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山手234番館 バロック・コンサート

クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.2

テレマン 音の交遊録

20081025() 午後6時開演

山手234番館 レクチャールーム 

主催: (財)横浜市緑の協会/山手ベーリックホール  

http://www.hama-midorinokyokai.or.jp

協力: アンサンブル山手バロッコ 

 

出演:

クラングレーデ(Klangrede)

クラングレーデとは「音の言葉、音による対話」という意味です。クラングレーデが演奏するのは、三百年から二百年も昔の、はるかに遠いヨーロッパの音楽です。バロック音楽は単なる「ヒーリング音楽」ではありません。その音楽を聴いて呼び起こされるのは、時代や場所に関わらない普遍的な人間のさまざまなアフェクト(情感)です。アフェクトによってそれぞれの「心象風景」を心に描き出すのです。作曲家が作品を書いた当時に使われていた楽器を使って演奏し、お客様と共に同じ情感を味わう、そんな演奏体験を目指して活動しているアンサンブルです。

 

国枝俊太郎 (リコーダー、フラウト・トラヴェルソ)

東京都出身。リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。1995年開催の第16回全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞を受賞。これまで東京リコーダー・オーケストラのメンバーとしてNHK教育テレビ「ふえはうたう」「トゥトゥアンサンブル」に出演、またCD録音にも参加する。ムシカ・フラウタのメンバーとしても、NHK-FM「名曲リサイタル」にも出演する。現在はバロック室内楽を中心に、リコーダー・アンサンブルによるルネサンス〜現代までの作品や、ギターとのアンサンブルによる19世紀のサロンピースの演奏、さらには古楽器オーケストラによる数々の演奏会に出演するなど、幅広く活動している。

 

大山 有里子 (バロック・オーボエ)

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。モダン・オーボエを大嶋彌氏に師事。卒業後、関西を中心にオーケストラやアンサンブルで、またソロ奏者として活動する。1982年〜1993年まで、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心として数多くの月例演奏会、定期演奏会に出演する。そのかたわらピリオド楽器によるバロック音楽の演奏に興味を持ち、バロック・オーボエを始める。これまでに各地でオリジナル楽器によるアンサンブルやオーケストラに参加している。「アルモニー・アンティーク」メンバー。横浜音楽文化協会会員。

 

酒井絵美子(チェンバロ)

洗足学園高等学校音楽科を経て、同音楽大学ピアノ科卒業。ピアノを池谷淳子、冨岡英子の両氏に師事。在学中チェンバロに出会い、岡田龍之介、家喜美子の両氏に師事。故小島芳子、A.プリャエフ、N.パール、M.メイヤーソン、E.バイアーノの各氏のレッスンを受ける。フォルテピアノを伊藤深雪氏に師事。現在、チェンバロ及び通奏低音奏者として、講習会での伴奏、日本各地での演奏、ピアノ奏者として、様々なアンサンブルに参加するなど、意欲的に音楽活動を行っている。


 

クラングレーデ コンサートシリーズ Vol.2

テレマン 音の交遊録

 

 

洋館のバロック・コンサートにようこそ。本日は、古楽器アンサンブル「クラングレーデ(音の言葉、音による対話)」に登場いただき、バロックの人気作曲家テレマンを中心に、交友のあった作曲家の曲を集めた「テレマン・音の交遊録」を山手234番館の洋館の雰囲気と共にお楽しみいただきます。

 

 

プ ロ グ ラ ム

 

G. Ph.テレマン / リコーダー、オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ へ長調

Georg Philipp Telemann (16811767)  /  Trio F-dur für Blockflöte, Oboe und Basso continuo

Largo / Allegro / Largo / Allegro

 

 

 

J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV906

Johann Sebastian Bach (16851750)  /  Fantasy  c-moll  BWV906

 

 

 

G. Ph. テレマン / リコーダー、オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ホ短調

Georg Philipp Telemann  /  Triosonate e-moll für Blockflöte, Oboe und Basso continuo

Affettuoso / Allegro / Grave / Allegro

 

*** 休憩 ***

 

J. C. F. バッハ /

フルート、ヴァイオリンと協奏的チェンバロのためのソナタ ハ長調

Johann Christoph Friedrich Bach (17321795)  /  Sonate C-dur für Flöte,

Violine und konzertierendes Cembalo (Klavier)

Allegro / Andante / Rondo Allegretto

 

M. ブラヴェ /

「小品集第2巻」より「すてきな恋人」、「小品集第3巻」より「注げ、注げワインを」

Michel Blavet (17001768) /

Charmant Amour IIIe.Recueil de Pieces, Verse verse du vin IIIe.Recueil de Pieces

 

 

テレマン / フルート、オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ホ短調

「食卓の音楽」第2集より

Georg Philipp Telemann / Trio e-moll für Flöte, Oboe und Basso continuo

Tafelmusik-II

Affettuoso / Allegro / Dolce / Vivace

 

 

アンコール 

アンコールは、テレマンの、リコーダー、ヴァイオリン(オーボエ)と通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト短調より、第4楽章 Allegroでした。

どうもありがとうございました。

 

♪♪♪ プログラム・ノート ♪♪♪

 

テレマン1681年ドイツのエアフルト近郊の中産階級の上級の家庭に生まれました。テレマン家は、大学で学び教会関係に勤める教養のある家柄でしたが、音楽一家ではありませんでした。テレマンは若くから音楽の才能に恵まれて、独学で音楽を修めました。一族の伝統どおり大学へ進学しましたが、1701年ライプチヒ大学に入るやいなや、教会のカンタータを作曲し始め、学生オーケストラ「コレギウム・ムジクム」を創設し、市民の人気を博しました。この団体は後年、バッハが楽長を勤め1730年代に絶頂期を迎えることとなります。

1705年には、ゾーラウの宮廷楽長になり、土地柄と殿様の影響でフランス、イタリア、ポーランドの音楽に接します。1708年ころアイゼナッハの宮廷楽団のコンサートマスターに就職。この時代、ヘンデルや当時ワイマールの宮廷楽長だったバッハと知り合い、交流を深めます。この交友の証拠は、1714年 バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルの名付け親にテレマンがなったことでも裏付けられます。(このエマヌエル・バッハは後にテレマンの後を継いでハンブルグの音楽総監督になります。)

1721年ハンブルグの音楽監督に就任して以来、1760年代まで、ドイツで最も有名かつ影響力のある音楽家になりました。自ら楽譜出版を手がけ財を成しました。トリオ・ソナタ へ長調、ホ短調は、緩・急・緩・急の4楽章構成で、テレマンの得意なジャンルのひとつです。テレマンは自叙伝の中でこう語っています。「私は特にトリオ・ソナタの作曲に精魂を傾けた。つまり、第2のパートがあたかも第1のパートを思わせるように作り、またバスは自然なメロディで上声部と親密な調和を保ち、しかも一音一音が、まさにそれ以外ではあり得ないといった動きをするように作曲した」 

テレマンの楽曲の中でも特に有名なのは、1733年に出版された「食卓の音楽」。その予約名簿には、ヘンデルやフランスのフルート奏者で作曲家のブラヴェの名前も見えます。本日はこの曲集の第2集に含まれるトリオソナタホ短調を演奏します。フルート、オーボエの特徴を活かしながら通奏低音も活躍するテレマンならではの曲に仕上がっています。1737年には、そのブラヴェらの招聘で8ヶ月パリに滞在し、宮廷やコンサートでの自作演奏が大評判になりました。このとき作曲され出版された「パリ四重奏曲」はバッハも購入しており、公開演奏会(コレギウム・ムジクム)で演奏したと考えられています。

ブラヴェは当時最高のフルーティストとして知られており、その演奏は「神業」と言われて、他に並ぶ者がいないほどでした。「小品集」は、生徒のレッスン教材として作られた曲集だと考えられています。様々な編成の作品をブラヴェが2本のフルートのためにアレンジした曲が収められていますが、今回の2曲はいずれも当時の流行歌だったと思われます。

バッハの幻想曲ハ短調2種類の手稿譜(1720年代の末と晩年の1738年頃のもの)で残されており、作曲技法の習熟と演奏技法の卓越を示す名曲です。家庭での演奏のために作られたものだったのでしょうか、それとも市民音楽会でも披露されたのでしょうか。わずか40小節の短い作品ですが、これ以上何も付け加える必要がないほど厳格な作りになっています。エネルギーに満ちた主題と抒情的な副主題が対置する前半、豊かに転調を経て再現する後半、随所で両手が交差するテクニックも見所です。

テレマンは、フランスやイタリアの様式を融合し、またポーランドなどの地方の音楽を融合しバロック音楽を集大成しましたが、さらにバロックの枠を超えて、次の古典派への橋渡しとなるギャラント様式も牽引しました。このギャラント様式は、バッハの息子の時代を経て、ハイドン、モーツアルトへ直接繋がることになります。

J.C.Fバッハは、バッハの五男でビュッケブルクの宮廷楽長を生涯勤めました。テレマンとの直接の交流は記録されていませんが、バッハ家で最高の鍵盤楽器奏者といわれたように、父から受け継いだバロック様式を出発点としながらも、モーツアルトへ繋がる時代感覚をもった人で、1778年にはテレマンの後をついでは音楽監督になった兄のエマヌエルをハンブルグにたずね、次いで、はるばるイギリスに向かい、ヘンデル以降最高の人気作曲家で「ロンドンのバッハ」と呼ばれた末の弟、ヨハン・クリスチャンをたずねる旅もしています。ソナタ ハ長調はタイトルに「協奏的チェンバロ」とあるように、チェンバロが華やかに活躍します。(本日はヴァイオリンに変えてオーボエで演奏します。) 

 

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