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ダブルリーズ

10回 アニバーサリーコンサート

洋館で親しむバロックシリーズ 第105

神奈川文化プログラム認証事業

202144日(日)14:00 開演 横浜市鶴見区民文化センターサルビアホール 3F 音楽ホール

主催:クラングレーデ コンサート事務局 協力:アンサンブル山手バロッコ

 

出演

大山有里子(バロック・オーボエ)

大阪教育大学音楽科卒業。同大学専攻科修了。オーボエを大嶋彌氏に師事する。卒業後、関西を中心に活動し、「大阪コレギウム・ムジクム」のソロオーボエ奏者として、バロック時代の作品を中心に数多くの月例演奏会、定期演奏会等に出演する。その後ピリオド楽器(バロック・オーボエ)による演奏に専念し、バロック・アンサンブル「アルモニー・アンティーク」等に参加。近年はバロック時代だけでなく古典期のオーボエ曲のピリオド楽器による演奏にも取り組んでおり、関東を中心に活発に活動している。2016~19年、リサイタル「バロック・オーボエの音楽」開催。「クラングレーデ」「古楽団あおば」メンバー。

 

今西香菜子(バロック・オーボエ)

13歳よりオーボエを始め、これまでにオーボエを東野正子、故 本間正史、故 柴山洋の各氏に師事。リチャード・ウッドハムス、若尾圭介、ジョナサン・ケリー等のマスタークラスを受講。桐朋学園大学及び同大学研究科修了。在学中よりバロック・オーボエを始め、故 本間正史氏に師事。現在フリーで演奏活動中。音楽教室エンゼルミュージック、フォレストミュージック講師。YouTubeチャンネル「今西香菜子」開設。

 

永谷陽子(バロック・ファゴット)

桐朋学園大学卒業。同大学研究科及びオーケストラアカデミー修了。バロック・ファゴットを堂阪清高氏に師事。2012年横浜・西洋館de古楽で、モーツァルト作曲ファゴット協奏曲をピリオド楽器で熱演。第26回国際古楽コンクール(山梨)にて奨励賞。古楽、モダン両分野でオーケストラや室内楽、CD録音に参加。八王子音楽院、ドルミール音楽教室講師、YouTubeチャンネル「烏山バロック倶楽部」開設。

 

寺村朋子(チェンバロ)

東京芸術大学チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回国際古楽コンクール山梨にてチェンバロ部門第2位入賞。イタリア、オーストリア、ベルギーなど国内外のアカデミーに参加して研鑽を積む。NHKFMリサイタル」に出演。トリム楽譜出版より、「フルートバロックソナタ集」「J.S.バッハ作品集」(増刷)を編曲、出版。チェンバロソロCDCapriccioお気に召すまま」(レコード芸術準推薦)リリース。宮地楽器小金井アネックス・チェンバロ科講師。日本チェンバロ協会会員。「アントルメ」メンバー。YouTubeチャンネル「Cembaloチェンバロう!」開設。

 


 

ダブルリーズ

10回 アニバーサリーコンサート

洋館で親しむバロックシリーズ 第105

 

プログラム(解説:ダブルリーズ)

 

S.ボディヌス
Sebastian Bodinus (c1700-c1756)

トリオ・ソナタ 第4番 ニ短調(音楽的ディベルティメント集第W巻より)
Sonata 4 in "Musicalisches Divertissiment" [sic], Part IV

Largo / Fuga allegro / Andante en Polonoise / Allegro un poco

ゼバスティアン・ボディヌスはドイツのチューリンゲン地方に生まれ、シュトゥットガルトなど様々な宮廷で働き、一定の場所に留まらず活躍した音楽家です。オーボエも演奏しましたが、最も得意な楽器はヴァイオリンだったようです。室内楽の作曲に力を注ぎました。生前に出版された曲は多くはありませんが、この曲は1726年にアウグスブルクで出版されています。様式の点では後期バロックに属しますが、明らかにギャラント様式の要素もある美しい曲です。

 

W.de.フェッシュ
Willem de Fesch (1687-1761)

ファゴット・ソナタ Op.13-5 ニ長調
Sonata Op.13-5

Siciliana Andante / Allemanda Comodo / Minuetto 1, Minuetto 2

ウィレム・デ・フェッシュはオランダ出身の作曲家で、ヴィオローネ(大型の弦楽器)奏者です。アムステルダム、アントウェルペンなどで活躍したのちイギリスへ渡り、ソリストとして活動、教育と作曲にも携わり、ヘンデルの楽団でヴィオローネを演奏しました。作品には、チェロ、ファゴットまたはヴィオローネのための二重奏ソナタ、通奏低音付きソナタ、協奏曲や、オラトリオなどがあります。

このソナタの原曲はチェロと通奏低音のためのソナタで、作品の技巧から彼の演奏技術も高かったと考えられます。

 

J.S.バッハ
Johann Sebastian Bach (1685-1750)

フーガの技法 コントラプンクトゥス 10 10度の展開対位法による4 BWV1080/10
Die Kunst der Fuge, BWV 1080 Contrapunctus 10 a 4, alla Decima 

「フーガの技法」は、バッハが晩年に作り続けた作品です。フーガとは、主題や旋律が次々と先行するものを追いかけるように展開される対位法という作曲技法の曲です。バッハは1つの主題を元に複数のフーガを作り、最晩年には出版の準備に並行して作曲を続けていましたが、視力が低下したため作曲を中断することとなり、曲集の大半は出来上がっていたものの未完成となりました。コントラプンクトゥス10では、2つの主題が登場し、その動きが鏡のように反対方向へ進む技も入っています。バッハが織りなす音の軌跡をお楽しみください。

 

 

G.F.ヘンデル
Georg Friedrich Händel (1685-1759) 

トリオ・ソナタ op.2/3 HWV 388 変ロ長調
Sonate Nr.3 Op 2/3, HWV 388

Andante / Allegro / Largetto / Allegro

ドイツのハレに生まれたヘンデルは、1712年に二度目に訪れたロンドンに移住し、1727年には正式に帰化しました。このトリオ・ソナタ HWV 388が含まれているトリオ・ソナタ集を作曲したのは1718年頃です。この曲集はヘンデルの生前に5つの版が出版されていることから、非常に人気があったことがわかります。彼は自作品を再利用して他の作品を作曲することを好んでいました。このトリオ・ソナタの第13楽章はオラトリオ「エステル」第4楽章はオルガン協奏曲Op.4-2と関連があり、(編成はオーケストラ)そこでもオーボエが活躍しています。

 

A. ロッティ
Antonio Lotti (c1667-1740)

4声のソナタ 「エコー」
Echo. Sonata à 4

Echo / Adagio / Presto

「ヴィオールと通奏低音(用)の色々な曲」(第 1 組曲〜第5組曲)から、第 2 組曲の ニ調を抜粋で演奏します。組曲の最初は他の組曲と同様にプレリュードで始まりますが、 その後の配置は同じでなくばらばらなことからも、”色々な曲”という創意を感じ取れま す。演奏者により曲の順番を自由に入れ替えて演奏されることが多く、今回も抜粋を演 奏者による任意の順番で演奏します。本作品はボワモルティエがいかにヴィオールを熟 知していたかが伝わってくるような、見事な作風となっています。どうぞバリエーショ ンに富んだ組曲をお楽しみください。

 

G.Ph.テレマン
Georg Philipp Telemann (1681-1767)

オーボエ・ソナタ ホ短調 TWV41:e6
Sonata in "Essercizii Musici" (Solo 11) TWV41:e6

Largo / Allegro / Grave / Vivace

このソナタは、テレマンの曲集「音楽の練習、または種々な楽器のための12の独奏曲と12の三重奏曲 」の中の一曲です。この曲集は、オーボエやヴァイオリンなどの独奏楽器のための12曲のソロ・ソナタと12曲のトリオ・ソナタが収められており、「音楽の練習帳」とも呼ばれています。演奏技術を高めるための曲集でありながら芸術性も高く、この曲集に含まれる曲は演奏会用として今日でもよく取り上げられます。

このオーボエ・ソナタはラルゴ、アレグロ、グラーヴェ、ヴィヴァーチェの4つの楽章からなり、終楽章はオーボエ、チェンバロ共に無窮動的な動きをしているのが独特です。

 

J.F.ファッシュ
Johann Friedrich Fasch (1688-1758)

4声のソナタ ニ短調 FWV N:d
Sonata a 4 FWV N:d

         Andante / Allegro / Cantabile / Allegro  

ヨハン・フリードリヒ・ファッシュはバッハと同時代のドイツの音楽家で最も重要な人物の一人です。1722年にツェルプストの宮廷楽長に就任し没年までその地位にありました。ほぼ同年代のJ.S.バッハはファッシュのいくつかの作品を写譜、編曲しており、彼の作品を高く評価し研究していたことが伺えます。 ファッシュの作品はその生前には1曲も出版されませんでした。そのため19世紀にはバッハなどの陰に隠れて注目されませんでしたが、最近はますますその重要性が認識されてきている作曲家です。管弦楽の中でのオーボエや他の管楽器の扱いは、バロックの枠を出て古典様式へと向かう特徴と独創性が見られます。

 

 

アンコールは、たくさんの拍手をいただきましたので、ヘンデルの4声のソナタ ヘ長調 HWV383より第4楽章 アレグロお届けいたしました。

 

 

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