:2
Fantasia für Flauto Traverso Solo A-Dur TWV 40:2
Vivace/Allegro
パリ四重奏曲第2番 イ短調 TWV 43:a2
Pariser Quartett a-moll TWV 43:a2
Prélude Allégrement
/ Flatteusement/ Légérement
/
Un peu vivement / Vite / Coulement
〜休憩〜
トリオ・ソナタ 変ホ長調 TWV 42:Es3 (「音楽の練習帳」より)
Trio Es-Dur TWV 42:Es3 aus der “Essercizii Musici”
Largo
/ Vivace / Mesto / Allegro
無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジー第3番 ヘ短調 TWV
40:16
Fantasia für Violine Solo f-moll TWV 40:16
Adagio
/ Presto / Grave / Vivace
四重奏曲 ト長調 TWV 43:G2 (「ターフェルムジーク」第1集より)
Quartett G-Dur TWV 43:G2 aus der “Tafelmusik” Production 1
Largo-Allegro-Largo
/ Vivace-Moderato-Vivace /
Grave / Vivace
プログラムノート
本日はお忙しい中、私どもクラングレーデの第9回演奏会においでいただきまして、本当にありがとうございます。今回はバロック音楽に親しんでいらっしゃる方にとってはおなじみのテレマンという作曲家の作品のみを取り上げますが、それぞれ全く違った個性を持った曲を選びましたので、最後までお楽しみいただけましたら幸に思います。
前半、最初にお聴きいただく「四重奏曲(協奏曲) ト長調 TWV 43:G13」ですが、フルート・パートが紛失してしまった不完全の形の手書き譜のみで伝えられています。今回はこの楽譜の校訂者であるイアン・ペインによる復元版で演奏いたしますが、テレマンが作ったフルート・パートがいつの日か見つかる事を願うばかりです。次の「無伴奏フルートのためのファンタジー第1番 イ長調 TWV 40:2」は、エコーの効果をうまく使った短くて可愛らしい作品です。
前半の最後は「パリ四重奏曲第2番 イ短調 TWV 43:a2」を演奏いたしますが、パリ滞在中の1738年に出版されたこの曲集は、数あるテレマンの室内楽曲の中でも傑作中の傑作と言っても過言ではない、実に充実した内容を持っています。テレマンの自叙伝「わが生涯」によると、「その演奏は宮廷と町の人たちの耳を異常なほどひきつけ、しばらくの間に作曲者の私にたいへんな名誉をもたらし、どこへ行ってもていねいにもてなされるようになった」(訳:服部幸三)と、人々が興奮しながらこの作品を聴いていたのが伺えます。
後半の最初に取り上げる「オーボエ、チェンバロと通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ホ長調 TWV 42:Es3」は、1740年頃に出版された「音楽の練習帳」という曲集に収められています。全体的に穏やかな雰囲気に包まれた曲ですが、速い楽章でのスリリングな展開も聴き所です。次の「無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジー第3番 ヘ短調 TWV 40:16」は、ヘ短調という調性が持っている独特のほの暗い雰囲気の中で、様々な景色が見え隠れするような魅力ある曲です。
本日最後の「四重奏曲 ト長調 TWV 43:G2」は、有名な「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」という大規模な曲集に収められています。この曲集は全部で3集から成っていますが、第1集の四重奏曲ではフルート、オーボエ、ヴァイオリンがそれぞれ楽しげな対話を繰り広げていて、テレマンの魅力満載といった感じに仕上がっています。
サービス精神が旺盛だったテレマンの魅力を我々の演奏から感じていただけたら、メンバー一同嬉しく思います。
(国枝俊太郎)
アンコールは四重奏曲 ト長調 Quartett G-Dur TWV 43:G6 より 第3楽章アレグロありがとうございました。
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