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クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.17

テレマンの醍醐味

2016716日(土)14時開演 近江楽堂

主催:クラングレーデ

後援:日本チェンバロ協会 協力:アンサンブル山手バロッコ http://www.geocities.co.jp/yamatebarocco

 

クラングレーデ(Klangrede)

クラングレーデとは「音の言葉、音による対話」という意味です。

クラングレーデが演奏するのは、三百年から二百年も昔の、はるかに遠いヨーロッパの音楽です。バロック音楽は単なる「ヒーリング音楽」ではありません。その音楽を聴いて呼び起こされるのは、時代や場所に関わらない普遍的な人間のさまざまなアフェクト(情感)です。アフェクトによってそれぞれの「心象風景」を心に描き出すのです。作曲家が作品を書いた当時に使われていた楽器を使って演奏し、お客様と共に同じ情感を味わう、そんな演奏体験を目指して活動しているアンサンブルです。  

------ クラングレーデ(音の言葉)

 

出演

 

国枝 俊太郎 (リコーダー)

リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。1995年開催の全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞を受賞。これまで東京リコーダー・オーケストラのメンバーとしてNHK教育テレビ「ふえはうたう」「トゥトゥアンサンブル」に出演、CD録音にも参加する。現在はバロック室内楽を中心に、古楽器オーケストラによる数々の演奏会に出演するなど、幅広く活動している。バロック・アンサンブル「クラングレーデ」「ムジカ・レセルヴァータ」、ルネサンス・フルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ」メンバー。

 

大山 有里子 (バロック・オーボエ)

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016年リサイタル「バロック・オーボエの音楽」開催し好評を博す。「ダブルリーズ」メンバー。

 

石川 和彦 (バロック・ヴァイオリン)

大阪音楽大学器楽科卒業後バロック・ヴァイオリンを始め、コレギウム・ムジクム・テレマンの主な公演に出演。2001年に渡仏し、ストラスブール音楽院にてバロック・ヴァイオリンとバロック音楽の研鑽を積む。フランスで“Le Parlement de Musique”などで活躍、現在、室内楽やオーケストラでモダン、古楽器とも活発に活動している。ヴァイオリンを曽田義嗣、林泉、佐藤一紀、バロック・ヴァイオリンを中山裕一、フランソワ・フェルナンデス、ステファニー・フィステー、桐山建志各氏に師事。

 

 

矢口 麻衣子(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 賛助出演

 

 国立音楽大学楽理学科卒業。音楽学を高野紀子氏に、ヴィオラ・ダ・ガンバを神戸愉樹美、平尾雅子の各氏に師事。1999年ドイツ・ヴュルツブルク音楽大学にてヴィオラ・ダ・ガンバをヤープ・テル・リンデン氏に師事。2015年、マリアンヌ・ミュラー氏のマスタークラスを受講。現在、ソロおよび通奏低音奏者として演奏活動している。 HP: http://mayagamba.pinoko.jp/

 

 

伊藤 一人(チェンバロ)

 

東京藝術大学大学院修了。チェンバロ・通奏低音を岡田龍之介、鈴木雅明、大塚直哉各氏に師事。ボブ・ファン・アスペレン、クリスティーネ・ショルンスハイム、シェティル・ハウグサン各氏その他のマスタークラスを受講。201011年度、NHK文化センターにてバロック音楽の魅力を伝える講座を担当。ソロおよび通奏低音奏者として多くのアーティストと共演している。江崎浩司氏のCD「ヘンデル:オーボエソナタ集」「テレマン:12のメトーディッシェ・ゾナーテン」(いずれもフォンテック)ほかに参加。

HP: http://kazutoitocembalo.jimdo.com


クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.17

テレマンの醍醐味

2016716日(土)14時開演 近江楽堂

 

 

テレマンについて

 バロック音楽をお好きな方々にとって、テレマンという名前は非常になじみ深いものなのではないでしょうか。ご自分で何か楽器を演奏なさるような方にとっては、その存在はより身近なものになっているかもしれません。

 私がバロック音楽に興味を持ち始めた当時(今から約30数年前)、とにかくたくさんのレコード(その頃はまだLPが多く出回っていました)を聴いていましたが、それらの中には必ずといっていいほどテレマンの作品が収められていました。そうなると、やはり自分にとってもテレマンは非常に身近な存在になっていきました。

リコーダーやフラウト・トラヴェルソ(以下、トラヴェルソと表記)を真剣に学び始めてからは、そうした気持ちがより強くなっていきました。自分がこの世界に足を踏み入れるきっかけになったのは、フランス・ブリュッヘンの演奏との出会いでした。彼のテレマン演奏にはいつも興奮させられました!オリジナル・リコーダーを使った数々の録音の中には、無伴奏ファンタジー数曲や、ヴァイオリンやガンバとのトリオ・ソナタもあって、それらの演奏を聴くたびに、「この人たちはあれこれ決めごとをしてアンサンブルを作るのではなく、まさに阿吽の呼吸で音楽を作っているのではないか」と思っていました。全く恐るべき録音です!

 何だか自分の事ばかり長々と書いてしまいましたが、バロック時代のレパートリーを眺めると、テレマンによる作品はどんな時にも登場するといっても過言ではない気がします。特に室内楽の分野では様々な編成の曲を残してくれていますので、「困った時はテレマン」みたいな合言葉()が仲間内で囁かれているほどです。テレマン自身が多くの楽器を演奏出来たため、器楽奏者の立場からすると彼の作品は常に「楽器を弾く喜びに満ち溢れている」と感じます。それと同時に、「サービス精神旺盛で、とにかく多くの人々を楽しませたい」という気持ちも作品に見え隠れしているように思えます。生前はバッハよりはるかに人気が高かった、というのもうなずけるような気がします。

 我々クラングレーデはリコーダー(またはトラヴェルソ)、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音という編成で活動しておりますが、こうした編成だとテレマンの作品にはお世話になりっぱなしなのです。コンサートのプログラムを組む時、メンバーの頭の中には「やっぱりテレマンの曲は何か入れたいなぁ」と思う事も多々あります(私だけか?)。今回はそんなテレマンの魅力をたっぷり感じていただけるように、様々な編成の室内楽作品を集めてみました。これをきっかけに、今まであまりテレマンをご存じなかった方にもテレマンの素晴らしさを少しでも感じ取っていただけたら幸いです。

(国枝俊太郎)

 

 

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)

   Georg Philipp Telemann

 

 四重奏曲 ト長調 TWV 43:G6(リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音)    

  Quartett G-Dur TWV 43:G6

        Allegro / Grave / Allegro

 

トリオ・ソナタ ト長調 TWV 42:G10(ヴァイオリン,ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音)

  Sonata G-Dur TWV 42:G10

        Cantabile / Vivace / Affettuoso / Allegro

 

 

トリオ・ソナタ ト短調 TWV 42:g5 「音楽の練習帳」より  (オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音)

  Trio V g-moll inEssercizii Musici TWV 42:g5

        Mesto / Allegro / Andante Largo - Andante / Vivace

 

****

 

ソナタ ト長調 TWV 40:111 ”忠実な音楽の師 " より (リコーダー、ヴァイオリン)

  Sonata G-Dur TWV 40:111 inDer getreue Music-Meister

        Dolce / Scherzando / Largo e misurato / Vivace e staccato

 

 

四重奏曲 ト短調 TWV 43:g2 (オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音)

  Sonata g-moll TWV 43:g2

        Affettuosso / Vivace / Adagio / Allegro

   

 

四重奏曲 イ短調 TWV 43:a3(リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音)

  Quartett a-moll TWV 43:a3

        Adagio / Allegro / Adagio / Vivace

 

アンコールは、序曲(組曲)変ロ長調 TWV 55:B10より ロンドでした。ありがとうございました。

 

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