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春爛漫のバロック音楽
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第126回
2023年3月24日 (金) 14:00 / 19:00 開演 横浜市イギリス館
主催:クラングレーデ
コンサート事務局
後援:日本チェンバロ協会
日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会
協力:アンサンブル山手バロッコ
出演
大山有里子(バロック・オーボエ)
大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動、その後関東に活動の場を移し、ピリオド楽器による演奏に専念する。
近年はバロックだけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。アンサンブル山手バロッコ主催のコンサートにおいては、バロック期のオーボエ協奏曲のソロやモーツァルトのオーボエ四重奏などをはじめとして多数出演。2016〜19年リサイタル「バロック・オーボエの音楽」を開催し好評を博す。「ダブルリーズ」「古楽団あおば」メンバー。
加藤久志(ヴィオラ·ダ·ガンバ)
洗足学園音楽大学・ジャズコースをベース専攻で卒業、同大学大学院修士課程・弦楽器コースをコントラバス専攻で修了。コントラバスを藤原清登氏に、ヴィオラ・ダ・ガンバを福澤宏、武澤秀平の両氏に師事。2015年ニース夏期国際音楽アカデミーにてディプロマを取得。マリアンヌ・ミュラー氏のマスタークラスで学ぶ。これまでに藍原ゆき、中野哲也、ジョシュ・チータム、トーマス・バエテ、上村かおり、小池香織の各氏のレッスンを受ける。
2019 - 2020年、日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会・会報担当理事を担当。楽器は他に、エレクトリック・ベース、コントラバスでも演奏活動を行なっている。
岡田龍之介(チェンバロ)
慶應義塾大学、東京藝術大学卒業、藝大大学院修了。チェンバロを有田千代子、渡邊順生各氏に師事。全国各地で演奏活動を行い、国内外の優れたバロック奏者との共演を通じてアンサンブル経験を深める。最近は「ザロモン室内管弦楽団」や「Ars Nova新潟」の指揮者を務める等、指揮活動にも力を注ぐ。第13、23回山梨古楽コンクール審査員。ソロCD「銀色の響き」(レコード芸術誌準特選盤)をはじめ11枚のCDをリリース。都留音楽祭講師(~2017)、洗足学園音楽大学講師(~2021)。古楽アンサンブル「ムジカ•レセルヴァータ」主宰。FM鴻巣「クラシックの散歩道」パーソナリティ。日本チェンバロ協会会長。
春爛漫のバロック音楽
“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第126回
横浜港を見下ろす「港が見える公園」は、3月下旬、春の花が咲き乱れ芳しい香りに包まれます。
英国総領事館として建てられた西洋館「横浜市イギリス館」のホールで、昔のスタイルの楽器(バロック・オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ)によるバロック音楽を演奏いたします。春のひと時、ゆったりとお楽しみください。
プログラム
J. B. d. ボワモルティエ:トリオ・ソナタ
ホ短調 op.37-2
Joseph Bodin
de Boismortier (1689-1755) : Sonates
en trio op.37-2
Allegro / Adagio / Allegro
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755)はフランスのロココ期の作曲家です。旋律の美しさ、簡明さ、気品の良さが特徴で、当時のパリでは大人気を誇っており、多岐にわたるジャンルの100曲以上もの作品を出版しました。そして立て続けにヒットをとばし、貴族のパトロンも持たないのに金持ちになったという「フリーのアーティスト」の草分け的存在です。op.37 の中の5曲のトリオ・ソナタはいずれも、フルート、オーボエ、ヴァイオリンなどの高音の楽器とチェロ、ガンバ、ファゴットなどの低音の楽器、それに通奏低音という組み合わせのアンサンブルです。第2番ホ短調を演奏いたします。(大山有里子)
F. クープラン:クラヴサン曲集
第1オルドルより
François Couperin (1668-1733) : Premier livre de pièces
de clavecin, 1er ordre
種々の思い Les Sentimens 〜 ブルボン家の人々 La Bourbonnoise 〜 女優マノン La Manon 〜 優しいナネット La tendre Nanette
クープランは18世紀フランス・バロックを代表する作曲家、鍵盤楽器奏者です。作品はオペラやカンタータを除くほぼ全てのジャンルにわたり、中でもクラヴサン(チェンバロ)作品は当時のフランスにおいて、質量共に抜きん出ていました。四巻のクラヴサン曲集を残していますが、伝統的な舞曲に基づく作品と、新しい標題を伴う一種の描写的な作品とが混在しています。本日取り上げる作品は全て第一巻の第一オルドル(クープランは自作品を、当時一般的であった「組曲」ではなく「オルドル」という名前で呼んでいました)に含まれ、より新しい傾向の標題を伴った作品を四曲ほど選びました。(岡田龍之介)
J-F. ルベル :オーボエと通奏低音のためのソナタ 第11番 変ロ長調
Jean-Féry Rebel (1666-1747) : Onziéme Sonate
Gay - Lentement - Chaconne – Gay
ジャン=フェリ・ルベル(1666-1747)は、フランスの作曲家で、ヴァイオリニストです。ジャン=バティスト・リュリに師事し、王立音楽アカデミーとパリ・オペラ座の主席ヴァイオリニスト、「王の24のヴァイオリン」団員、宮廷作曲家、王立アカデミー楽長、コンセール・スピリチュエル指揮者という、とても華々しい経歴です。1712年に出版された「2声と3声のためのソナタ集」はヴァイオリン(1台または2台)と通奏低音のための12曲からなる曲集です。今回はその中から第11番変ロ長調を演奏します。ヴァイオリンの曲なのでいろいろ難しいのですが、挑戦してみたかったとても素敵な曲です。オーボエで演奏すると少し違った味わいになるかもしれませんが、私なりのファンタジーで吹いてみたいと思います。(大山有里子)
G. サンマルティーニ:オーボエと通奏低音のためのソナタ
ト長調 op.13-4
Giuseppe Sammartini(1695-1750) : Sonata op.13-4
Andante / Allegro / Adagio/ Minuet
ジュゼッペ・サンマルティーニは 非常に卓越したオーボエ奏者として評価されていました。1728年にロンドンにわたり華々しい演奏家としてたちまち評判を得た後、終生ロンドンで過ごしました。ヘンデルのオペラの自筆譜において多くのオーボエ・ソロの箇所にサンマルティーニの名が記されているそうです。彼は主に器楽の作曲家で、コンチェルトやソナタを多数作曲しています。本日演奏するのは,1760年ごろに出版された、ジャーマンフルート(横笛)、ヴァイオリン、あるいはオーボエと通奏低音のための6曲のソロ 作品13」に収められています。なお、ミラノで活躍し、交響曲や劇音楽などを作曲した、ジョバンニ・バッティスタ・サンマルティーニは彼の弟です。(大山有里子)
C. P. E. バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためソナタ
ハ長調 Wq.136
Carl Philipp Emanuel Bach (1714-1788) : Sonate
Wq.136
Andante / Allegro / Arioso
ヴィルトゥオジティと繊細さが要求される、ヴィオラ・ダ・ガンバのためのレパートリーの最高峰のひとつとされているソナタです。C.P.E.バッハはヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタを3つ残しました。父であるJ.S.バッハも同編成のためのソナタを3つ残していており、それらもヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のための代表的で重要なレパートリーとなっています。C.P.Eバッハのソナタは時にチェンバロに代わりフォルテ・ピアノでも演奏されます。バロック音楽から古典派音楽への過渡期の作曲家と位置付けられるC.P.Eバッハの本ソナタは、意外な和声進行、半音階、大胆なダイナミックスの変化、旋律間の鋭い対比、など予期せぬ展開と奇想天外なアイディアにあふれ、まさに疾風怒濤という作風になっています。前述のJ.S.バッハのソナタは深い精神性が感じられ、最終楽章も重厚でテクニカルなものになっていますが、C.P.E.バッハなどの時代の作品は往々にして最終楽章は軽めの雰囲気で終わる特徴があり、本ソナタも全体に伸びやかで優美な雰囲気を漂わせ、第2楽章に最大の山場があり、最終楽章では軽やかに満足感を伴い締め括られます。(加藤久志)
J. B. d. ボワモルティエ:トリオ・ソナタ
イ短調 op.37-5
Joseph Bodin de Boismortier
: Sonates en trio op.37-5
Vivace / Largo / Allegro
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755)はフランスのロココ期の作曲家です。旋律の美しさ、簡明さ、気品の良さが特徴で、当時のパリでは大人気を誇っており、多岐にわたるジャンルの100曲以上もの作品を出版しました。そして立て続けにヒットをとばし、貴族のパトロンも持たないのに金持ちになったという「フリーのアーティスト」の草分け的存在です。op.37 の中の5曲のトリオ・ソナタはいずれも、フルート、オーボエ、ヴァイオリンなどの高音の楽器とチェロ、ガンバ、ファゴットなどの低音の楽器、それに通奏低音という組み合わせのアンサンブルです。第5番イ短調を演奏いたします。(大山有里子)
たくさんの拍手をありがとうございました。アンコールにボワモルティエのトリオ・ソナタ
op.37-1 よりアレグロを演奏いたします。
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