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ダブルリーズ 西洋館コンサートVol.8

J.S.バッハ誕生日スペシャル〜

横濱・西洋館de古楽2019

洋館で親しむバロックシリーズ 第88

2019321日(木・祝)14時開演(1330分開場)

会場:横浜市イギリス館

主催:「横濱・西洋館de古楽」実行委員会、アンサンブル山手バロッコ
後援: 横浜市中区役所、日本チェンバロ協会
協力:クラングレーデ コンサート事務局

 

出演

大山有里子(バロック・オーボエ)

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016年、17年リサイタル「バロック・オーボエの音楽」開催。「クラングレーデ」メンバー。

 

今西香菜子(バロック・オーボエ)
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13歳よりオーボエを始め、これまでにオーボエを東野正子、故 本間正史、故 柴山洋の各氏に師事。リチャード・ウッドハムス、若尾圭介、ジョナサン・ケリー等のマスタークラスを受講。桐朋学園大学及び同大学研究科修了。在学中よりバロック・オーボエを始め、故 本間正史氏に師事。現在フリーで演奏活動中。音楽教室エンゼルミュージック、フォレストミュージック講師。

永谷陽子(バロック・ファゴット)

桐朋学園大学卒業。同大学研究科及びオーケストラアカデミー修了。バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。2012年横浜・西洋館de古楽で、モーツァルト作曲ファゴット協奏曲をピリオド楽器で熱演。第26回国際古楽コンクール(山梨)にて奨励賞を受賞。古楽、モダン両分野でオーケストラや室内楽、CD録音に参加。八王子音楽院、ドルミール音楽教室講師、「烏山バロック倶楽部」主宰。

寺村朋子(チェンバロ)
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東京芸術大学チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回国際古楽コンクール山梨にて第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外の講習会を受講し研鑽を積む。NHKFMリサイタル」に出演。その他オーケストラやバロックダンスとのアンサンブル、ソロ、マスタークラスの伴奏など多方面で活動し、多くの団体と様々なコンサートを行う。トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「J.S.バッハ作品集」(2009年増刷)を編曲、出版。2010年チェンバロ・ソロCD「お気に召すままCapriccio」(レコード芸術準推薦)リリース。小金井アネックス(宮地楽器)チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会会員。


 

ダブルリーズ 西洋館コンサートVol.8

J.S.バッハ誕生日スペシャル〜

横濱・西洋館de古楽2019

洋館で親しむバロックシリーズ 第88

 

プログラム(解説:ダブルリーズ)

横浜山手西洋館の古楽器にコンサートにようこそ。本日は、山手西洋館で産声を上げた女性4名のアンサンブル「ダブルリーズ」の第8回のコンサートをお届けします。

「ダブルリーズ」とは、二枚のリードたちという意味で、オーボエとファゴットという2枚のリードで音を出す楽器の奏者3名にチェンバロ奏者を加えた4名構成のユニットです。この親密な空間で、いにしえの木管の響きをお楽しみください。 

 

♪ ♪ ♪

 

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ:「義(ただ)しい神よ、ああ、決済をなさるのですか?」 カンタータ第89番≪エフライムよ、汝をいかにせん≫ BWV 89より
Johann Sebastian Bach (1685-1750) :
Gerechter Gott, ach rechnest du?

カンタータ第89番≪エフライムよ、汝をいかにせん≫ の第5曲ソプラノのアリア。
オブリガートはオリジナル通りにオーボエで、歌の部分もオーボエで演奏します。「義(ただ)しい神よ、ああ、決済をなさるのですか? それならば私は、魂の救いのために イエスの血のしずくを数えましょう。」と歌います。

 

C.Ph.E.バッハ:オーボエとオブリガートチェンバロのためのソナタ ト短調 H.542.5 (伝 J.S.バッハ BWV 1020
C.Ph.E.Bach (1714-1788)
Sonata g-moll H.542.5(BWV 1020)

Allegro / Adagio / Allegro

 

長らくJ.S.バッハのフルートとオブリガートチェンバロのためのソナタ BWV1020として親しまれていたト短調のソナタは、最近では、修行中の次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハが父の教えを受けながら作ったものではないかということになっています。

 現存する当時の資料によれば、楽器はヴァイオリンとなっていますが、ヴァイオリンのG線が一度も用いられていないこと、重音奏法がないことなどから、フルートであろうといわれています。オーボエの曲と考えるには高音が多く疑問がありますが、ト短調はオーボエにとって適した調性であり、この曲の音域はバロック・オーボエの音域に収まっています。現代のオーボエでは音域的にも無理がなくよく演奏される曲です。

 

ヨーハン・ゼバスティアン・トリオ・ソナタ ホ短調BWV 76/8528P.ダークセン編をもとにした編曲)  
Johann Sebastian Bach (1685-1750) : Triosonate e-moll BWV 76/8
528

Adagio / Andante / Un poco Allegro 

バッハが1730年頃に作曲したオルガンのための6曲のソナタは完全な筆写譜の形で今日まで残されていますが、それは全体をひと続きに作曲した作品ではありません。オルガンソナタ第4番ホ短調(BWV528)も、古い素材に基づいて再構成された曲で、特に第一楽章の初期稿は、1723年のカンタータのシンフォニア(BWV 76/8、オーボエ・ダモーレとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音)であると考えられています。今回使用する楽譜は、P.ダークセンがもとの音楽を探る試みとして復元した楽譜を参考に、ヴィオラ・ダ・ガンバのパートをファゴット用にさらにアレンジして演奏します。

 

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ:「頌めたたえよ、主を」   カンタータ第129番《わが神、わが光なる主を煩めまつれ》 BWV 129より
Johann Sebastian Bach (1685-1750) :
Gelobet sei der Herr

カンタータ第129番《わが神、わが光なる主を煩めまつれ》BWV 129 の第4曲アルトのアリア。オブリガートはオリジナル通りにオーボエ・ダモーレで、歌の部分もオーボエ・ダモーレで演奏します。「頌めたたえよ、主を、わが神、永遠に生きられる」と歌います。

 

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ: シンフォニア 第1 BWV 787〜インヴェンション 第10 BWV 781〜インヴェンション 第11 BWV 782〜シンフォニア 第3 BWV 789〜シンフォニア 第15 BWV 801
Johann Sebastian Bach (1685-1750) : Inventionen und Sinfonien

 今日でもピアノのレッスンで取り上げられることの多い2声のインヴェンションと3声のシンフォニア。当時、バッハ周辺でさかんに筆写されており、子供達や弟子達がバッハから直接手ほどきを受けチェンバロや作曲の技術を習得していったことが想像できます。本日は、5曲を選び演奏いたします。

 

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ:ファゴットとオブリガートチェンバロのためのソナタ ハ長調 BWV 1032 (江崎浩司編、原曲:イ長調)
Johann Sebastian Bach (1685-1750) : Sonate C-Dur BWV 1032

         Vivace / Largo e dolce / Allegro

 原曲のフルート・ソナタ イ長調は、2台のチェンバロのための協奏曲ハ短調 BWV1062の自筆スコア(1736年頃)の下段の余白に書かれていました。第1楽章 Vivaceは冒頭から62小節目までと、曲の終わり2小節が残っているだけで、曲の途中がバッサリと無くなっています。本日は、CD「蘇るソナタ J.S.バッハ:江崎浩司」(フォンテック)のリコーダー・ソナタ版をファゴットで演奏します。チェンバロ・ソロから始まる華やかな第1楽章は、欠落している原曲の補完をして広大な楽曲として蘇り、不穏な第2楽章の半終止から続く第3楽章は再びチェンバロ・ソロから開始され、ファゴットとのやりとりが楽しい曲です。

 

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ:トリオ・ソナタ ト長調BWV 1038
Johann Sebastian Bach (1685-1750) : Triosonate G-Dur BWV 1038

Largo / Vivace / Adagio / Presto

 

 「フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV 1038」の原典としては,バッハの自筆譜が残されています。それなら何の問題もないと言いたいところですが、その自筆譜には作曲者名が記されていないのです。一方、この曲と同じ通奏低音(低音のパート)が使われている、別の曲が2曲存在します(ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調BWV 1021とヴァイオリンとチェンバロのためのソナタヘ長調BWV 1022)。さまざまな研究からBWV 1021はバッハの真作であると判断されています。それに対して、今日演奏する1038ともう1曲の1022は、様式分析から真作ではないという説が支配的ですが、断定はされていません。本日はこのトリオ・ソナタを2本のオーボエと通奏低音の編成で演奏します。真作ではないのかもしれませんが、バッハが自ら筆写した楽譜があるということで、誕生日にちなんで演奏するのにはふさわしいと思います。

アンコールは、たくさんの拍手をいただきましたので、ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050 第三楽章よりお届けいたしました。

 

 

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