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西洋館サマーコンサート 2020
洋館で親しむバロックシリーズ 第96回
2020年8月9日(日)@11:30 開演 A14:30 開演
横浜市イギリス館
主催:アンサンブル山手バロッコ / クラングレーデ コンサート事務局
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016〜19年、リサイタル「バロック・オーボエの音楽」開催。「クラングレーデ」「古楽団あおば」メンバー。
今西香菜子(バロック・オーボエ)
13 歳よりオーボエを始め、これまでにオーボエを東野正子、故 本間正史、故 柴山洋の各氏に師事。リチャード・ウッドハムス、若尾圭介、ジョナサン・ケリー等のマスタークラスを受講。桐朋学園大学及び同大学研究科修了。在学中よりバロック・オーボエを始め、故
本間正史氏に師事。現在フリーで演奏活動中。音楽教室エンゼルミュージック、フォレストミュージック講師。
永谷陽子(バロック・ファゴット)
桐朋学園大学卒業。同大学研究科及びオーケストラアカデミー修了。バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。2012年横浜・西洋館de古楽で、モーツァルト作曲ファゴット協奏曲をピリオド楽器で熱演。第26回国際古楽コンクール(山梨)にて奨励賞を受賞。古楽、モダン両分野でオーケストラや室内楽、CD録音に参加。八王子音楽院、ドルミール音楽教室講師、「烏山バロック倶楽部」主宰。
加藤久志(ヴィオラ・ダ・ガンバ)賛助出演
洗足学園音楽大学卒業。同大学院修士課程修了。ヴィオラ・ダ・ガンバを福沢宏、武澤秀平の各氏に、コントラバスを藤原清登氏に師事。藍原ゆき、中野哲也、マリアンヌ・ミュラー、ジョシュ・チータムの各氏のレッスンを受ける。2015 年ニース夏期国際音楽アカデミーにてディプロマを取得。古楽を中心にポップス、ロック、ジャズ、吹奏楽など、様々な分野にて演奏活動を行っている。日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会理事(2019-2020)、一般社団法人総合芸術協会(WCARS)会員。ブログ https://ameblo.jp/organic-cosme-memeko/
寺村朋子(チェンバロ)
東京芸術大学チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回国際古楽コンクール山梨にてチェンバロ部門第2位入賞。イタリア、オーストリア、ベルギーなど国内外のアカデミーに参加して研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他バロックダンスとのセッションや声楽マスターコースの伴奏など様々な分野で多くの団体と演奏活動を行う。トリム楽譜出版より、「フルートバロックソナタ集」「J.S.バッハ作品集」(増刷)を編曲、出版。チェンバロソロCD「Capriccioお気に召すまま」(レコード芸術準推薦)リリース。宮地楽器小金井アネックス・チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会会員。「アントルメ」メンバー。
ダブルリーズ
西洋館サマーコンサート 2020
洋館で親しむバロックシリーズ 第96回
プログラム(解説:ダブルリーズ)
「ダブルリーズ」は、18世紀に使われていたスタイルのオーボエとファゴット、それにチェンバロという編成の女性4人のグループです。2012年より毎年、横浜山手でバロック音楽のコンサートを続けてまいりました。
2月に新型コロナ感染症拡大で開催を見合わせ、種々の対応を進めてきました西洋館の古楽コンサート、「ダブルリーズ 西洋館サマーコンサート」が演奏家とお客様のあたたかい交流のなかで、無事行われました。
西洋館の感染症拡大対策にしたがって、限定された人数で、受付でアルコール消毒や検温も行い、十分に安全に配慮して開催されたコンサート(11時30分からと14時30分からの2回公演)。
当初こそ少し緊張した感じでしたが、分散して座っていただいたお客様のため、西洋館の響きが生き、また久々のバロックコンサートを楽しもうという会場全体の雰囲気があふれる経験したことのないコンサートとなりました。ありがとうございました。
♪ ♪ ♪
G.P.テレマン(1681-1767)
Georg Philipp Telemann
トリオ・ソナタ ヘ長調
TWV42:F16
Sonata a 3 TWV 42:F16
Adagio / Presto / Sarabande / Menuet
ゲオルク・フィリップ・テレマンは後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家です。
このトリオの楽譜はミュンスター / ヴェストファーレンのテックレンブルク伯のコレ クションの中にあります。タイトルは
“ Trio / Hautbois / Basson / & / Basse / Di / Telemann”となっていますが、数字のついていないバスの楽譜とファゴットの楽譜だけ
が残されています。オーボエ のパート譜は紛失しており、元々はチェンバロ奏者のため の数字付きの楽譜もあった可能性があります。今回は失われたオーボエ・パートを大山
有里子が補作したものを演奏します。
*オーボエ:大山有里子
G.P.テレマン(1681-1767)
Georg Philipp Telemann
『忠実な音楽の師』より 組曲 ト短調 TWV 41:g4
"Der getreue
Music-Meister" Suite TWV 41:g4
Ouverture, tres vite / Sans Souci / Hornpipe / Gavotte / Passepied / Irlandoise
オーボエと通奏低音のための組曲 ト短調 は、「忠実な音楽の師」という全 68 曲から なる曲集に含まれています。様々な楽器のための音楽が含まれているこの曲集は、1年 間にわたって少しずつ刊行されるという、当時としてはたいへん新しい発表形式をとり
ました。このト短調の組曲の冒頭には「ヴァイオリンまたはオーボエ (で演奏する)」 と書かれています。最初はフランス風序曲のスタイルで始まり、サン-スーシ、ホーン パイプ、ガボット、パスピエ、アイルランド人、という5曲の音楽が続きます。
*オーボエ:今西香菜子
J.B.de.ボワモルティエ(1689-1755)
Joseph Bodin de Boismortier
ファゴットと通奏低音のためのソナタ ニ長調 Op.50-Va
Sonata Va Op.50
: Moderato / Corrente
/ Aria: Affetuoso / Minuetto
con variazioni
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエは 18 世紀フランスの作曲家で、イタリアの 協奏曲様式をフランスに導入し、ロココ趣味で優美な作品を残しています。ファゴット と通奏低音のためのソナタ ニ長調 は明るい曲想です。旋律のファゴットと通奏低音が、 似たような音形で呼応します。第1楽章モデラートは、散歩に出かけるようなリラック スした音楽。第2楽章クーラントは駆けぬける風のよう。第3楽章アリア アフェットー ゾはしっとりと歌い、第4楽章のメヌエットは変奏曲ですが終始明るく終わります。
F.クープラン(1668-1733)
François Couperin
クラヴサン曲集より「夜明け」「鰻」「手品」
pièces de clavecin “Le point du jour” “L'anguille”
“Les tours de passe-passe”
フランソワ・クープランはフランスのバロック時代を代表する音楽家で、クープラン一 族の間で最も有名で、大クープランとしても知られている人物です。 「クラヴサン曲集」は第1巻から第4巻まで合計230曲以上がおさめられています。彼の 作品は、当時のヨーロッパ各地に伝わり、バッハ、ヘンデル、テレマンに影響を与えて います。1733年に死去後、19世紀半ば改めての出版で広く普及するまで忘れ去られた存 在でした。本日は、その中から第4巻第22オルドルより、夜明け、鰻、手品をお届けい たします。
J.B.de.ボワモルティエ
Joseph Bodin de Boismortier
ヴィオールと通奏低音による小品集
Op.31
Diverses pieces, Op.31
Prelude / La Moderne / Sarabande / Gavotte /
Menuet / Le Brut
「ヴィオールと通奏低音(用)の色々な曲」(第 1 組曲〜第5組曲)から、第 2 組曲の ニ調を抜粋で演奏します。組曲の最初は他の組曲と同様にプレリュードで始まりますが、 その後の配置は同じでなくばらばらなことからも、”色々な曲”という創意を感じ取れま す。演奏者により曲の順番を自由に入れ替えて演奏されることが多く、今回も抜粋を演 奏者による任意の順番で演奏します。本作品はボワモルティエがいかにヴィオールを熟 知していたかが伝わってくるような、見事な作風となっています。どうぞバリエーショ ンに富んだ組曲をお楽しみください。
J.F.ファッシュ(1668-1758)
Johann Friedrich Fasch
四重奏曲 へ長調 FWV N:F1
Sonata [Quartet] FWV N:F1
Andante / Allegro / Largo / Allegro
ヨハン・フリードリヒ・ファッシュはバッハと同時代のドイツの音楽家で最も重要な人 物の一人です。1722 年にツェルプストの宮廷楽長に就任し没年までその地位にありまし た。ほぼ同年代のバッハはファッシュのいくつかの作品を写譜、編曲しており、彼の作 品を高く評価し研究していたことが伺えます。 ファッシュの作品はその生前には1曲も出版されませんでした。そのため 19 世紀に はバッハなどの陰に隠れて注目されませんでしたが、最近はますますその重要性が認識 されてきている作曲家です。管弦楽の中でのオーボエや他の管楽器の扱いは、バロック の枠を出て古典様式へと向かう特徴と独創性が見られます。
アンコールは、たくさんの拍手をいただきましたので、ファッシュの四重奏曲ヘ長調より2楽章アレグロをお届けいたしました。
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