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ダブルリーズ 西洋館コンサートVol.6
〜薔薇の香りに包まれて、バロック音楽を...〜
洋館で親しむバロックシリーズ 第72回
2017年5月28日(日)18時開演(17時30分開場)
会場:横浜市イギリス館
主催:クラングレーデ コンサート事務局、アンサンブル山手バロッコ
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016年リサイタル「バロック・オーボエの音楽」開催。「クラングレーデ」メンバー。
今西香菜子(バロック・オーボエ)
13歳よりオーボエを始め、これまでにオーボエを東野正子、故 本間正史、故 柴山洋の各氏に師事。リチャード・ウッドハムス、若尾圭介、ジョナサン・ケリー等のマスタークラスを受講。桐朋学園大学及び同大学研究科修了。在学中よりバロック・オーボエを始め、故
本間正史氏に師事。現在フリーで演奏活動中。エンゼルミュージック、フォレストミュージック講師。
永谷陽子(バロック・ファゴット)
桐朋学園大学卒業。同大学研究科及びオーケストラアカデミー修了。ファゴットを浅野高瑛、武井俊樹、馬場自由郎の各氏に、バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。2012年横浜・西洋館de古楽で、モーツァルトのファゴット協奏曲をピリオド楽器で熱演。第26回国際古楽コンクールにて、奨励賞を受賞。古楽、モダン両分野でオーケストラや室内楽、CD録音に参加。「クラシカル・プレイヤーズ東京」、「桜・winds」他メンバー。 「さくら村合奏団」副村長、「烏山バロック倶楽部」主宰。八王子音楽院、ドルミール音楽教室講師。
寺村朋子(チェンバロ)
東京芸術大学チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回国際山梨古楽コンクール第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外の講習会を受講し研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他オーケストラやバロックダンスとのアンサンブル、ソロ、マスタークラスの伴奏など多方面で活動し、多くの団体と様々なコンサートを行う。トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「J.S.バッハ作品集」(2009年増刷)を編曲、出版。2010年チェンバロ・ソロCD「お気に召すままCapriccio」(レコード芸術準推薦)リリース。小金井アネックス(宮地楽器)チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会会員。
ダブルリーズ 西洋館コンサートVol.6
〜薔薇の香りに包まれて、バロック音楽を...〜
洋館で親しむバロックシリーズ 第72回
プログラム
横浜山手西洋館の古楽器にコンサートにようこそ。山手234番館は、昭和2(1927)年頃、外国人向けの共同住宅として建設されました。
本日は、山手西洋館で産声を上げた女性4名のアンサンブル「ダブルリーズ」の第6回のコンサートをお届けします。
「ダブルリーズ」とは、二枚のリードたちという意味で、オーボエとファゴットという2枚のリードで音を出す楽器の奏者3名にチェンバロ奏者を加えた4名構成のユニットです。この親密な空間で、いにしえの木管の響きをお楽しみください。
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. A.ロッティ(c1667-1740):四重奏ソナタ 変ロ長調
Antonio Lotti:Sonata á 4
Adagio / Allegro / Adagio / Allegro
アントニオ・ロッティ(c1667-1747) はヴェネツィアのサン・マルコ寺院で活躍した作曲家、オルガニスト。18世紀の初めにはヴェネツィアで大変な人気作曲家になりました。1717年、ハノーファー選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世から招かれドレスデンへ出向し、2年間ドレスデンの宮廷歌劇場でオペラの上演などにたずさわりました。一世代下のバッハ、ヘンデル、ゼレンカ、ピゼンデルといったドイツの作曲家たちはロッティから大きな影響を受けました。四重奏ソナタ
変ロ長調は2本のオーボエだけでなくファゴットも旋律楽器として活躍します。
G.Ph.テレマン:オーボエ・ソナタ
イ短調 TWV 41:a3「忠実な音楽の師」より
Georg Philip Telemann:Sonata TWV 41:a3 “Der getreue Music-Meister”
Siciliana / Spilituoso / Andante / Vivace
ゲオルク・フィーリップ・テレマン(1681-1767)は、後期バロックを代表する作曲家。晩年に至るまで常に新しい音楽傾向の先端に立ち続け、あらゆる楽器と声のための膨大なレパートリーを残しています。 オーボエ・ソナタ
イ短調 TWV 41:a3は、1728年から25回に渡り隔週で出版された楽譜集「忠実な音楽の師」の中の一曲です。4つの楽章からなり、各楽章いずれもシンプルでコンパクトでありながら、和声や拍子感に意外性があり、テレマンのすぐれた技術を感じることができます。
G.Ph.テレマン(1681-1767):ソナチネ 第2番 ハ短調「6つの新しいソナチネ集」より
Georg Philip Telemann:Sonatine Nr2. c-moll TWV 41:c2 “6 Neue Sonatinen”
Largo / Allegro / Dolce / Vivace
ソナチネ 第2番 ハ短調TWV 41:c2が含まれている『6つの新しいソナチネ集』は1731/2年にハンブルグで出版されました。第1、4、6番はヴァイオリンまたはフラウト・トラヴェルソ、第2、5番はリコーダーまたはファゴットまたはチェロ、第3番はフラウト・トラヴェルソまたはヴァイオリンのために書かれています。独奏パート譜のみが残っており、通奏低音譜は消失していますが、ドレスデンの図書館所蔵のヴァイオリンソナタの筆写譜のなかに、第2,5番と同じ曲が含まれていることが判明しました。これは通奏低音とともにスコアの形で書かれており、今夜はその通奏低音で演奏します。
. G.サンマルティーニ(1695-1750):チェンバロ協奏曲
ヘ長調 Op.9/2
Giuzeppe Sammartini:Concerto Op.9/2
Allegro / Andante / Allegro
ジュゼッペ・サンマルティーニ(1695-1750)は、ミラノ生まれの作曲家で、当時最高と評判の高かった名オーボエ奏者。ロンドンでも活躍しました。弟のジョバンニ・バティスタ(作曲家、オルガニスト)と混同されやすい。本日演奏する協奏曲Op.9は「鍵盤楽器のための」もので、オルガンで演奏されることが多く、伴奏はオリジナルではヴァイオリン、チェロなどの弦楽器ですが、本日はダブルリード楽器での伴奏付きチェンバロ独奏で演奏します。
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J.S.バッハ:トッカータ
ホ短調 BWV 914
Johann Sebastian Bach:Toccata BWV 914
Introduction / Un poco allegro / Adagio / Fuga: Allegro
トッカータという言葉は、イタリア語のToccare(触れる)に由来しており、鍵盤や楽器に触れるという行為にその発想のおおもとが置かれています。本日演奏のBWV914は、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)の初期作品に属すると考えられており、自筆譜は現存していませんが多くの筆写譜が存在しています。17世紀の鍵盤トッカータの流れを汲み、直接的には北ドイツのオルガン・トッカータの影響を強く受けた様式で書かれ、導入部、フーガ的なアレグロ部分、アダージョ部分、フーガと、4つの部分に分かれています。
J.D.ゼレンカ(1679-1745):ソナタ 第5番 ヘ長調 ZWV 181/5
Jan dismas Zelenka:Sonata Numero 5 ZWV 181/5
Allegro
/ Adagio / Allego
ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745)は、ボヘミア(現在のチェコ)生まれで、ザクセン帝国のドレスデンで没しました。1711年、ドレスデンの宮廷楽団でコントラバス奏者として働き始め、1716年から3年間ウィーンで宗教音楽を学び、1721年には宗教音楽の副楽長となりました。56歳で宮廷作曲家となり、66歳でドレスデンの地で没しました。生涯独身で肖像画は残っていない。
ゼレンカの作品は多く残されていますが、大半はカトリックの宗教音楽で、器楽曲の割合は少ない。その中で、ソナタ ZWV 181(6曲のセット)は現代の日本では最も演奏される機会がある作品でしょう。第5番 へ長調は1720年から22年頃に作曲されました。「トリオ・ソナタ」と表記されることも多いですが、編成は第1オーボエ、第2オーボエ、ファゴット、通奏低音の4声(カルテット)です。今回通奏低音はチェンバロのみ。ダブルリード楽器のためのアンサンブルとしては、楽器の性能を試すかのような実験的ともいえる曲となっています。当時のドレスデン宮廷楽団のダブルリード奏者たちの技倆がうかがえます。
(ダブルリーズ)
アンコールは、たくさんの拍手をいただきましたので、 G.サンマルティーニ チェンバロ協奏曲 ヘ長調 Op.9/2より第3楽章 アレグロを洒落たカデンツァ付きでお届けいたしました。
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