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「ダブルリーズ 西洋館コンサート」
洋館で親しむバロックシリーズ 第31回
2012年9月17日 (月・祝) 18時開演(17時30分開場)
横浜市イギリス館
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、大阪コレギウム・ムジクムのソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。そのかたわらピリオド楽器によるバロック音楽の演奏に興味を持ち、バロック・オーボエを始める。これまでに各地でピリオド楽器によるオーケストラやアンサンブルに参加し、現在は関東を中心に活動している。バロックアンサンブル「アルモニー・アンティーク」、「クラングレーデ」メンバー
今西香菜子(バロック・オーボエ)
13歳よりオーボエを始め、これまでにオーボエを東野正子、本間正史、柴山洋に師事。リチャード・ウッドハムス、若尾圭介、ジョナサン・ケリー等のマスタークラスを受講。桐朋学園大学及び同大学研究科修了。
大学在学中にバロック・オーボエを始め、本間正史に師事。現在フリーで演奏活動中。音楽教室エンゼルミュージック講師。トリオはちみつメンバー。
永谷陽子(バロック・ファゴット)
桐朋学園大学卒業。同大学研究科修了。桐朋オーケストラアカデミー修了。
ファゴットを浅野高瑛、武井俊樹、馬場自由郎各氏に、バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。2005年〜10年まで日本大学芸術学部演奏補助員を勤める。
現在、モダン、クラシカル、バロック・ファゴット奏者としてオーケストラや室内楽で活躍するとともに、後進の指導にもあたる。八王子音楽院講師。
寺村朋子(チェンバロ)
東京芸術大学音楽学部チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回古楽コンクール・チェンバロ部門第2位入賞。
シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外のアカデミーに参加し研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他多くの団体と様々なコンサート活動を行う。
トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「JS.バッハ作品集」(2009年再版)を編曲、出版。宮地楽器小金井アネックス・チェンバロ科講師。2010年 チェンバロソロCD「カプリッチョ」(レコード芸術準推薦盤)レリース。
「ダブルリーズ 西洋館コンサート」
洋館で親しむバロックシリーズ 第31回
ダブルリードの楽器(オーボエとファゴット)はバロック時代には最も頻繁に聴かれた管楽器といえるでしょう。しかしながら、今日ダブルリード楽器とチェンバロのみのコンサートは意外と聴く機会がないのではないでしょうか。
本日はその独特の表現力にとんだ響きを楽しんでいただければと思います。
プログラム
J-M. オトテール:トリオ・ソナタイ短調
作品3-3
Jacques–Martin Hotteterre (Le Romein):Sonate en trio
op.3-3
Prelude(Gravement) / Fuge(Gay) / Grave(Gracieusement) /
Vivement
et croches egales
J-M.オットテールはフランスの有名な管楽器製作家(作曲家)一族のうち最も有名なひとりです。
この一族は既存のダブルリードの楽器を、オペラの弦楽器とともに使えるほど洗練された楽器へと改良した人たちのうちで中心的な存在でした。
本日演奏する曲は原曲は横笛に適したロ短調ですが、一音下げて演奏します。
G. F. ヘンデル:オーボエ・ソナタヘ長調
作品1-5 HWV 363a
Georg Friedrich Händel (1685-1759):Oboe Sonata F-Dur
op.1-5 HWV363a
Adagio /Allegro /Adagio /Bouree angloise /Menuetto
G.F.ヘンデル:オーボエと通奏低音のためのソナタ ヘ長調は1716年以前の作曲と考えられ、ブリュッセル手稿譜でははっきりと「Hautb. Solo del SR. Hendel と記されています。
後にロンドンの出版社からト長調のフルート版(当時ロンドンではフルートはアマチュアに人気があった)がヘンデルの了解なしに出されました。
当時はこのようなことが多かったようです。オーボエソロは今西香菜子。
C. シャフラート:ファゴットとチェンバロのための二重奏曲ト短調
作品1
Christoph Schaffrath(1709-1763):Duetto g-moll op.1
Andante /Allegro
assai / Allegro
シャフラートはベルリンで活躍したチェンバロ奏者で、鍵盤楽器のための多くのソナタ集(独奏用と旋律楽器との重奏用の2種類)を生前に出版しています。
ギャラント様式によるチェンバロとファゴットの親密な対話をお楽しみください。
A.
ヴィヴァルディ:トリオ・ソナタト短調 RV 81
Antonio Vivaldi (1678 - 1741) :Trio g minore
RV 81
Allegro / Largo / Allegro
ヴィヴァルディが非常に多作であったことは間違いがないのですが、2本のオーボエと通奏低音のための曲はこの1曲しか残っていません。
第3楽章には、リコーダー、オーボエと通奏低音のためトリオ・ソナタ(コンチェルト)RV 103 と共通のモティーフが見られるため、おそらくこの2曲は同じ時期に書かれたと推測されています。
A.
ロッティ:四声のソナタ「エコー」ヘ長調
Antonio Lotti
(c1667-1740) :Echo. Sonata
à 4 F maggiore
Echo / Adagio / Allegro – Presto
ロッティはヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂を中心に活躍した作曲家です。多くのオペラ、器楽曲を書き、後世の作曲家たちにも影響を与えました。
このユニークなエコー・ソナタがどういった機会に演奏されたのかはわかりませんが、想像を巡らすと楽しくなります。
J. S. バッハ:半音階的幻想曲とフーガ BWV 903
Johann Sebastian Bach (1685-1750):Chromatic Fantasia and Fugue d-moll BWV 903
Fantasia / Fugue
J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガは、バッハの生前から人気が高かった曲です。
息子フリーデマンも後年好んで演奏したようです。死後もすぐに他国まで筆写譜が伝わるなど比較的広く流布し、作曲されてから長い時日を経ても演奏され続けました。
バッハの伝記作者ドイツのフォルケルは、「唯一の存在で、これに類したものは他に1曲もない」と記しています。またベートーヴェンは、この曲をよく研究したと言われています。
J. F. ファッシュ:四重奏曲
ト短調 FWV N: g1
Johann Friedrich Fasch (1688-1758):Quadro g-moll FWV N:g1
Largo
/ Allegro / Largo / Allegro
J.F.ファッシュはドイツの作曲家、楽長です。生前は高く評価されていましたが、19世紀を通じてバッハの陰に隠れて音楽史研究者からは見落とされていました。
その膨大な量の手稿譜は広範囲に散らばっていますが、研究が進められています。オーケストラ、特に管楽器の扱い方に独自性が見られ、当時の人々からも注目されていました。
2本のオーボエ、ファゴットと通奏低音のための四重奏はダブルリード楽器の性能をフルに発揮した非常に吹きごたえ、聴きごたえのある作品です。
アンコールは、たくさんの拍手をいただきましたので、ヘンデルのオラトリオ「ソロモン」より有名な「シバの女王の入城」 HWV67をお届けします。
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