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27th Concert

 

アンサンブル山手バロッコ 第27回演奏会

山手西洋館コンサートシリーズ

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第2回コンサート

サロンで楽しむハイドン・モーツァルト Part-IV

 

"Haydn and Mozart" Part-IV

2009321() 午後2時開演(130分開場) 山手ベーリックホール 

2
00pm 21ST March. 2009 at Berrick Hall

 

出演 アンサンブル山手バロッコ 

わたしたち「アンサンブル山手バロッコ」は、98年、横浜山手の洋館 山手234番館のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家 朝岡聡を中心に結成された、バロック時代の楽器(古楽器)を使った演奏団体で、継続的に山手の洋館での演奏活動を続けています。本日の演奏メンバーを紹介します。

曽禰寛純 Hirozumi Sone(フラウト・トラヴェルソ Flauto traverso,)
フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で学び、慶應バロックアンサンブルで演奏。カメラータ・ムジカーレ同人。当アンサンブル発足メンバー。 

角田幹夫Mikio Tsunoda(ヴァイオリン、ヴィオラViolin&Viola):
慶応バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在、カメラータ・ムジカーレ同人。当アンサンブル発足メンバー。

小松久子Hisako Komatsu(ヴァイオリンViolin):
慶応バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。カメラータ・ムジカーレ同人。エッフェ弦楽アンサンブルコンサートミストレス。

原田純子Junko Harada(ヴァイオリン、ヴィオラViolin&Viola):
慶應バロックアンサンブルでヴァイオリンを演奏。バロック・ヴァイオリンを渡邊慶子氏に師事。モダンとバロック楽器の両方で活躍。

北村貞幸Sadayuki Kitamura(チェロVioloncello):
慶應ワグネル・ソサイエティ・オーケストラ、JAO(日本アマチュア・オーケストラ)元首席チェリスト。現在、モダンとバロック楽器の両方で活動。

飯塚正己Masami Iizuka(コントラバスContrabass):
学生時代よりコントラバスを桑田文三氏に師事。卒業後河内秀夫、飯田啓典の各氏より指導を受け演奏を続けている。

野口詩歩梨Shihori Noguchi (チェンバロCembalo)
福井県生れ。桐朋学園大学古楽器科卒業、同研究科修了。ピアノを伊原道代、雨田信子、チェンバロを故鍋島元子、又アンサンブルを有田正広、本間正史、中野哲也の各氏に師事。その後クイケン兄弟、モルテンセン氏などの指導を受ける。現在東京を中心に通奏低音奏者、ソリストとして幅広く活動。これまでにもフルートのM.ラリュー、F.アーヨ、中野哲也など数々の音楽家や室内オーケストラと共演。2000年、2002年、2004年「音の輝きをもとめて」と題したソロリサイタルを開催。20091月には、 “洋館で親しむバロック音楽”シリーズの第一回 バッハのチェンバロソロコンサートを開催、各方面より好評を得る。古楽情報誌アントレ製作ビデオ等に出演。横浜市在住。


 

アンサンブル山手バロッコ 第27回演奏会

山手西洋館コンサートシリーズ

“洋館で親しむバロック音楽”シリーズ 第2回コンサート

サロンで楽しむハイドン・モーツァルト Part-IV

 

"Haydn and Mozart" Part-IV

 

プログラム
Program

 横浜山手の洋館での古楽器による音楽のひとときに、ようこそおいでいただきました。今回のコンサートは、2009年より新たに始まった、横浜山手の洋館で親しむバロック音楽のシリーズの2回目。第2弾は、バロックより少し後になりますが、「バロック音楽+(プラス) 」としてお許しいただき、没後200年となるハイドンの曲と、同時代のモーツァルトの曲を集め、交響曲、協奏曲を含め、貴族や商人の館などサロンで楽しまれたアンサンブルの形でお届けさせていただきます。

 

 

F.J.ハイドン(17321809)

フルート四重奏曲 ハ長調 作品5-6 Hob.II:11

プレスト - アンダンテ・モデラート - メヌエット - ファンタジア・モデラートと変奏

F. J. Haydn / Flute Quartet C-Major Op.5-6  Hob.II:11

Presto - Andante moderato - Menuetto - Fantasia Moderato & Variations

ハイドンは不思議な作曲家です。晩年のロンドン訪問を除いて、同時代のモーツァルトのようにヨーロッパ中を旅行しその作曲や演奏の腕前を披露したことがないにも関わらず、その名前や曲は広く欧州で知られており、ハイドンが知る・知らないに関わらず多くの出版楽譜が流通していました。それだけ、ハイドンの新しい時代を作り出す力を当時の人達も感じていたのかもしれません。

演奏するフルート四重奏曲は、1768年にHummelが出版した6曲のフルート四重奏曲集に収められています。この曲集はハイドンの関知することなく出版されたもののようで、実際6曲のうち、確実にハイドンの作と確認されているのはこの曲を含んで2曲のみですが、フランスやロンドンで(海賊)出版が相次ぐほど、もてはやされていた曲のようです。この曲の原曲はフルート、オーボエと弦楽のためもので、ハイドンが長く仕えることになるエステルハージ公爵の宮廷楽長になる以前のモルツィン伯爵家の楽長時代の曲と考えられています。

全体にハイドンらしい楽しみと驚きに溢れた曲ですが、特に緩徐楽章のオクターブで寄り添う特徴的なテーマは、「男と女」のニックネームが付き有名になり、鍵盤独奏や歌曲にまで編曲され流行したということです。

 

W.A.モーツァルト(17561791) 

セレナード ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 KV.525

アレグロ - ロマンツェ(アンダンテ - メヌエット(アレグレット - ロンド(アレグロ)

W. A. Mozart / Serenade G-Major KV.525 "Eine Kleine Nachtmusik"

Allegro - Romanze(Andante) - Menuetto(Allegretto) - Rondo(Allegro)

アイネ・クライネ・ナハトムジークは、モーツァルトのセレナード中で、いや全作品の中でも最も人気のある作品で、あらためて説明の必要も無いかもしれません。

オペラ「ドンジョバンニ」の作曲時期に、並行して作られたこの曲は、もちろんモーツァルト最後のセレナードですが、何のために作られたのか、現在残されている4つの楽章の他にメヌエットがあったがなぜ出版されなかったのか、演奏形態が指定されていないなど、いくつかの謎を秘めた曲でもあります。

本日の演奏では、(山手バロッコで過去に演奏した3曲のディヴェルティメント同様)各パート1人の室内楽編成をとることにし、また、低音にはバロック時代の通奏低音(チェンバロと低弦楽器の組み合わせ)の名残も感じられる事から、チェロ、コントラバスとチェンバロで低音を演奏することにしました。モーツァルト晩年の曲ですが、新鮮な響きになっていれば幸いです。

 

 

J.C.バッハ(17351782) /W.A.モーツァルト(17561791) 

チェンバロ協奏曲 ニ長調 KV.107-I

アレグロ - アンダンテ - テンポ・ディ・メヌエット

J. C. Bach / W .A. Mozart / Cembalo Concerto D-major KV.107-I

Allegro - Andante - Tempo di Menuetto

 

モーツァルトはその短い生涯に30曲近いピアノ協奏曲を作曲しましたが、初期の作品の中には他人のクラヴィーア(チェンバロ)ソナタを協奏曲に改作したものが何曲かあります。今日演奏するニ長調のチェンバロ協奏曲は、彼がロンドン滞在中(176465)に親しく知り合い、終生尊敬の念を抱き続けたクリスチャン・バッハ(大バッハの末息子)のチェンバロ独奏用のソナタをモーツァルトが15歳の頃に改作したものです。

モーツァルトは、敬愛するクリスチャン・バッハの作品を通じて、クラヴィーアの形式や豊かな楽想を吸収しようとしたのでしょう。2本のヴァイオリンと低音による前奏、後奏を加え、各所に伴奏を加えることで、楽想を生かしながら、立派な協奏曲の姿に変身させています。この曲の後いよいよ彼独自の世界を展開したクラヴィーア協奏曲(ニ長調K.175)の作曲に取りかかります。

なお、第1、第2楽章のカデンツァはモーツァルト自身の手によるものです。  

 

 

J.ハイドン(17321809)/J.P.ザロモン(17451815)

フルート、弦楽とチェンバロのための交響(五重奏)曲 第97番 ハ長調 Hob.I-97より

アダージォ/ヴィヴァーチェ − プレスト・アッサイ

J. Haydn/ J. P. Salomon

Symphony Quintett C-Major after Symphony No.97

Adagio/vivace - presto assai

ハイドンは長らくエステルハージ候の宮廷楽長として、ハンガリーの宮廷にとどまってはいましたが、その名声はヨーロッパ中に鳴り響いていました。またモーツァルトとも親交が深く、モーツァルトが斬新な弦楽四重奏曲を献呈し、現在ハイドンセットとして代表作となっているのも天才同士の交流ゆえのものと考えられます。

エステルハージ候がなくなり、自由の身になった晩年には、英国の興行師ザロモンの招聘を受けロンドンに2度滞在し、12曲の名作「ロンドン交響曲」を作曲・演奏し、熱烈な歓迎を受けました。ザロモンは、ハイドンのこの交響曲の演奏の際にコンサートマスターも務めた名ヴァイオリニストであり、作曲家でもありました。彼はハイドンの交響曲の版権を買い取り、弦楽四重奏にフルートとピアノを加えた室内楽曲として編曲出版しました。

本日はこの交響曲(五重奏曲)集のなかで、ザロモンが12曲のセットの第1曲として出版し、交響曲の五重奏版という新しいジャンルを開くことになった第97番 ハ長調の交響曲を演奏します。特段のニックネームもなく、演奏される機会の少ない曲ですが、ザロモンが曲集の最初に据えただけのことはある明るく推進力のある曲で、同時にハイドンらしい緻密さと機知にあふれる佳曲だと思います。

 

アンコール

どうもありがとうございました。

沢山の拍手をいただきましたので、モーツァルトのオペラ「後宮からの遁走」から序曲をお送りします。
モーツァルトの時代に、ハイドンの交響曲と同じ編成に編曲されましたが、打楽器のパートも一緒に残されていますので、
本日はタンバリン(江口陽子さん)にも加わっていただき、にぎやかにお届けしたいと存じます。

 

 

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